ハルをさがして(2015年製作の映画)

上映日:2016年08月06日

製作国:
  • 日本
  • / 上映時間:93分
    監督
    尾関玄
    脚本
    尾関玄
    キャスト
    小柴大河
    佐藤菜月
    小泉凱
    橋本一輝
    洞口依子
    小沢仁志
    あらすじ
    2012年、夏。都内で暮らす中学3年生のノボルと仲間たちは、秘かに想いを寄せるチエコからある依頼を受ける。東日本大震災後、家族と共に福島から自主避難してきていたチエコは、その際に残してきた愛犬“ハル”を一緒に探しに⾏って欲しいというのだ。ノボル達は淡い期待を胸にチエコとの同⾏を決め、ハルを探す4人のひと夏の冒険が 始まった─。

    「ハルをさがして」に投稿された感想・評価

    夏休みに観ました 最後の甲本ヒロトの呼んでくれがさらに作品の良さを引き出してると思いました

    このレビューはネタバレを含みます

    震災で家族や友達、大切な存在を失った人を必死に犬を探す小谷の姿に投影させ、重くなりすぎないように震災にアプローチするやり方は素直に見やすかったし、近しく感じられました。震災を経験していない人にその脅威や現状を知ってもらう、というよりは、1人の女の子が震災、悲劇を乗り越え前に進むまでの普遍的なテーマを描いた映画です。

    また小谷役の佐藤さんの存在感は紅一点ということを差し引いても、目を惹くものがあると思いました。

    ロードムービーということもあり歩くシーンが多い中で、4人の関係性の変化を歩き姿で表現する演出がよかったです。最初は乗り気ではない男子3人が小谷の後ろをついて歩き、小谷が諦めようとすると男子3人が前を走り、そして最後は…と、視覚的にわかりやすく変化していきます。

    その反面、悪い意味での自主制作らしさも抜けきれていない作品のような印象も受けました。抜いても状況が伝わるようなカットが多く、1から10とは言わないまでも8くらいまで全部を映していて、観客もそこまでバカじゃないんだから…と思ってしまいました。
    3人組のキャラの差が活かしきれていないと感じる場面もあり、特にサバゲーの男の子はガスマスクのくだりがやりたいがために設定つけたのかな、と感じてしまいました。また、3人いる必要性もあまりなく、スタンドバイミーのオマージュ色を強めるためだけなのかな、と疑ってしまいます。サバゲー好きである必要性、3人組である必要性をもう少し推して欲しいというのが正直なところです。
    それとどうしてもモヤモヤの残るのが、小谷が最初に男子3人と会った時に3人に対して「こんなところでなにしてるの?キモっ」「普通はこんなこと頼めないでしょ」と、他のクラスメートと同じようにクラスカースト下位の3人を差別するような発言しているんですよね…それでいて男子が地域を偏見で見てガスマスクつけるとひっぱたくって、お前何様だよという感じです。最後までありがとうもごめんなさいもないし、可愛くなかったらすこぶる嫌われるキャラだったと思います。

    それもあり小谷の印象には若干キズが入ってしまいましたが、主人公が小谷をカメラにうつすシーンはよかったです。小谷が劇中1番綺麗に映ったシーンだし、最後に好きなものを撮った主人公は、これからやりたいことが決まったのかもしれないと予感させる希望に満ち溢れたシーンでした。

    監督はまだお若いとのことなので、俯瞰した物言いにはなってしまいますが、これからさらに深みのある作品を作られることを楽しみにしたいです。



    ちなみにハルをさがしてという題名は、春、つまり3.11に失ったものを探して、という意味で、劇中の設定が夏なのは春を乗り越えた、つまり悲しい出来事を乗り越えて新しい出会いを果たしたということを暗示してるのかな〜と思ったのですが、考えすぎですかね。
    正直まったくハマらなかった。
    女優さん達や子役、中学男子3人の演技はまったく問題なかったし、主演の女優さんは、大変魅力的で素敵でした。

