いち麦

コメント部隊のいち麦のレビュー・感想・評価

コメント部隊(2024年製作の映画)
5.0
韓国語原題“댓글부대”は邦題と同義。英題“Troll Factory”の方がインパクトあって良かったかな。
韓国で2017年に起きた国会議員キム・ギョンスによる世論操作事件(ドゥルキング事件)を元にしているようだが、本作の巨悪は国家や国会議員ではなく“マンジョン”という名前の大企業グループに設定を移し替えた完全なるフィクション。流石は韓国映画、よくぞココまで社会悪に切り込みつつ知的好奇心を刺激するエンタメ作が作れるものだと又々感心して見入った。大衆に虚偽の情報や、有りもしない反応を大量に流布したりするような“世論対策チーム”は果たして実在するのか?
一体どこまでが真実でどこからがでっち上げなのか映画は見る側を存分に惑わしてくれる作りになっている。主人公の社会部記者イム・サンジン(ソン・ソック)がかなり核心に迫っていると見たが人によって受け止め方は違うかも知れない。それよりも寧ろ今作一番の見どころだったのは、件のチームがネットで仕掛ける世論操作のやり方がこちらの想像の斜め上を行くような手口だったところ。共通するのは「自身の身を切るような餌撒き」といったところだろうか。ちょっと考えると日本の大衆には通用しないように思えた策だがエンタメ映画だしフィクションだから、そこは大目に見たい。自分としては大満足な作品だった。

字幕翻訳は福留友子氏。
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    ベストムービーは鑑賞済み2024年公開作品からのお気に入り(追加の鑑賞で変更することがあります)。基本的に内容(ネタ)に触れた感想となっていますが、見る前に知ってしまうと作品の魅力を大きく損なうよ…

    ベストムービーは鑑賞済み2024年公開作品からのお気に入り(追加の鑑賞で変更することがあります)。基本的に内容(ネタ)に触れた感想となっていますが、見る前に知ってしまうと作品の魅力を大きく損なうような“オチ”や物語の核心に触れているものに限って「ネタバレ」表示にしています(あくまでも私の主観的な判断ですが)。 レイティングは5段階でざっくりと。作品のクオリティ評価というよりも単純に自分がどれくらい気に入ったかで付けています。敢えて批評家さんたちの評価には左右されないよう心がけています。(アカウント登録 2015/10/16)