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墓泥棒と失われた女神の作品紹介

墓泥棒と失われた女神のあらすじ

80年代、イタリア・トスカーナ地方の田舎町。忘れられない恋人の影を追う、考古学愛好家のアーサー。彼は紀元前に繁栄した古代エトルリア人の遺跡をなぜか発見できる特殊能力を持っている。墓泥棒の仲間たちと掘り出した埋葬品を売りさばいては日銭を稼ぐ日々。ある日、稀少な価値を持つ美しい女神像を発見したことで、闇のアート市場をも巻き込んだ騒動に発展していく...。

墓泥棒と失われた女神の監督

墓泥棒と失われた女神の出演者

原題
La chimera
製作年
2023年
製作国
イタリアフランススイス
上映時間
131分
ジャンル
ドラマコメディ
配給会社
ビターズ・エンド

『墓泥棒と失われた女神』に投稿された感想・評価

[あるエトルリア人の見た夢] 100点

人生ベスト。2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。アリーチェ・ロルヴァケル長編四作目。なんだかんだ『天空のからだ』が一番好きで、『夏をゆく人々』も『幸福なラザロ』もそこまでハマらなかったので、最早ファンと名乗っていいのか不安な数年を過ごしてきたが、ようやく胸を張ってロルヴァケルのファンだと名乗れるのが嬉しい。物語は1980年代、エトルリアの美術品を盗掘して売り捌く"トンバローリ(墓荒らし)"に巻き込まれる若い英国人放浪者アルトゥールを中心に語られる。多くを語らない物静かな彼にはエトルリア人の墓を発見するという特殊能力があるのだ。適当に掘ってもなんらかの出土品に遭遇すると言われるイタリアだが、アルトゥールは百発百中で貴重品がわんさか入っている墓の場所を当てるのだ。そんなトンバローリの盗掘風景はコミカルに綴られる。恐らくわざとらしく感じない程度に早回しも使われていて、リーダーの雰囲気も相まって「ルパン三世」みたいにも見えてくる。彼らの初登場シーンは仮装したメンバーがトラクターに乗ってゆっくり近付いてくるという実にフェリーニっぽい風景だったのも印象的。フェリーニ的な猥雑さはソレンティーノが受け継いでいるが、フェリーニ的な華やかさはロルヴァケルが受け継いでくれるのかと感慨深い。

また、アルトゥールは失踪した恋人ベニヤミーナを探しており、彼女の母親フローラと親しくしている。彼女のボロ屋敷には時々娘たち孫娘たちが大挙して押し寄せて騒ぎ立てるが、フローラは彼女たちのことを全く好いていない。そんなボロ屋敷を管理するのはイタリアという名前の女性だ。彼女はフローラに音楽を習っているようだが、フローラはイタリアの歌声に難癖をつけてタダで家事をさせようとしていて、イタリアもフローラが車椅子で自由に動けないことをいいことに二人の子供を広大な屋敷の隅に隠して育てている。ちなみに、基本的に男たちは警察か強盗団にしかおらず、フローラやイタリアのコミュニティは全員女性が構成員なので興味深い。本作品のテーマである、過去は誰のものか、に関して言えば男性コミュニティにも女性コミュニティにも所有権があり、同時にないのだ。顕著なのは廃駅を改装したイタリアが築いたコミュニティだ。フローラはイタリアに、その駅が全ての人間のものであり、誰のものでもないと答える。そこにイタリアは新たなコミュニティを築く。悪いことと良いことの線引は必要だとは思うが、本作品では所有できる過去としてエトルリア人の工芸品、記憶、土地などが登場することで、受け継ぎ可能な部分とそうでない部分を浮き彫りにしていく。

物静かな異邦人は英国人という設定だが、本当はエトルリア人なのではなかろうか。彼は"死後の世界への通り道"を探していると指摘され、エトルリア人が占いに使うという鳥が印象的に引用される。彼が墓に入る度に彼は死んでいるようでもあり、前作『幸福なラザロ』にも似た生と死の境界が曖昧になるような感覚すらある。そんな中で"過去"に属する恋人を探し続けるのは、ある種メタフォリカルな言及でもあり、また、死に場所を求めているようでもある。同胞の墓の上に立つ海岸沿いの工業地帯(ここはまさしくアントニオーニ!)への物憂げな眼差しは、3000年近くイタリアの発展を見てきた人間の目線なのではないか。例え齟齬があろうと、それを信じたくなるほど感傷的なラストには号泣した。こんな幸せな瞬間があるか。
sonozy

sonozyの感想・評価

4.5
イタリアの女性監督アリーチェ・ロルバケルの新作。
失踪した恋人ベニヤミーナが語りかける夢を見ている主人公アルトゥール(ジョシュ・オコナー)が列車で彼女の実家のあるイタリア中部に向かうシーンから始まる。

駅でチンピラ風な男が彼を待っており、相手にしたくないアルトゥールだが、男の車に乗る。男の一味に歓迎されるが、避けるように一人朽ちた小屋のような自身の家に向かう。

アルトゥールは、考古学に詳しく、そのDowsing(木の枝を用いて地下に眠るお宝を探り当てる)の能力で、Tombaroliと呼ばれる墓泥棒の一味と共に、古代国家エトルリア時代の遺跡を掘り起こし、そのお宝をブローカーのスパルタコ(常連ですね。監督の姉アルバ・ロルヴァケル)に売ることを繰り返しており、その罪で服役し釈放されたばかりなのだ。

恋人ベニヤミーナの母フローラ(イザベラ・ロッセリーニ)が暮らす邸宅を訪れると、世話人として同居しながらフローラに歌を教えてもらっているイタリアという名の女性と出会う。

アルトゥールは懲りずに一味と墓泥棒を繰り返し・・・

列車のコンパートメントで同席した3人の女性(特に古代壁画のような1人)の魅力。
アルトゥールについて歌い語るギター弾き。
アルトゥールがお宝の場所を探り当てた時の天地反転。
イタリアが教えるイタリア語の手話。
ベニヤミーナの夢。彼女のニットウェアからほつれた赤い糸。
一味が掘り当てた古代国家エトルリアのキュベレー(大地母神)の像。
廃駅を女系コミュニティにするイタリアのたくましさ。
など、印象深いシーン&ストーリー。

そして、鳩に見つめられながらの、あのぐっとくるラストへ。
愛するベニヤミーナの喪失感、過去とつながる不思議な能力、イタリアとのいい関係...。時に直情的になるも、悲哀に満ちたアルトゥールを演じたジョシュ・オコナーがとてもいい。

タイトルの「Chimera(キメラ)」は、元来はギリシャ神話に登場する複数の動物のハイブリッドな怪物のことで、そこから派生し「幻想・妄念(非現実的な考えや、叶う見込みのない希望)」といった意味もあるようです。
失踪した彼女、赤い糸、過去(エトルリア時代)とのつながり...冒頭からラストまで、アルトゥールの幻想的な空気が漂ってます。
Shaw

Shawの感想・評価

4.8
いわゆるリセンシーバイアスはあるだろうけどとりあえずこの点数。鑑賞中いろんな考えや感情が溢れ出てきたが、結局のところエンディングで静かに圧倒された。

この監督は受けた影響やわりと見慣れたモチーフを見事に自分のものにしてしまうことに長けている。天才の業を目撃したような感覚だ。

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