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ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版

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ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版の作品紹介

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版のあらすじ

ハンガリーの荒涼とした田舎町。天文学が趣味のヤーノシュは老音楽家エステルの身の回りを世話している。エステルはヴェルクマイスター音律を批判しているようだ。 彼らの日常に、不穏な“石”が投げ込まれる。広場に忽然と現れた見世物の“クジラ”と、“プリンス”と名乗る扇動者の声。その声に煽られるように広場に群がる住人達。彼らの不満は沸点に達し、破壊とヴァイオレンスへと向かい始める。

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版の監督

タル・ベーラ

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版の出演者

ラルス・ルドルフ

ペーター・フィッツ

ハンナ・シグラ

デルジ・ヤーノシュ

原題
Werckmeister harmóniák/ Werckmeister Harmonies 4K
製作年
2000年
製作国
ハンガリードイツフランス
上映時間
146分
ジャンル
ドラマ
配給会社
ビターズ・エンド

『ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版』に投稿された感想・評価

kou
4.5
不安や恐怖というのは人間の想像の中こそ、より煽られて増幅していくもの。それでいて、いざ目の前に恐ろしい事柄が現れようとすると別のことに意識を向ける。現実から逃避するように。

突如として投げ込まれるクジラの存在と煽動者プリンス。それが波打つように、暴動が起きる。弱いものを標的にし、街は崩壊する。

恐ろしいのは、その悪夢のような状況の中で主人公だけが狼狽えて行動しているように見える点だ。暴動を前に警察署長は女とダンスを踊る。暴動の後逃げ惑うのは主人公だけだ。

今の時代に見ると、なんとも現実感を増して見える。恐怖や不安がより攻撃的な結果として他者への排除へとつながる。先見的な内容となっているのも興味深い。カットの長さはより映画を見つめる視点を意識させる。素晴らしかった。
5.0
【多様性と調和/チョコロンな世界】

とても政治的メッセージの強い作品だと思う。

ヴェルクマイスターを批判して、7つの音階だけで構成して…なんて今更言われても、音楽家は困るだろうななんて考えるのは僕だけじゃないと思う。聴く方だって、半音が無くなるってどうなのよと思うに違いない。

実は調和に逆行しているのだ。

政治的秩序なんて云っても、それまで知りもしない思想が掲げられ、顔も見たこともないリーダーが祭り上げられても混乱するばかりなのは当たり前だろう。

クジラやプリンスはそんなもののメタファーだ。

ハンガリーなど東欧はこうした政治思想や争いの絶えない地域だったのだ。

この作品が制作されたのは2000年。

ハンガリーは民主主義国家として既に歩み始めていて、前年の1999年にはNATOに加盟、その後2004年にはEUへの加盟を果たす。

映画「ヴェルクマイスター・ハーモニー」は、一見社会主義を批判しているように思えるが、実は、新たにNATOや EU加盟も含めて、社会主義体制が崩壊して10年程度で一気に社会システムが変化、そして、そうした価値観の変化に人々が追いつけず戸惑ってさえいる様を表しているように思える。

また、こうした急激な変化によって人々は本当に幸福になれるのか、他に多様性をキープできるような選択肢はないのかと敢えて混乱と対比させて見せることによって、一義的には必然と思われる方向性に対して疑問を投げかけるような構成になっている気がするのだ。

今や世界は不穏だ。

ロシアや中国は、西洋的な民主主義は押し付けだと反旗を翻しているように思えるし、アメリカのトランプも実はそんな人物だろう。

こうした国や人物は、自分たちの主張を通せることこそが多様だと屁理屈のようなことを言っているように見える。

ただ、こうした考えに同調する輩は日本にも多くいる。

リベラルのモラリティを前提にした言論は言論の自由とは言えないなんて主張もそうだ。好き勝手な言動や誹謗中傷を担保したいだけじゃないのか。

この作品は、この困難な時代にあって、僕たちに多様性を前提にした調和とは何なのか考えることを促しているように思える。

エンディングの場面が示すように、天体など調和を好んだヤノーシュの精神は病んでしまう。現代社会のようだ。

これに対して、調和があってこその多様性なのだと。

ヴェルクマイスターは、音楽の世界にあって、17世紀の終盤にそんな多様性と調和が存在することを調律の中で明らかにしていたのだ。

ところで、ヴェルクマイスターの試みは、後の電子ピアノやシンセサイザーなど電子楽器の発展にも寄与したとも言われいるようで(詳しくなくて申し訳ないけれども)、テクノミュージックを早いうちに牽引した坂本龍一さんが、ガンの闘病や東日本大震災を経て、陸前高田の一本松の電子の流れを記録して音楽として残そうとしたことなど思い出すと、多様とは既に僕たちの世界が調和として獲得しているもので、戦争も含めた直接的な暴力や、ネットの誹謗中傷など、人間だけが調和出来ていないんじゃないかと思ったりする。
環境破壊も実はそうだ。

ヤノーシュが映画の中でよく言っていた「チョコロン」だが、”こんにちは”とか、”やあ”とか、”またね”とか色んな場面で使われて、イタリア語のチャオみたいものらしい。
チョコロンで阿吽がはかれる世の中になれば良いのになあと思う。
4.2
 そもそもタル・ベーラの映画だから起承転結のある映画など望むべくもないのだが、初日に観てさっぱりわからず1週間感想を放置し、昨夜2回目を観たがさっぱりわけがわからない。クジラの目は兎も角としても、プリンスとはいったい何なのか?姿は現さず、声だけで紡がれる今作の主役の不在だけがスクリーンに横たわり続ける。それ自体がタル・ベーラの企てと言っては聞こえは悪いかもしれないが、クジラを広場に運び込んだトラックの鈍重な動きに孤高の作家タル・ベーラの企てはあると言っていい。ハンガリーの荒廃した田舎町。ヴァルシュカ・ヤーノシュ(ラルス・ルドルフ)は、天文学に興味のある郵便配達。彼は靴職人の工房に部屋を借り、仕事と家の往復の中、老音楽家エステルの世話をしている。エステルは、18世紀の音楽家ヴェルクマイスターへの批判をテープに口述記録していた。2人の親密な関係性は何度もリピートされるのでわかるのだが、血の繋がりがあるか否かは定かではない。然しながらヴェルクマイスター音律への違和を表明するエステルと天文学的に地球の自転を話すヤーノシュとは不思議にウマが合う。おそらく50カットにも満たないタル・ベーラの長回しはモンタージュの快楽を巧妙に避ける。世界が狂っているのかそれとも自分が狂っているのかという主人公の問いは純粋無垢で汚れを知らなからこそ罪深い。2000年代のタル・ベーラ映画ほどの振り切れた感じはないが、これもまたタル・ベーラと断言したいどこにもない質感を持った映画である。

『ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版』に似ている作品

アウトサイダー

上映日:

2022年01月29日

製作国:

上映時間:

128分

ジャンル:

3.5

あらすじ

精神科病院で働くアンドラーシュは、バイオリンの見事な演奏を患者に聞かせていた。そんななか、彼は自分の子を産んだばかりのアンナのもとを訪れ、彼女に別れを告げる。やがて、彼は依存症患者と飲酒し…

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