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『存在の耐えられない軽さ』に投稿された感想・評価

えし
3.6
ウスボカシなどいらぬ。いらぬのじゃ。

1960年代後半のチェコスロバキア・プラハ。
主人公の脳外科医は凄腕だが、そこら中の女に手をつけるプレイボーイ。
ある日出張手術のため訪れた田舎町でウェイトレスの女の子と知り合う。田舎町から出たい女の子は、彼を頼りにプラハへ。
そのまま同棲し結婚することに。
ただプレイボーイな彼には、結婚後も交流のある女がいて…

3時間近くある作品。
プラハの春が舞台ともなれば、武力衝突に巻き込まれるんだろうから国外脱出しようと右往左往。ここに残るとか言い出すヒロイン…みたいな感じだと思ったら、まぁ当たらずといえども遠からずなんだけど、話は三角関係、人間ドラマ中心。
主人公がモテモテでおっぱいもいっぱい見られてうれしい。
特に印象的だったのが、レナ・オリン。
主人公の愛人である芸術家なんだけど、奔放でかっこよくていい女。身体も非常に肉感的で素晴らしい。
諸手を挙げて面白い作品という訳ではないけれど、雰囲気がよい名優の共演を観たい方には良いですね。

ザシネマ2018/6/23。
4.8
【プラハの春の恋人たち】

フィリップ・カウフマン監督×ダニエル・デイ・ルイス主演の1988年の作品

〈あらすじ〉
1968年のプラハ。トマシュは、有能な脳外科医だが、自由奔放に女性とつき合っている独身のプレイボーイ。画家のサビーナも、そんな彼の数多い女ともだちの1人。ある日トマシュは出張手術に行った先でカフェのウェートレスのテレーザと出会う…。

〈所感〉
とても良い作品でした。フィリップ・カウフマン監督といえば『ライト・スタッフ』が最高傑作でしょうが、毛色が全く違う本作もそれに張り合えるくらい面白い。政治的な動乱に揺れるプラハで、ちょっと鼻につくプレイボーイ脳外科医トマシュが正反対の2人の女性と濃密だが希薄な恋愛を繰り広げる。テレーズのトマシュへのゾッコン具合もヤバくて、トマシュも引き気味なのがなんとも面白い。プールでぷかぷか浮かぶテレーズが、ふと見上げると全裸の女達を指導するトマシュの幻覚を見るシーンが印象的すぎる。また、サビーナとテレーズが結託して、ヌード写真を撮り合ってトマシュに意趣返しするのが良かった。この辺はなんとなくジャン・ユスターシュ監督『ママと娼婦』にも通じるものがあった。今よりも人間存在というものが非常に軽く扱われた時代。空気が入ってない風船の生き様。170分の作品とあって、冗長で蛇足のシーンもあったように思うし、いかんせん官能的すぎるので好き嫌い別れると思うが、今は亡きチェコスロバキアという国に想いを馳せられる悲しくも美しきロマンスなので、是非ともオススメしたいです!
《2025年 50本目》
5.0
追悼、偉大なる作家、ミラン・クンデラ。享年94歳。

原作はとても読み易い文体で書かれているが一筋縄ではいかない歯応えのある現代文学の傑作。人間の両義性、多義性、複雑性を余すところなく追求しながら深遠な哲学が背後にはある。初めて読んだ時は、その良さが分からなかった。2度目に読んだ時は少しだけ分かった気がした。今回の訃報に接して3度目を読んでみて、また少し理解が深まったかもしれない。

芸術作品なんてそんなものだと思う。接したその時々で多様な顔を見せてくれるからこそ、後世に残る普遍性を保持しているのだと思う。だから、「分からない」と言う感想は立派な評価の一つ。映画でも、絵画でも同じことだと思う。なのに、ネタバレや考察サイトを見て分かった気になってしまうのは勿体無い。それは他の誰かの感想であって、あなたの感想ではないのだから。

