トニー滝谷の作品情報・感想・評価・動画配信

「トニー滝谷」に投稿された感想・評価

YYYYMMDD

YYYYMMDDの感想・評価

4.9
村上春樹好きなら必見です!音楽、映像すべてに春樹エッセンス感じましたよ、この宮沢りえがすごくいい!
aichan

aichanの感想・評価

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孤独の寂しさ含め優美だった
tak

takの感想・評価

4.2
原作と映画化を比較してしまうことは、映画ファンの立場としてよくあることだ。コミックでも小説でも、原作に思い入れがあればある程、やれキャスティングがイメージ違うとか、原作の改変が納得できないとか言いがち。人気作ならばなおさらのこと。

村上春樹の小説も映像化するのが困難だとよく言われる。デビュー作の映画化はファンの間では酷評されているし、あの大ヒット作の映画化は、僕は残念な気持でエンドクレジットが始まると早々に帰り支度を始めたっけ。村上春樹作品を語る上で外せないキーワードは「喪失」だ。突然何かを失った主人公が、必死で探したり、欠落した部分を埋めようと懸命になる姿が描かれる。行間に漂う何とも言い難いセンチメンタルな雰囲気は、読者の心に静かに訴えかけてくる。あのおセンチなムードに浸りたくなって読み返すことだってある。

市川準監督が撮ったこの「トニー滝谷」。ちょっと短い75分の上映時間はまさしく村上春樹小説のムードだった。付け加えられた、すれ違いのラストシーン(蛇足だと言う人も多いようだけど)を除いて、ストーリーはほぼ小説のままである。しかし、この映画が原作好きの僕の気持ちを裏切らなかった理由はそれだけではない。村上作品の「喪失」感が見事に映像になっているからなのだ。

部屋いっぱいにあった亡き妻の洋服。それを前にして女性が泣き出してしまう場面は、強い印象を残してくれる。主人公が妻を失った空虚な気持ちを受け止めきれなくて、妻と同じような体型の女性をアシスタントに雇おうとする場面。妻がいなくなったことを受け止めるために遺した服を着て欲しいと言うが、それは主人公が失ったものを埋めようとしている行動に他ならない。そしてその服を処分した後の空っぽの部屋。父が形見で遺した古いレコードと、それを処分した後の空っぽの部屋。印象的な短い場面の多用、ナレーションを突然キャストがしゃべる唐突な演出、大事な宝物のように扱われる短い台詞たち、ナレーションに俳優を据えたことにも言葉を大切にしている気持ちが伝わってくる。CM出身の市川監督だからこその演出だと思えた。

「気持ちよさそうに服を着こなしている人って、初めてだよ。」とポツリとつぶやく場面、そこからしばらく続く宮沢りえの美しい横顔と笑顔を主人公と一緒に僕らは見つめる。彼女を失ってから淡い色彩が多くなる後半。何度もこの雰囲気に浸りたい人はいるだろうな、と思った。それは村上春樹のこの短編小説を繰り返し読んでしまうみたいに。
静かで孤独な美しい時間が流れていた。しかし有無を言わさず淡々と流れていく時間って残酷。
なるほどこういう見せ方をする映画があるんだ!
春男

春男の感想・評価

4.0
川のように風のように流れる映像と時々止まったような時間、坂本龍一さんの音楽(最初のピアノは映画『怒り』ととても似ていたような)、村上春樹さんの世界観にぴったりだと感じた西島秀俊さんの語り。

この映画の世界は居心地が良かった。村上春樹さんの小説を読んでいるよう。こちらの小説は未読なのですが。。。

喪失感と孤独に満ちた映画。それでもただ映像は過ぎていくからそういうものだということも痛感する。グレー調の映像がこの作品にぴったり。

宮沢りえさん、初期の作品。
昔と今が演じ方がなんか違う。
村上春樹さんの作品に寄せたのか。
佇まいは本当にぴったりだった。

人が孤独だと余白が生まれる。
いい意味で地に足がついていない感もよい。
映画におけるモノローグって使い方によって賛否が分かれるけど、この映画ではすごく生きていたと思う。
小説の良いところを消さず、映像だからこそ出来る演出を加える。
役者がここぞって時に直接モノローグを語るの、いいな。
それからどのショットも美しくて、写真みたいだった。
静謐だけど退屈しない映画。
世界観が原作に忠実で良かった…二人が過ごす部屋は風が吹き抜ける爽やかな空間で、その心地良さは偽りではないのは確かなんだろうけど、衣裳室が締め切られた独房のような空間なところが、英子のどうしようもない服への執着心であり、滝谷の孤独感でもあり。
Y

Yの感想・評価

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映画というよりも、新しい何かのような気がした
特別な映像作品
村上春樹の文章のニュアンスを映像で表現するのは難しいと思うけれど、トニー滝谷は近いところまで表現出来ていたと思う
特に、小説でいう地の文を登場人物がセリフとして話す手法は面白かった

けれど、原作を読んだ後に映画を観るのは僕にはあまり向いていないと感じた
完璧な孤独なんて、人生でそうそうあってはいけない。
haruka

harukaの感想・評価

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すごい。もともとの空気感なのに、ただの「小説の映像化」ではないと思えた。
原作をレキシントンの幽霊の中で、かなり前に読んでいた。いつも読んだ内容はすぐ忘れてしまうのだけれど、その文体の異質さからなのか、この一編はとても印象に残っていた。登場人物やその出来事に感情的にならず、歴史を淡々と読み上げるような語り。第三者としての距離感が、とても印象的だった。
文体の持つ雰囲気を映像化すること。ただ原作を朗読するのとは、違うのだと思った。刑務所での背中と、空っぽの衣装室に残された背中。二人の姿が重なって見えたときに、映像だからこそできる表現に感動した。原作はひとりぼっちで終わるけれど、映画の最後の眼差し、それでも人は誰かと繋がりたいのかなと思って救われた。
余白のある物語が好きだ。孤独だからこそ余白があるのだと、やっと確信できた。
あとは、西島秀俊の 音3:空気7 みたいな声がとても良い
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