「国宝」を作るにあたり、李相日監督が影響を受けた映画というのも頷ける。
親に売られて身寄りもない中、「芸があるやないか」精神で芸に取り憑かれた天才、レスリー・チャン演じる蝶衣がヤバくて凄い。
国宝と…
蝶衣の愛に対して歪みと呼べるほどの接し方は幼少期に娼婦の忌み子として生まれ、捨てられた経験からくるものだろう。
役と自己、芸と人生、愛と忠義の境界が溶けていく中で、蝶衣は最後まで“虞姫であろうとする…
悲劇の積み重ね。
京劇でトップスターにまで上り詰めたのに、すれ違いや時代に報われず、終盤はとにかく見てみて胸が痛むシーンばかりだった。
衣装はとても映えていて、演劇シーンの見応えがとてつもなかっ…
テンポが速いというより省略が大胆で飛ばすところは急に飛ばす。「いつの間にこんな事に?」「あれは解決したんや」と何回も不意打ちを喰らった。
本作の中心にあるのは芸事ではなく、人間関係の複雑さと想いが持…