十二人の怒れる男の作品情報・感想・評価

「十二人の怒れる男」に投稿された感想・評価

【それでいい。それでいい。】

最近、自分のマイブーム的な感じで『温故知新ウィーク』と銘打って、昔のいわゆる「名作」「怪作」と呼ばれた映画たちにスポットを当てて、じっくり観てみようという期間を勝手に作りました(笑)

邦画、洋画、ジャンル問わず観ますので「幸福の黄色いハンカチ」や「エイリアン」「情婦」も観ました。そんな自然の流れで辿り着いたのが、この「十二人の怒れる男」でした(お恥ずかしい話、沢山映画を観てはいましたがこの映画は初見でした)。

『渋い』
映画を一言で表すとこんな感じかな・・・。
過剰なCGも、フルオーケストラサウンドも、5.1サラウンドも、何も必要ない。ただそこには「椅子」と「テーブル」と「男達」がいればそれでいい。
それだけで、これだけ重厚なドラマが描けるという事にひたすら感服です。
絶対的不利な状況を、一つ一つ「疑念」と「根拠」と「実証」を繰り返して、一人また一人と賛同者が増えていく様は鳥肌が立ちました。

この映画はいわゆる「陪審員制度」に焦点を当てたものであり、事件のシーンも裁判中の検事や弁護人、証人たちのやりとりも、判決がでるシーンすら描かれていません。
それらの「重要な場面」も陪審員である彼らが見た「主観」で語られます。
そこがポイントです。全て我々に想像させることで、あの密室の中に殺人現場の状況や下の階に住む老人の寂しい雰囲気、向かいの家の中年女のビッチな感じまで、詳細に想像できるのです。映像を見てもいないのに。これは本当に凄い。

そして、一番エッジが効いていると感じたのがラストです。
この映画では陪審員達が自分達の意見をまとめる事がメインテーマであり、実は事件の真相には最後まで触れないのです。真犯人が別にいるのか?ひょっとしたら、やっぱり少年が犯人だったのか?彼らが必死に議論を交わしたことの意味はこの映画では語られません。

そこがたまらないんです。もの凄く狭い場所で繰り広げられる、もの凄い大きなテーマの終え方は、これしかなかったんです。
「後日再捜査が行われ、真犯人が逮捕された」なんてナレーションでも入ろうもんなら、それまで積み上げたこの映画の評価が音を立てて崩れ落ちますよ。
あの12人をヒーローに仕立て上げずに、ただの「十二人の怒れる男」としてそれ以上でもそれ以下でもなくしたこの映画は、まさに非の打ち所の無い完璧な映画でした
ココロ

ココロの感想・評価

3.6
ほぼ前編一室だけでの会話劇なのに全く飽きずに観れるのは脚本の良さ故。
臨

臨の感想・評価

5.0
1番感銘を受けた映画。
法廷で1対11からどんどんと覆っていく熱い会話劇。
凄い…!凄いぜ…!!!爆破や事件だけが映画じゃないぜ!!!!モノクロのおじさんおじさんおじさんの画!おじさん!おじさん!トイレのおじさん達!!!ひっくり返りました。
陪審員が全員白人男性なのはまた時代の別問題💥
ChaosLopez

ChaosLopezの感想・評価

5.0
全く飽きること無く、時間の経過を忘れるほどに一切目が離せなかった。
写楽

写楽の感想・評価

4.9
モノの見方について非常に考えさせられた

オールタイムベスト
1対11の大劣勢をどう覆すのか十二人のオッサンズのむさ苦しい熱きバトルに喉もカラっカラに渇く。テレビドラマのリメイクじゃなく完全なオリジナル作品だったら、またアレック・ギネスが名演技を披露した『戦場にかける橋』の公開がせめて1年ズレてたとしたら、この作品でとっくのとうにヘンリー・フォンダはオスカー像を手にしていたに違いない。

※カラー作品のジャック・レモン版も悪くない。
kouki

koukiの感想・評価

4.5
おもしろい!!12人のキャラがそれぞれ熱い!んで自分自身がどの人物に近いか考えながら、この場面でこんな行動や言動をとれるかなって考えてたらすぐ終わった!ヒーローではない者たちによるそれぞれの正義を背負った大討論!!

法学の授業で扱ったりするらしい。
色んな視点を盛り込んだら軽く5000字くらいレポート書けそう。
くろ

くろの感想・評価

3.7
内容的には推測し合うだけだが長いのに関わらず熱中できる。
無駄に怒ってるようだがそこが引き込まれるという謎の映画でした。
hase

haseの感想・評価

5.0
派手な演出なし、12人の議論があるのみ
それでいて全く目が離せなかった
お見事!
ぴえい

ぴえいの感想・評価

3.6
 殺人の罪に問われた少年の評決について、12人の栽培員が一室で議論を交わす。法廷で提出された証拠や証言は少年にとって不利なものであったが、陪審員8番だけが無罪を主張し…

 ほぼ全編が一室だけで繰り広げられる会話劇。普通に撮れば全く変わらない画に飽きてくるはずだが、役者をできるだけウロウロさせてカメラに動きを出している。

 貧困層や移民への偏見、息子との確執といった個人的な事情を評決に持ち込むべきではなく、集団での意思決定時には、同調圧力に飲まれずにマイノリティの声に耳を傾けるべきだという、民主主義および裁判員制度のあるべき姿を説いた作品。

 陪審員8番の発言は屁理屈臭い揚げ足取りともとれるが、"疑わしきは罰せず"という推定無罪の原則に則った主張をする。陪審員9番の老人証人に対する見解や彼の歩く速度などは全く不確定で、それこそ偏見とも言えるかもしれないが、あくまで証言に疑問が生じる限りは有罪にするべきでないという考えだ。

 しかし同調圧力に飲まれないことの大切さを説くなら、最後に"やっぱり殺してたかもね…"みたいな捻りがほしかったかも。もちろん物語の要点が事実よりも議論自体にあことは承知だが。蛇足だろうか。
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