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フェリーニのローマ
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『フェリーニのローマ』に投稿された感想・評価

茶一郎

4.5
 「これからご覧になる映画は登場人物や粗筋はありません。これは一つの街の物語なのです。私がここで描いたのはローマの肖像。」

このフェリーニ自身の言葉の通り、『甘い生活』から始まり、『サテリコン』に続くローマを舞台にした「ローマの三部作」を締めくくる本作『フェリーニのローマ』はローマそのものが主役の映画です。
 そして本作に登場するローマは、「全ての道はローマに通ず」その看板を見た幼少期のフェリーニが憧れるローマ、20歳になった記者見習いのフェリーニが出会ったローマ、フェリーニが想像する30年前のローマ、そして今まさに映画を撮影しているフェリーニが舞台としているローマ。ゴシップライターのマルチェロを狂言回しとして現代のローマを映したのが『甘い生活』、青年エルコルピオが遭遇する古代のローマを切り取ったのが『サテリコン』だとすると、本作『フェリーニのローマ』における「ローマ」は、そのタイトルの通りフェリーニ監督の記憶と想像力によって作られた今と昔のローマと言えます。

 フェリーニ作品には「道化」・「浮気」・「巨体の女性」といった一貫したモチーフ、何より人の一生を「祝祭」のように捉える監督の目線は印象的です。この「祝祭」は、本作における毎晩が祭りのようなローマの人々の食事風景、ステージより客席のお祭り騒ぎの方が楽しい場末のミュージックホール、グロテスクなビジュアルが鮮烈な娼館、何よりもエレクトリカルパレードのような僧服のファッションショーと、全てのシークエンスに共通しているものでした。
 全部が「祝祭」であるローマこそ、フェリーニが夢想するローマであり、このフェリーニ的ローマを圧巻のビジュアルで見せるフェリーニのカリカチュア・イメージ能力はまさに彼の異名「映像の魔術師」の通りです。

 「ローマは処女にして雌オオカミ」、「貴族にして売春婦、道化でもある」、女性でも恋人でも母親でもあるローマ。全編を通して、この『フェリーニのローマ』は美しく、汚く、グロテスクで退廃的なあらゆる側面のローマを見せつけます。
 とても印象的なのは、現代の空気に触れ過去のフラスコ画が消えてゆくビジュアル。まるで昔のローマが今のローマに重ねられていくような。そして時代は流れ、映画もフェリーニの想像の先のローマを映します。この時代の動きを、まさにバイクと一緒に走るカメラの動きと同期させフェリーニのローマも映画も走り去って行きました。
kojikoji

kojikojiの感想・評価

3.6
 フェリーニがローマという街に対してどんな思いでいるのか、それを数々のエピソードで描ききる。ドキュメンタリーではない、しかし物語もない変わった映画だ。
 実は、私はこの映画を中学生の時、フェリーニがなんたるものかも知らず映画館に観に行っている。ストーリーのない映画を見せられた中学生は、当然「何これ!」の世界である。その時以来、フェリーニは私には関係のない監督とレッテルを貼っていた。

 ところが先般、「道」を観て、どうしたわけかこの映画が気になってきた。
あれからうん十年、私がどんな風に変わったのか、リトマス紙みたいなものだと思っている。

#1363 2023年 398本目
1972年 イタリア🇮🇹映画
監督:
フェデリコ・フェリーニ
脚本:フェデリコ・フェリーニ
ベルナルディーノ・ザッポーニ
原案:フェデリコ・フェリーニ
ベルナルディーノ・ザッポーニ
音楽:ニノ・ロータ

 結論から言えば、面白くはないが、フェリーニが何を描きたいのか、ローマの味わい、それは感じることができた。
 映画は監督のローマへの強い思いを少年期、青年期、現代を交差させながら描いていく。
 歴史に始まり、そこに生きる雑多な人間たちを、営みを、決して美しいとは思えないものも、美味しそうなスパゲッティも何もかも彼が思うローマをごった煮で描ききる。それこそがローマだと言わんばかりに雑多なローマ、それを描いた映画だ。ローマへの強い愛情を感じる。
 エピソードで一番印象的なのはやっぱりカトリック教会で枢機卿や司教、修道女達によって行われた「教会ファッション·ショー」だろう。修道服を奇抜にアレンジしたモデルが彼等の人々の前に登場する。何という風刺だろう。
 それに売春宿の情景。売春宿に群がる多数の男達の前に、階段から、あるいはエレベーターから次から次にそれぞれの決めポーズをとりながら売春婦が現れる。気に入った男達は女に寄り添い再び2回の部屋へ導かれていく。
 それにしてもこの女達がひどい。お世辞にも綺麗とは言えない。化粧を塗りたくったおばちゃんだ。ところがこの女性達がすごくローマを感じるから不思議。
 土砂降りの雨の撮影風景も信じられないようなシーンだ。情緒も何も、全く感じられないような映像が、何故か心に残る。
 街の風景が次から次に映されて行くが、そこで生きる人々の姿が何故か力強く感じる。
 そしてラスト、深夜様々な遺跡の前をバイク集団がすごいスピード駆け抜ける、遺跡がこのライトで映し出される。この姿は現代のローマが象徴的に描かれているようだ。

leylaさん、それにgenarowlandsさんのレビューで観る気になったのだが、leylaさんのレビューに書かれている4K版の予告編。これをYouTubeで観たが、確かに美しい。この画質でしかも映画館の大画面で観れたら、また違った感想を持つかもしれない。
フェデリコ・フェリーニ監督の半自叙伝的な、ローマという古都でもあり大都会という都市に対して監督なりのオマージュが最大限に捧げられた作品。

ストーリーの流れがしっかりしているわけでもなく、監督目線での少年時代から現在に到るまでの歴史の教科書には書かれていない庶民文化を中心としたローマの近代史で、時代背景を示すテロップ表記など無く、主人公が登場しないシーンが挟み込まれたり、唐突に時代やシーンが飛ぶので、フェリーニ好きな方なら文句無しにお勧めできるが、フェリーニ作品初体験の方には、正直、向いてはいない。

自分にとっては、やはり好きな作品。

イタリア最大の撮影スタジオ・チネチッタに組まれた第二次世界大戦前のローマの街並みの大規模なセットや、イタリア=オペラくらいしか印象にはなかった戦時下での庶民の娯楽ボードヴィルの再現(これがなかなかの長尺でしっかり見せてくれる)、開けっぴろげに盛大にヤジを飛ばすイタリア人らしい気質が垣間見える観衆、高級娼館の内装やその客を取るシステムとか実に興味深い。アメリカを発祥地とするヒッピー文化がローマにも派生していたとは知らなかった。

庶民目線で作品を描きながらも、終盤の貴族のご婦人の大邸宅で披露されるランウェイまで使ったローマカトリック教会の法王や教皇、神父たちのファッションショーのシーンは、それまでの内容と対照的に、今見てもアバンギャルドで斬新。

イタリアを代表するアンナ・マニャーニが本人役でエンディング近くで1シーン登場するのも素晴らしい演出。彼女が去り、ローマの夜の闇が深くなるところでエンディングとなれば良かったのに、その後に続く、バイクの集団のライトに照らされて浮かび挙がる、コロッセオだのサンタンジェロ城など、ローマを代表する遺跡群が登場する演出は個人的には蛇足。

それでも、監督自身のメッセージとも言える「これまで何度も栄華と崩壊を繰り返したローマこそ、地球の最後を見届けるには相応しい場所」という台詞に本作の真髄を見た。

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