このレビューはネタバレを含みます
古い映画だが、今にも通ずる新しい映画だった。
女優であり日本の女性映画監督2人目である田中絹代監督作品。
昭和33年売春防止法が施行されたが、その後も売春は絶えなかった。摘発された女性たちは、更生…
売春防止法施行、赤線廃止から数年。消せない過去に囚われ克服出来ない哀しさ。
原知佐子の鬼気迫る演技。彼女の素性を知るバラ園夫婦に雇われて一件落着かと思いきや容赦のない展開。
私的田中絹代監督…
梁雅子の『道あれど』を原作に、田中澄江が脚色、田中絹代の5本目の監督作。58年の売春防止法施行以降も、立ち直れない女性は数多い。本作は更生施設に収容された原知佐子のたどる物語。寮の模範生、原は就職先…
>>続きを読む日本では珍しい女性監督が作った作品ということで興味を持ち見に行った
戦後法律で売春が禁止され、一般社会に復帰するために更正していく女性たちの話
建物や服装や話し方、現代と違う所が沢山なのに貧しい若…
売春防止法制定後、道に迷う女たちの更生を阻む人々の残酷に抗う原知佐子のストイックさに脱帽。「夜の女たち」で運命に翻弄される娼婦を演じた後、今度は娼婦を撮る側にまわった田中絹代の、厳しくも庇護に溢れた…
>>続きを読むこんなに幸せになって欲しいと願ったことはない……。
でもありきたりなハッピーエンドで終わらせないのが素晴らしい。
かと言って、あの人を悪者にはしない配慮も素晴らしい。
差別と偏見にまみれた酷い世…
田中絹代5本観た中ではベストだったかも。
『恋文』から、田中絹代映画の乗り物は、自分の力で人生を動かすことの象徴だった。最初の勤め先で配達を頼まれたときに自転車に乗る場面が、改めて結婚を申し込まれる…