なかなかダークな題材ではあったが、テンポの進み方や、それぞれのキャラクター性がすごく良くて観やすい作品だった。
売春防止法による、今日まで善だったことが次の日には悪になるという、なかなか哲学的なこと…
たしかに、溝口の女たちの物語とは確実に違う。千景ママのまっすぐな目と京子マダムの安定感。浪花千栄子ってこういう役もできるのか…結構笑ってる人が多かったけど、私は胸がギュッと締め付けられる思いだった。…
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桂小金治夫妻の会話を2階につながる階段の上から盗み聴きする原知佐子。浪花千栄子の死の必然性。シネスコの意味。よろずや酒店(2階で下宿)→女工多数の工場(寮は大人数で相部屋)→薔薇園(近くの寺で気心の…
>>続きを読む【原知佐子が魅力を発揮した佳作】
野暮用で上京したら神保町シアターで田中絹代特集をやっていた。田中が女優であるばかりでなく、監督もしているというのはこれで初めて知った。田中絹代監督作品の一本がこれ…
菅野優香『クィア・シネマ 世界と時間に別の仕方で存在するために』(フィルムアート社)で本作の浪花千栄子演ずる梅毒患者でレズビアンの元老妾・亀寿について言及しているのを読んでから気になっていた作品。…
>>続きを読む女優の割り振りはどうやって決めたんだろう。中北千枝子や沢村貞子は善人も嫌味な役も、どっちでもやれそう。
売春防止法が出来たのち、娼婦をして暮らしていた女たちに、別の自活の道を見出してやる婦人寮。だ…
女性映画だけど、溝口とは女の汚さや欲を描いた点で違うのかな、、?まさかの淡島千景に「売春がなぜ悪いか分からない」という主張に戸惑い、「わたしも分からない」と返す役をやらせ、香川京子を偽善者として描く…
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田中絹代が映画監督をしていたとは知らなかった。梁雅子著『道あれど』原作、田中澄江脚本の社会派ドラマ。原作では主人公が再び街に立つようになるというラストだと聞いた。社会の冷たい偏見に阻まれて社会復帰が…
>>続きを読む女工にいじめられたあとに原知佐子が目に涙をいっぱいためて訴えるときの力強さ。真正面から撮るのではなく下から見あげるアングルによってより一層際立つ。どれだけ泣いても絶対折れなさそうな強さがあって最高だ…
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