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アダムズ・アップル

アダムズ・アップルの作品紹介

アダムズ・アップルのあらすじ

ある日、仮釈放されたスキンヘッドの男アダムが更生施設を兼ねる田舎の教会へ送り込まれてくる。指導役の聖職者イヴァンは快く迎えるが、ネオナチ思想に染まったアダムは神も人の情けも信じていない。目標をイヴァンに問われたアダムは、「庭のリンゴを収穫してアップルケーキを作る」と適当な答え。しかし、この教会はどこかおかしい。同じ境遇にあるパキスタン移民のカリドとメタボ男のグナーは、更生するどころか暴力とアルコールに蝕まれている。聖職者のイヴァンですら過酷な現実から逃避し、妄信的に神を愛することで自分を守ろうとしている。それを知ったアダムは執拗にイヴァンの自己欺瞞を暴こう とするが、時同じくしてアダムのアップルケーキ作りを妨害するかのように奇怪な災いが次々と降りかかる。それは悪魔の仕業か?それとも神が人間に与えた試練なのか......。

アダムズ・アップルの監督

アダムズ・アップルの出演者

原題
Adams æbler/Adamʼ s Apples
製作年
2005年
製作国
デンマーク
上映時間
94分

『アダムズ・アップル』に投稿された感想・評価

『“不幸な事が起きました、でも神は守っちゃくれねえよ?神や悪魔のせいにしたって何も変わらないじゃん?だったら不幸全てを受け入れて前向いて歩くしかないじゃん?でもそしたら神が奇跡を起こしてくれるかもよ?”』





とりあえず「すげーイイ映画だった。」って事が言いたいのですよ。いやこれは是非とも3つ、4つ、5つ、マッツこと“マッツファン”にオヌヌメしたい、そんな映画だったんですね〜。


もう癖が強すぎるよミケルセン!?「失敬だな!」が何かと口癖な、いやー「ドクターストレンジ」の目の下のクマの濃さ以上にキャラが濃いぶっ飛んだ役を演じております。そしてあのお美しいお顔がどんどん破壊されていきます(笑)しかもぶっ飛んでいるのは彼だけに留まらず、同居人のアル中の巨漢野郎に武器の売人並の重火器を操るパキスタン人、に胸を撃たれても死なないチンピラなどなど……マッツの顔をタコ殴りにする狂犬アダムがまさかの“ツッコミ役”になるという「“まっとうな人間ゼロ”」な世界!!?でもそこから生まれる“感動巨編”って何…!?(笑)


ちょいちょい宗教絡みで割と残酷描写もある、ブラックユーモアたっぷりの決して万人向けとは言えない作品ではございますが、いやー観終わった後うまく言葉には出来ないけどラストは「なんかイイ映画観たな」と思えてしまうこのアンビリバボーな“奇跡”!?何か人生に行き詰まった時とか、元気が欲しい時、後ろからポンと背中を押してくれるような、そんな映画だと思いますねッ!!





ブログにも感想書きました↓
https://edamamemamade.wixsite.com/edamame-movieimpact
フライ

フライの感想・評価

4.0
芯は宗教映画と言っても過言では無い様な作品だが、だからと言ってそれを念頭に鑑賞するとかなりド肝を抜かれる、かなり強烈なブラックユーモアと、暴力シーンや痛々しいグロシーンもある映画なのだが、それでもシュールなシーンの中の笑いと、秀逸なストーリー展開、ラストの感動でかなり楽しめた。

刑務所を仮出所した、ネオナチで暴力的なアダムは、聖職者であるイヴァン牧師のいる更生施設を兼ねた田舎の教会で生活する事に。そこには、アルコール依存症で窃盗や性犯罪を犯したグナーと、強盗や人質事件を犯したカリドと言う2人の前科者が厚生のため一緒に生活していた。
アダムはイヴァンから何か目標を立て生活する様に促されるが、話が噛み合わない事などの苛立ちからパンケーキを焼くと適当に発言。真に受けたイヴァンは、教会にあるリンゴの木から収穫した実で、アップルパイを焼くと言う事と、木の世話を含めアダムの目標と定めるが、翌日からりんごの木は色々な災難に見舞われる。
アダムは生活しているうちに、グナーやカリド、イヴァンの行動や発言の異常さに気付くが、特にイヴァンの、不幸は悪魔の仕業である事などの奇妙な発言と矛盾、そして彼の異常な過去を知り不信感が募る中、イヴァンから貰った聖書が、何回も同じページで開き、そこに記載されたヨブ記を読んだ事で、イヴァンを追い詰めて行く事になるのだが。