当時はまだチェコスロバキア共和国という名の国で共産主義国だった1968年、プラハの春という自由化運動が起こる。クンデラも進歩的な自由主義の文化人の一人として共産党体制やソ連への批判を行った。それを憂慮したソ連は、軍事介入を断行。チェコスロバキアを蹂躙し、血の粛清によって、再び暗黒の共産国体制化へと引き戻す。ウクラナイナ侵略より55年も前の話しながら、ロシアは今も昔も、Rogue Nation = ならずもの国家、ということだ。

クンデラも故国を逃れフランスに亡命し、ノーベル賞候補に何度もなるほどの文名を轟かせる。なのにクンデラの国籍が復活されたのは、2019年にもなってのことであった。本作の原作は、「冗談」と並んでクンデラの代表作で、プラハの春事件が色濃く反映されている。が、決して政治的な作品だけなのではない。

小説では冒頭、ニーチェの永劫回帰の思想と、古代ギリシアの哲学者、パルメニデスの思想の対比が語られている。ものすごく大雑把に言うと、ニーチェは、人間存在の在り方を、重く捉えるからこそ、生には価値があるとし、一方のパルメニデスは、重いくびきに縛られない、軽い人生こそが正しい、と、両者は全く正反対の論陣を張るのである。そしてそれは、本作の重要なテーマの一つとなっている。

主人公の一人であるトマーシュは、性行為を無常の喜びとし、愛とは切り分けて考える優秀な外科医。彼は一度結婚に失敗しており、束縛を嫌う。ある女性と肉体的な関係を持っても、決して一晩一緒に過ごしたりはしない。彼には自由奔放で縛られないサビーナという画家の愛人がいる。彼女も囚われることを厭う気質のタイプの人間だ。そのトマーシュに、田舎育ちで教育は受けてないが、読書家でベートーベンを愛する一途な女性、テレーザが恋をする。

これはただの三角関係の話ではない。トマーシュは、女性関係においては快楽主義を標榜しているが、テレーザと出逢い、存在の"重さ"と"軽さ"との間で思い悩む。そして、トマーシュは思想・信条に関しては断固として不正義を許さない信念を持っている。当時の共産国で、それを貫くということは、職は賭すのみならず、下手をすれば命をも賭するほどの決意だった。人間は一面のみからその人間性を測ることは難しいのである。

本作には多義的に多様なテーマが扱われているが、性の問題もその一つであり、裸体や性行為のシーンもかなり見受けられる。村上春樹の最新作、「街とその不確かな壁」に対して、同年代の人間が、「70歳を超えているのに、あけすけなセックスシーンを描くなんて破廉恥だ。同世代として恥ずかしい、やめて欲しい。」という発言をSNSでしていたと聞いた。野球を評して、「棒切れで球を打ったりするなんて幼稚なスポーツはやめるべきだ」と言ってるのに等しい愚かな発言には失笑を禁じ得ない。性の問題は、人間の根源的な問題の一つであり、本作でもその不可思議さや不条理さがあますことなく表現されている。

この映像化が成功しているのは二つあると思っている。一つは描くべき登場人物を原作より絞り込んだこと。二つめは、ある部分を原作から大きく変更していること。2番めに関しては賛否あるところだろうが、開明獣はこの解釈は映画としてはありだと思っている。興味ある方は、是非、原作(集英社文庫)と比べてみて欲しい。

二人は犬を飼っている。テレーザの愛読書、トルストイの「アンナ・カレーニナ」から名付けたカレーニンという犬だ。原作の最終章は、「カレーニンの微笑み」と題されている。カレーニンは、二人にどんな時も微笑む。それは何も求めたりしない無償の愛だ。

果たして存在に軽重の違いはあるのだろうか?存在にあるのは、有無だけではないだろうか?存在が無になっても、誰かの記憶の残滓として暫くは残っていく。それもまたいつかは消えていく中で、私たちは今を生きるしか選択肢はないのかもしれない。偶然という誰にもコントロール出来ないものに左右されながら、その時々を生きていく存在は、果たして重いのだろうか、軽いのだろうか・・・。

そう思い悩む私たちを、カレーニンは、今日もまたきっとどこかで姿を変えて微笑んでいるに違いない。

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