
マーベルのTVシリーズ「ムーンナイト」(2022)の監督にも抜擢されたエジプトの俊英モハメド・ディアブ監督が2016年に発表し論争を巻き起こした傑作。全編護送車の中からカメラが一歩も出ないワンシチュエーションの中、現代エジプトの縮図がスリリングかつ濃密に描かれる。第69回カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、第27回カルタゴ映画祭最優秀作品賞他4冠、ケーララ国際映画祭2016グランプリの金雉賞と観客賞など数多くの映画賞を受賞した。日本では第29回東京国際映画祭ワールドフォーカス部門で上映された。30年に及ぶムバラク独裁政権を倒した2011年のエジプト革命から2年後の夏のカイロ。軍部のクーデターでモルシ大統領は解任され、モルシの所属するムスリム同胞団と軍は各地で激しい衝突を繰り返す。そんなある日、軍に拘束されたAP通信の記者が護送車に入れられる。車外では激しいデモと抗争が続く中、護送車には軍に拘束された政治的にも宗教的にも異なる様々な老若男女が次々と収容され、狭い車内は立錐の余地もない状態となっていく。やがて車内で論争が始まり、人々は大声で叫び、混乱は加速していく…。





