ポルりん

怪獣ウランのポルりんのレビュー・感想・評価

怪獣ウラン(1956年製作の映画)
3.4
■ 概要

放射能を吸収して巨大となった怪物が人類を殺戮する恐怖を描く空想科学映画。

■ あらすじ

『スコットランドの荒地で軍隊がガイガー計数管の使用訓練を受けていると、不思議な爆発によって荒地に裂け目が出来、そこに一番近い兵隊が放射能火傷を受けるという事件がおこった。
依頼を受けて原子力研究所のアダム・ロイストン博士(ディーン・ジャガー)と、ピーター(エドワード・チャップマン)が調査したが原因は判らなかった。』


■ 感想

本作は「原子人間」と同系列の怪物映画である。
低予算ではあるものの、奇抜なのアイデアと怪獣映画に取り込む高い志によって、50年代傑作SF映画と呼ばれるまでになったのだろう。

ウラン鉱がゼリー状にドロドロと押し出し、人を飲み込み村を破壊するシーンは不気味さが際立って非常に印象深い。
「ボルケーノ」のように、火山の溶岩によって町が全滅するような派手さはないものの、形のない正体不明なヴィジュアルにより、かえって恐怖を増大する役目を果たしている。

ストーリーは陳腐ではあるが、巧みな構成と渋い演出力、そしてモノクロ映像により終末感漂う不気味な雰囲気を生み出している。

低予算SFホラー映画の中では完成度の高い作品である。

ただ、2台のレーダーから電磁波を当てただけで、何で倒せたかの理由を明示して欲しかったな・・・。
それと、ラストの爆発は何だんだろうな・・・。
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