絶壁の彼方にの作品情報・感想・評価

「絶壁の彼方に」に投稿された感想・評価

べらし

べらしの感想・評価

3.6
もっと評価されていいんだがなあ
イギリスのヒッチコック(おや?)だ
 独裁国家に招かれ、意図せずして"知りすぎてしまった男"となった医師の逃走劇。非常に面白い。
 モノローグやPOVショットを用いて大胆な省略を行い、展開を早めているのが巧い。カーチェイスや山越えも見応えがあり良かった。
R

Rの感想・評価

4.6
サスペンス映画の傑作🎥

世界的権威の外科医マーロウ博士(ダグラス・フェアバンクスJr.)は、架空の独裁国ニバに招かれて、公開手術をすることになった。
しかし、その患者がニバ国の独裁者本人のニバ将軍であり、しかも手術後に急死してしまったことから、ニバ将軍の死を知られては困る秘密警察から命を狙われて、逃げ回るはめになる。

この逃げ回る時に、ギリギリの場面ですり抜けるあたりはヒッチコック的でもあり、ロープウェイを使った場面では『ミュンヘンへの夜行列車』(キャロル・リード監督)、映画タイトルにもなっている絶壁を男女3人がザイルでつながって上る場面などは『妻は告白する』(増村保造監督、若尾文子主演)を思い出したりさせてくれる。

見せ場たっぷりあり、後年の映画にも多分に影響を与えたかもしれない映画であり、サスペンス映画の傑作といえよう。

このレビューはネタバレを含みます

ボスニアの科学国際会議から「医学に対する功績を讃えて"賞"を贈りたい」という手紙を受け取り、公使から「ボスニアへ来て贈呈式のあと公開手術をしてほしい」と招待されたマーロウ医師。

たった2日間のはずだったが...
公開手術の途中で、患者がボスニアの首相ニヴァ将軍だと知ってしまったために、拘束されて帰られなくなっちゃった。

手術は成功してニヴァ将軍は一時は回復するが、その後、肺血栓により逝去。
"知りすぎた男"となってしまったマーロウ医師に命の危機が迫る。

公使館へ逃げ込むこともできず、空港も閉鎖。軍をあげて追われ続けるマーロウ医師は、無事にアメリカへ帰国することができるのか?!

様々な人の助けを得ながら"山越えして国境を越える"ことになっちゃったマーロウ医師とリザ。
頼りなく細いザイルで身体を縛り、絶壁を登るんだけどね。まあ怖い怖い。

が!!!!
何という終幕!!!!
マーロウのすべての努力は水泡に帰す!!
yaaa

yaaaの感想・評価

4.0
某国の国家的事件に巻き込まれる米国外科医という漫画「ブラックジャック」にありそうなしゃぶり尽くされたプロットなんだが、先人の「これがサスペンス映画ですよ!」とジャンルの模範解答を見せていただいてるようでかなり面白い。
模範解答なんで王道なんだが、都合の良い脚本でも捨てるとこなくすべて食べつくしました的なシンプルイズベストはなんだが気持ちよい。
会話劇中心と思ってたら、結構活劇で全てにおいて停滞しない。
おっさんが逃げるだけでなく、きちんとヒロインも無理なく登場。展開予想ついても飽きません。
時制もいじってて今風の感覚もあって凄い。
これは面白かった。『バルカン超特急』の脚本家が監督。言葉の通じない異国で警察から逃げ惑うヒッチコック風の巻き込まれ型で、序盤の逃走から劇場への入出場、ロープウェイに山岳地帯まで、あの手この手のサスペンス演出が非常に楽しい。ヒッチコックをほぼ全部観てしまった身としては思いがけないデザートを与えられたような感じ。
犬

犬の感想・評価

4.0
巻き込まれ型/巻き込み型であり、逃避行による回避パターンはヒッチコックの良いとこ取りをしたような面白さ。主観ショット、モンタージュ、架空言語(字幕なし)など凝った要素も多く、プロローグへと回帰する脚本構成の巧さにも舌を巻く。事情によってあっさり釈放してくれるガルコン大佐のフェアプレー良き。
某国や某国を思い浮かべる架空の独裁国家が舞台で架空の言語をわざわざ作ったという設定からおもしろい。
ばちばちファシズム思想な国ヴォスニア(≠ボスニア)に招待されたアメリカ人の医者。公開手術をした患者が実はその国の首相で…な巻き込まれ→巻き込みのヒューマニズム逃走劇。
ピンポイントな音楽の使い方や時折挿入される一人称のカメラも印象的。
NOの好作用はラストへのヒント。
グリニス・ジョンズ見覚えあると思ったら「メリーポピンズ」のママだった。
ICHI

ICHIの感想・評価

3.8
全く知らなかった作品で大して期待もせずに観たがかなり面白かった。ヨーロッパの独裁国家からの脱出劇でクライマックスはアルプス越えのような山岳アクション。エンディングのまとめ方にやや難があるがヒッチコック的イギリスサスペンスで楽しめる。ピンクパンサーのハーバートロムが出ていてちょっとびっくり。
「北北西に進路を取れ」といったいわゆる巻き込まれ方サスペンスのヒッチコック映画を見ているような感覚の1950年製作、シドニー・ギリアット監督のイギリス映画

原題どおり舞台は架空の「State Secret」(秘密国家)。
医学的功績を讃えるという招待のもとこの国を訪れたアメリカ人医師が災難に遭うのだが、この架空の国の言語をわざわざ当時の学者に頼んで作ったらしく、彼らが何を話しているのか分からないので見ている我々も主人公と一緒になって不安になってくる…

医師役のダグラス・フェアバンクスJRはこういったサスペンス映画にお似合いの二枚目。
おしゃれな笑いのシーンは少ないものの、途中で出てくる小悪党(ハーバート・ロム)がブツクサ文句を言うところなどはなかなか面白い。

主人公に次から次へと襲い掛かるスリリングな仕掛けが非常にスムーズに流れて気持ちがよく、「絶壁」でのサスペンスも盛り上がる、イギリス製サスペンス映画が好きな人にはかなりお勧めの作品。
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