骨までしゃぶるの作品情報・感想・評価・動画配信

「骨までしゃぶる」に投稿された感想・評価

lag

lagの感想・評価

3.7
貧しさから身売りする。最初に借りたものはもう返した。営業できなくなる。辞められたら困る。いつまでも世間知らずだと思うな。助かるための制度は利用する。自分一人の力でここを出るから。見上げてばかりじゃないもの。

初めてぐっすり眠れた。それはどんなお金なんだい。機会を逃すんじゃないよ。愛想が悪いからってそれだけで。返しても返しても借金が減らないのはおかしいじゃないか。今の仕事を辞めて何が悪い。それ脅迫罪だから。堂々とまっすぐ前を向く。
藤見緑

藤見緑の感想・評価

4.2
いやこれはすごい、小津と溝口と増村足して三で割ったのかなみたいな気持ちになった
痣

痣の感想・評価

-
画面手前の人物にフォーカスが合ってる状態で画面奥の人物がセリフを話している(あるいはその逆)という演出、加藤泰の映画でよくあるな
ラスト西部劇かと思った

このレビューはネタバレを含みます

加藤泰監督、とある女郎屋にて


1966年東映作品
監督加藤泰
脚本佐治乾


ビデオ屋で手にとってて気になってはいた作品。加藤泰らしからぬ初期作品。

加藤泰監督少なくおさらい。
盲目娘と賭場を旅するお竜はん、最高傑作の呼び名に相応しい加藤泰ドアップ必見「緋牡丹博徒お竜参上」DVD所持。

探してやっと見れたスラッシャー殺人もの「みな殺しの霊歌」

名画座の特集1本、探偵もの「江戸川乱歩の陰獣」

まぶたに浮かぶかあちゃんを、うかべば涙で強くなる錦之助の名作「瞼の母」

さながら「吉原炎上」のような女郎屋もの60年代か?だけど骨までしゃぶるって、「不良番長」のサブタイトルかと思ったが、。らしくない加藤タイトル。
アマゾン東映ジャンクフィルムにてみてみた。



結論。タイトルが1番インパクト強かったあ~。あとフィルマの評価高くてびっくり。私はまあまあより少し低め。

まあ物語は、本当五社英雄監督の「吉原炎上」白黒映画60年代版みたいな感じ。しゃぶるってあおっておいて、わりと硬くてしゃぶりづらかった、私は。硬すぎて、ラストなんかは妙にかみ切れ覚えて、直談判して助かるヒロインになんか全然乗らず。というかこのヒロインの方が弱い主演でなんか全然。まわりの助演の方のほうが魅力的に見えた。新人扱いで夏八木勲出演。

それより助演の菅井きんのお歯黒教官のあくびやら、三原葉子の金勘定のシーンの方がとても魅せてくれた。

出演の桜町弘子さん、素晴らしい経歴でびっくり。田舎から女郎に売られ。みたいな展開。だが、絡みシーンがほぼ無し、なのに、「骨までしゃぶる」ってタイトル言ってるが、全然分からないという結論。いつの間にか純朴な私、ここから出ないとみたいな展開に疑問。

しゃぶる描写なく、夏八木さんとの恋になり、なんだか真面目な話しになってシラケたのもあった。が、なんで評価高いんだろ。

あと加藤泰特有のワンフレーム芝居、カメラワークは見れるが、顔が見切れたり(2カ所)。おかしな画角もあり、なんだからしさというよりアラが目立った。

相変わらず、カメラ固定で沢山人物ひしめきあって暴力、揉めてます今、みたいなシーンあり。70年代の任侠物までおあづけか?!

売春取締やら、警察やら、海外売春宿売り渡しやら、逃げ方やら興味深い時代的エピソードはあるのだが、なんだかあくまでお膳立て程度。

これなら「吉原炎上」や溝口健二監督「赤線地帯」の方が充分「骨までしゃぶる」というタイトルがぴったりな気がした。



さて
加藤泰のとある女郎屋のお話し

加藤泰ファンのみどうぞ!


追記
フィルマ版ミニおさらい付、加藤泰ほぼ失念してます。
Kanae

Kanaeの感想・評価

4.1
遊郭へ来た当初はおぼこい田舎娘だったお絹が話が進むごとにみるみる垢抜けて美しくなっていくのですが、それが遊女ならではの妖艶さであったり色気というのとはまた違ったものに感じました。一人の女性としての自立に芽生えた彼女の佇まいは凛と力強く美しいです。職人の青年と橋を渡る場面は希望に輝いて見え、応援したくなりました。
青年役の夏八木さんの初々しさも素敵な作品です。
三島雅夫&三原葉子のブラック夫婦が最高。菅井きんさんは当時40歳くらいなのに既に婆さん役。これは映画館の大きなスクリーンで見たいなぁ。
憚り

憚りの感想・評価

4.0
洲崎色街の入り口にかかる橋は、娼妓達を囲う檻そのものだ。川向うの交番に駆け込む女達はやくざ者に捕らえられ、遊郭に連れ戻されて折檻を受ける。だからこそ、ついに自由を得た桜町弘子と夏八木勲は洲崎のものよりも立派な橋を駆けなければならない。男女の機微を橋上で描いてきた加藤泰のフィルモグラフィと照らし合わせても、必然のラストと言えるのではないか。
また、遊郭の主人との闘争において桜町が人力車を奪う描写は荒唐無稽にも見えるが、彼女を色街に先導したのがその乗り物(主人は人力車に乗り、桜町は徒歩でそれを追う)である以上、作劇的には圧倒的に正しい。人力車もまた加藤泰が好んで扱ってきたモチーフであることも忘れてはならない。
画づくりの面ではフィルムノワールを思わせる陰影の強調が格好いい。手燭の落下→三原葉子のビンタは最高。
ラストシーンとかほぼ千と千尋やん!と思いたくなるほど千と千尋感があった。
情にも訴えるが、あくまで法など使えるものは使って女性が負けないように描いてるのが良かった
夏八木勲が普通に良い青年で良かった
とても面白かったです
ムチコ

ムチコの感想・評価

5.0
コッテリコテコテの加藤泰ワールドで何度見ても好き。
桜町弘子が自分で人力車引っ張っちゃうとこで間違いなく泣いてしまうんだけど、今回はその前の「ぐっすり寝たの初めて」あたりでもうウルウルしていた。夏八木勲の顔の圧力。
もらった優しさと知識を糧にして、自分の力で自分の幸せのために生きよう!って素直に思える。
ryosuke

ryosukeの感想・評価

3.8
冒頭のシーン、女衒の男の嫌らしい訛りの演出が強烈で掴みはばっちり。
お絹が「八人目」であることを知って客が大暴れするシーンのカット繋ぎは外連が爆発していて加藤泰節全開。
彼女たちの転機の合図として中盤に差し込まれる桜町弘子と久保菜穂子のクローズアップの切り返しは、理不尽な支配の中で築かれた女の連帯の強靭さを物語る。ヒロインの顔は序盤の頼りなさげだった姿とは別人の様相を見せている。
お貞の死を経て、工事の打撃音と共にお絹が決意を固めて以後、工事現場での怪我、病院、人力車での逃走のシーンにおいて、画面内では大量の人物が絡み合う大騒動が展開される。そんな密度の高い空間を、ヒロインは自由に向かって意志の力で切り抜けていく。
欺瞞に満ちた擬似家族、特殊な閉鎖社会の論理、人徳を語る警察らによる封建的な支配を、西洋の助けを借りつつ、日本に遍く適用される法の力で退けるヒロインの勝利の瞬間を見ていると、正しくモダンな物語だなと感じた。
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