へたれさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

へたれ

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英雄の証明(2021年製作の映画)

3.3

良かったとこ カメラの構図や演出の巧みさ
まず、最初と最後で刑務所の入り口を対照的なカメラパンで捉えるとか、ラストシーンの左右の比較のような分かりやすくメッセージが伝わる巧みさ。序盤でカバンを持ち主に
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.5

良かったとこ1 意味不明を極めたストーリー
破壊衝動に突っ走る前半が、シェイクスピアの十二夜のような性別入れ替わりの中盤を経て、家族の再生とキリストの誕生に繋がるようなストーリー。パーツごとには古典的
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.3

良かったとこ プロダクションデザインの徹底ぶり
この映画全体が、逃げ道のない迷路をグルグル回りながら深みにハマっていくのにあわせて、プロダクションデザインの象徴性も徹底していた。序盤のカーニバルでは、
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.0

良かったとこ1 ジュディ•デンチとキアラン・ハインズの掛け合い
この町で長年暮らしてきた感を醸し出さないといけないこの映画で、この二人の爺さん婆さんの掛け合いは、本当に時間を共にしてきたような雰囲気を
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.3

良かったとこ1 70年代風ルックス
「フレンチ・コネクション」のような70年代のアメリカ刑事ドラマのルックスで、サイコパススリラーを作ったような感じ。
ゴッサムシティのルックスは70年代のニューヨーク
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チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ー(2020年製作の映画)

3.2

良かったとこ 技術力が実現した臨場感
顔出し禁止の題材に対する新アプローチ。顔モザイクだと隠し撮影感はあっても長時間の鑑賞は難しいし、再現ドラマは演技が過剰になりかねない。このドキュメンタリーでやった
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

3.2

良かったとこ ウィル・スミスとアーンジャニュー・エリスの演技
まずウィル・スミスが良い。この役は意外と難役で、ただ熱意で押し切るだけだと夢に執着している迷惑な父親になり、観客を敵に回しかねない。そこを
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オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

2.6

良かったとこ 第二幕のコンゲーム感
作戦の主要人物になる4人が集まってから、架空の人物を作成していき、作戦が開始するまでの展開は、コンゲームものにありがちなテンポの良さで計画が組まれていくところが良か
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.8

良かったとこ1 America
この映画の良さが全部集約しているのが「America」のシーン。61年版では屋上で夜に踊っていたこのシーンを、朝の路上に変更した。これによって、歌詞とシンクロするように
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THE RESCUE 奇跡を起こした者たち/ザ・レスキュー タイ洞窟救出の奇跡(2021年製作の映画)

3.4

良かったとこ1 巧みな編集と再現ドラマ
洞窟の中の映像は、かなりの部分が救助した本人による再現ドラマとCGマップで補われている。ところが、実際のニュース映像と再現ドラマの境目がほとんど気にならないよう
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.0

良かったとこ1 聾唖者たちの生活を演じるリアルさ
物音に無頓着な食事シーンや、手話どうしで口論する時の息づかいなど、健聴者では想像しづらい聾唖者たちの生活が誇張されずに描かれているのが良かった。
3人
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.7

良かったとこ1 語り方がレベルアップした
平面的な絵作り、カメラの水平移動、パステルカラーという今までのウェス・アンダーソン印だけでなく、その他にも表現方法の引き出しがかなりあった。まず全編を通じて白
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ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

3.6

良かったとこ1 ひねりのあるストーリー
観客の予想の逆を行くストーリーのわりに、運命論をめぐるテーマが終始一貫しているので、寓話的に楽しめた。ダイハード以来の、派手なアクションとクリスマスがうまく合
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

2.5

良かったとこ 濃い演技のぶつかり合い
テレビの再現ドラマのように大味な映画なので、繊細な演技よりも顔芸や大声で押し切る力技が映える映画。その点で、レディ・ガガの終始野心を剥き出しにしている表情と、ジャ
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マクベス(2021年製作の映画)

3.5

良かったとこ1 抽象度と肉感のバランスの良さ。
抽象的な舞台装置と白黒を活かした照明によって、全体的にはドイツ表現主義のような見た目になっているのが美しい。シェイクスピアの台詞をほとんどそのまま喋るの
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.5

良かったとこ1 制約を逆手に取ったストーリー
すでに2回リブートしてること、三作目が鬼門なこと(不評だったりキャンセルされたり)、マーベルとソニーの間の契約問題があるのでMCUの中心人物には持ってきづ
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偶然と想像(2021年製作の映画)

3.6

良かったとこ1 短編小説のように捻られた第三話
タイトルどおり「偶然と想像」のバランスが良く取られていたのが第三話。人違いという偶然から生まれた関係が想像力で上書きされ、現実をフィクションが追い越して
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

2.4

良かったとこ ラスプーチンとのバトル
映画開始から1時間ぐらいで、ようやく映画にテンポが出てきたのがこのシーン。マシュー・ヴォーンらしく、ダンス(というかバレエ)のように華麗なアクションを、見やすい構
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

