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今⽇からぼくが村の映画館の作品紹介

今⽇からぼくが村の映画館のあらすじ

アンデスの⼩さな村に住む少年シストゥは、ある⽇、⾵が運んできた映画の広告を⼿にする。導かれるままにたどり着いた先は、移動映画館。そこで初めて“映画”を知ったシストゥは、たちまちその物語に魅了される。この⽇を境に、週に 1 回“語り部”として、観た映画の内容を村のみんなに伝えるシストゥ。だがある⽇、移動映画館は忽然と姿を消してしまう。⼤好きな場所がなくなり、シストゥの映画愛はどこへ向かうのか? やがて彼らの物語は、思いもよらぬ⽅向へ転がっていくーーー。

今⽇からぼくが村の映画館の監督

セサル・ガリンド

原題
Willaq Pirqa, el cine de mi pueblo
公式サイト
https://www.buenawayka.info/willaq
製作年
2022年
製作国・地域
ペルーボリビア
上映時間
88分
ジャンル
ドラマコメディ
配給会社
ブエナワイカ

『今⽇からぼくが村の映画館』に投稿された感想・評価

Rin
-
大好きな映画を大切な人たちに届けたい。繋ぐ者として忘れてはならない原点の心得と、映画がもたらしてくれる煌めきを見つめ直す機会にもなった。たかが、映画。
どこかそう思う節がずっと心の隅にあって離れなかったのだけれど、むしろそんな気持ちにさせられるほどに、日常に溢れる映画館の存在にも感謝です。映画は万人受けしなくとも、物語りは全ての人のためにある
3.9
南米ペルーの雄大なアンデス山脈に囲まれた小さな村を舞台に、映画に魅せられた少年の成長をつづった感動の物語。ペルー出身のセサル・ガリンド監督の長編2作目。

1980年代の話というからそんなに大昔ではないのに、舞台となった山奥の村は電気もガスも水道も通っていなくてインフラ整備がかなり遅れている。アンデスの雄大な自然の映像美は圧倒的だが、本当に貧しい農村地帯。ジャガイモなどをだんだん畑で自給し、牧畜やコカの葉の栽培をしながら生活してしている先住民たち。インカ帝国の伝統を継承し独自の言語や文化を守っている。ペルーの先住民の人口は約25%以上で、アンデスの山岳地域に多く住んでいる。

貧しい生活の中、先住民のケチュア語しか話させない村人たちは、せめて子供たちを学校に行かせスペイン語を学ばせ、広い世界を見せたいと思っていた。好奇心旺盛な少年シストゥが新学期を迎えたある日、風に運ばれてきた映画のチラシを手にする。導かれるまま移動映画館に辿り着いた彼は、そこで初めて映画というものを知り、瞬く間にその物語に魅せられる。村の人々にその魅力を話してみんなを映画館に連れてきたものの、映画はスペイン語で上映されているため村人の殆どが理解出来ない。シストゥは週に1回〝語り部〟として観た映画の内容を村人達に伝え始めた。しかし、ある日移動映画館が忽然と姿を消し大好きな場所がなくなったシストゥは途方に暮れる。映画の魔法にかかった少年の奇跡の未来に、ラストは胸が熱くなった。

アンデスの世界には、神話と現実の境目がない。神々、精霊、魔法の存在が日常にある。風が何かを知らせてくれて、鳥が導いてくれる。そんな幻想的な世界を、ママ・シモナという少年を支える高齢の女性が神秘的に演じている。主役の少年シストゥをはじめ、殆どのキャストが非職業俳優を起用。3人しか本物の役者がいないその中の1人、エルメリンダ・ルハンがママ・シモナを演じていた。先祖から受け継いだ偉大な知恵を持ち、コカの葉を読むための優れた感性と知識を持っている村のリーダーの姿が印象的。

誰もが映画に出会ったあの感動を少年シストゥを通して思い出す。正にアンデス版「ニュー・シネマ・パラダイス」なのだが、アンデス高地地域の現状、多文化国家における差別意識なども物語の中に描かれていて非常に興味深かった。

個人的には、ブラジルに住んでいた時に訪れたペルー旅行が蘇って懐かしかった。私が訪れた時のペルーは、首都リマですら貧しい印象で町がやたら埃っぽかったのを覚えている。クスコからマチュピチュまでのバスの横に広がる山岳地帯は、映画のような緑多い大自然ではなく、ゴツゴツした山肌を無数のアルパカが先住民の衣装を着た村人たちと歩いていた。バスの窓から見たそんな光景とバスに流れていた南米アンデス地方のインディオの民族音楽「コンドルは飛んで行く」の曲が今でも忘れられない。コンドルもマチュピチュもケチュア語だとガイドさんが教えてくれた。

全編ケチュア語の本作は、ケチュア語の映画としてペルー映画史上最高の興行収入を記録している。
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