題名の可愛らしさと、アダムとイヴをモチーフにした作品なのかと勝手に想像しながら鑑賞したが、余りにもどぎつい内容に一瞬怯んでしまった。それでもストーリーの面白さと、ラストへの展開が秀逸で想像とは全く違う面白さのある作品だった。
序盤こそ、アダムの強面スキンヘッドやネオナチ設定、暴力行為に、恐ろしさを感じたが、徐々にグナーやカリド、特にイヴァンと言う人物設定が分かる内、怖さの対象が変化していくのが何とも言えないシュールさとブラックユーモアを感じ、作品の世界観に引き込まれてしまった。何よりイヴァンを演じたマッツ・ミケルセンの醸し出す異常さと哀愁が作品を盛り上げていたのが良かった。
作品内で重要な旧約聖書のヨブ記だが、多少でも知っていたら更に作品を楽しめるのかとも思えたが、ある程度作内で説明があり、それなりに呑み込めたのは良かったし、何より終盤迄の悲惨な展開からラストの心に染みる暖かな展開のギャップと、アダムとイヴの出来事を逆転した様な上手い発想が、作品の面白さとして感じられ素敵に思えた。

笑いがあるとはいえ、結構癖の強い強烈なシーンだらけ映画なので、暴力やグロが苦手な人は、ある程度ネタバレ覚悟で、内容確認してから見た方が良いかと。個人的には強烈な内容故の、まさかの感動がとても心に残る良作に感じた。
興味があれば事前に旧約聖書のヨブ記を、多少調べてからでも鑑賞するとより一層深く楽しめるように思えた。因みに知らなくても全く問題無く楽しめます。
この作品、何かの映画祭や特集上映ならともかく、よくぞ日本で通常の劇場公開が実現したな、と思った。神父を演じたマッツ・ミケルセンの人気ゆえなのかもしれないが、自分も含め平均的な日本人からすればまったく未知の分野の映画なんじゃないだろうか。配給を決めたどなたかが熱い想いを持っていたのだろう。

宗教的なメッセージ性が強い北欧映画。ざっくり言えば、「ヨブ記」やアダムとイブの逸話を現代に落とし込んだ奇妙な寓話、ということで良いのだろうか。通り一編の旧約聖書やユダヤ教、キリスト教、イスラム教の知識しか持たない身としてはかなりの部分を理解できないままでいると思うが、それにしても異色中の異色作。

ただ、グロさ、不快さもありつつ、なぜか、笑えるところもあり、感動するところもある。派手さはまったく無いが、予想外の展開の連続で退屈はしないし、なんだか、新しい映画体験だったことは間違いない。

ネオナチで自ら「悪党」と名乗るアダムという男が、更生プログラムの一環として強制的に送り込まれた鄙びた教会で出会う人間たちが、神父を筆頭にこれまた何とも一筋縄ではいかない妙な感覚の奴らばかりで、悪と善、神と悪魔、生と死の間を独自の解釈で行ったり来たりしながら暮らしている。

でもこの混沌や、異様さこそが宗教観の強い世界で生きている人々の心の中の苦悩をそのまま映し出しているのかもしれない。祈っても信じても神は特に手を差し伸べてはくれないし、とはいえ、悪魔がいつも自分を積極的に誘惑してくるわけでもない。人生は喜びと苦悩の繰り返しだが、それを自責とするか他責とするか、結局、自分にしか決められない。

この映画でアダムは最後に「リンゴを食べた」、すなわち、禁断の扉を開けた。それはつまり、「感情」を持ち他者の心の痛みを知る人間になったということか。

もちろん積極的に不幸になりたい人など余りいないと思うが、ただ、幸福一辺倒ではなく、喜びと悲しみ、両方の感情があってこそ多様性のある社会が生まれるのだ、と考えれば、人間が禁断の扉、楽園の外にでたからこそアートは生まれたのであり、今、我々が様々な映画を楽しめるのもそのおかげなのだ。だから、きっと、この作品はとてつもない人類肯定のお話なのだと思う。

…って偉そうに書いたけど当たってますかね?

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