2.5

良かったとこ トーマスの気が狂っていくシーン
予告編でも流れていた歌(White Rabbit)に合わせてトーマス・アンダーソンの生活が描かれるシーンは、現実と妄想の区別がつかずに頭がおかしくなってい
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

2.6

良かったとこ1 過去のロンドンへのオマージュ
本物のスウィンギング・ロンドンというよりも、ビートルズがおらずミニスカートもそんなに流行らなかった世界線で、カフェ・ド・パリを含めて当時のロンドンの雰囲気
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

3.3

良かったとこ1 ロザムンド・パイクの嫌味にならない悪女演技
脚本上ではどう考えても外道にしか見えないのに、これをアメリカン・ドリームの体現とばかりに上昇思考の強キャラとして演じ切ったロザムンド・パイク
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水俣曼荼羅(2020年製作の映画)

3.4

良かったとこ 愛すべき人たちのエピソード
独特の個性を発揮する愛すべき人物に出会えるのが、原一男監督のドキュメンタリーの魅力。今回は、出刃包丁で脳をスライスする浴野先生と、水俣病患者の一人の生駒さん。
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囚人ディリ(2019年製作の映画)

1.9

ダメだったとこ1 アクションを紡がない稚拙なストーリー
ストーリーを大きく分けると、面クリア型の格闘アクションゲームみたいな主人公たちと、警察本部への侵入を防ぐグループに分かれる。前者は、たかが80キ
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.1

良かったとこ1 カンバーバッチの演技
観る前はイギリス人のカンバーバッチにカウボーイ役というのがミスキャストに思えたけど、結果的に大正解。単なるマチズモの代表と思いきや、家族のバランスを崩されたことへ
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

4.0

良かったとこ1 いつも以上に分かりやすい構成
いつもと違って、市長が出席した会議やイベントが大きな軸になっているので、いま何が行われているのか理解しやすい。
加えて、冒頭にボストン市の財政に関するプレ
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皮膚を売った男(2020年製作の映画)

2.6

良かったとこ1 エモくてスタイリッシュな演出
まず、オープニングの列車の中でのプロポーズが、現実離れしつつも多幸感に溢れていて、エモさがよかった。
美術業界のシーンでは、左右対称や鏡による反射を多用し
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エターナルズ(2021年製作の映画)

2.5

良かったとこ 逆光や夕方っぽい景色
とにかくやたらと逆光に照らされるシーンが多く、それが後光が差しているように美しい。
グリーンバックなのか分からないけど、「ノマドランド」でも効果的だったマジックアワ
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モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

3.1

良かったとこ ジョディ・フォスターの過剰なまでの存在感
見終わって振り返ると、ジョディ・フォスターが演じる弁護士は単に資料を読んでいるだけにも関わらず、画面の中での存在感が明らかに準主役になってるのは
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ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)

2.8

良かったとこ ビーニー・フェルドスタインの演技
役作りなど関係なく、要は「ブックスマート」のあの演技の再来で、単独主演でもちゃんと映画を成立させていた。
どう見ても彼女が16歳には見えないので、10代
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キャンディマン(2021年製作の映画)

3.4

良かったとこ1 気の利いたホラーシーン
マンションからカメラが引いていく中で起きる殺人や、トイレの個室から覗き見る殺人など、残虐シーンを気の利いた見せ方で見せるのが良かった。
一方で、地下室に入りそう
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.5

良かったとこ1 極端に映画館向きな映像
配信はもちろん、ホームシアターでも楽しめないような巨大映像が相次ぐ。画面一面広がる砂漠の上をポツンと点のようなポッドが飛んでいるとか、出てくるキャラクターの数か
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.3

良かったとこ1 演出と編集で見せる心境の違い
親愛のキスの長さや、靴を脱いだのか脱げたのか、と言った些細な違いで、同じようなシーンにもニュアンスの違いを生ませるのは効果的だった。

良かったとこ2 ア
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コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)

3.5

良かったとこ1 起きた事実そのもの
陳腐すぎて驚くこともできないぐらいベタで酷い政治腐敗に直面し、それに立ち向かうタブロイド紙の記者に出会えたという事実が、この映画の一番の価値。
狙って撮れるものでも
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.0

良かったとこ1 音響デザインと編集の良さ
聴覚が失われるという体験を音響で見事に表現できているのが良かった。ローパス・フィルターががかったようなこもった音声で難聴状態を表現する一方で、主人公のルーベン
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

2.5

良かったとこ1 冒頭のカースタントとキューバの銃撃シーン
たぶんこの映画の見せ場はこの2つ。全体として今作のアバン・タイトルは期待はずれだったけど、開始15分後ぐらいから始まるカーチェイスは、ボンドカ
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ミッドナイト・トラベラー(2019年製作の映画)

3.4

良かったとこ1 映画として公開できていること
見てあらためて思うのは、この映画が完成したことが一番すごい。主観形式で作られたドキュメンタリー映画として普通に鑑賞できること自体が異常で、撮影に使われた3
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