    ただ、美人だけど性格の悪い女子中学生に振り回させられ、隣のじじいにわけも知らず怒鳴られ、正直イライラ。
    ムカつきました。
    ここまで、腹が立つという事は映画に大変共感してると思うので、そういう意味ではいい映画?
    あれは笑う所なんでしょうが…。
    いや、笑いを誘うシーンは他にもたくさんあったが全然でした。

    このイライラがラストに行くにつれ、解消されればまったく問題なかったが、ラストもイマイチ発散されなくて。
    うーん。

    いい所が多いだけになぁと。

    劇場にいた方がおそらく福島の方で、リアルだったって言葉が聞こえた。

    知ってる方からしたらリアルかもしれない。
    自分みたいな知らない人間がとやかくいうことじゃないが、イマイチ深刻さが伝わらなくて。

    安易に震災を取り上げたようにも見えかねないので、そこが残念。

    私のフラストレーションはまったく解消出来なかった。

    もったいない。
    2016.12.28鑑賞。
    なにかぼくにできることはないか
    震災後の福島を舞台にした中学3年女子1人と男子3人のロードムービー。<失ったものを取り戻す、ひと夏の冒険>というフライヤーの言葉がテーマかな。

    都内の学校に通う冴えない男子3人。学校ではちょっと浮いた存在かも。その中の1人ノボルは、震災後、福島から東京に自主避難してきたチエコのことが気になっている。

    夏休みに入って間もなく、チエコは福島の親戚に預けたはずの愛犬ハルをテレビで見かけ、逃げ出したのではないかと、とても心配する。

    真剣にとりあってくれない両親にいたたまれなくなり、家を飛び出したチエコはノボルと出会う。ノボルはチエコの気を引くため「夏休み、福島に行く」と言ってしまう。すると、チエコはノボルの友達もつれて、一緒にハルをさがして欲しいと、強引にノボル達を連れ出す。

    美人で気が強く、ワガママなチエコだけど、心にわだかまりを抱えている。彼女が<失ったもの>はハルだけではなかった。彼女の性格にへきえきしていた男子3人も彼女の悲しみに共振し、<失ったもの>を必死に探し出す…。

    これは福島の子ども達(大人もかも)の葛藤を描いた物語。福島を去る者と残る者。どちらが正しいとか正しくないとかではないけれど、原発事故は福島の人々の大切な何かを引き裂き、奪っていった…。

    それでも希望を感じる。子どもたちは、求めれば失ったものを取り戻せる柔軟な心を持っている。そして、取り戻した彼らの心はしなやかさを身に着けて、より強くなることができる。

    微笑むチエコの横顔を見て、ノボルと一緒に僕らもそのことを思う。福島の子ども達に響くんじゃないかなあ、響くといいなあ、と感じる映画。
    中学生の男子3人と女の子1人の夏のちょっとした旅。

    まず、これは自主製作映画を撮ったことのある人間とそうでない人間でだいぶ見方が変わる作品だ。

    多分、実際に自主映画を撮ってる学生が見たら子役の演技やロケーションの良さ、クレーン撮影とか脚本の良さにすごい刺激を得ると思う。

    個人的にはもう自主映画撮ってない僕からすると、過去自分が通った道をこれでもかと恥ずかしがることなく堂々と見せてきて、だいぶ精神を削られた。

    自主映画で何故人はカメラをやたら手ブレさせて、役者に臭い台詞をはかせ、そして走らせてしまうのだろうか。そして、夏なら花火を使わずにはいられない。

    全体としての感想としては青春映画としてはとても良く出来てると思う。技術的な粗はもう言わないこととするけど、それでもこの映画で表したいことは観ていてとても(恥ずかしいけど)良かった。

    主役の女の子が画面で存在感を出していてこの映画を見やすいものにしている。

    男の子3人組のバカで憎めないキャラ付けも見事だった。

    お下劣な演出や展開が笑いとして物語上のアクセントとして上手に機能してた。

    しかし、出てくるおじさんたちがロリコン風味というか見ていて変態チックさが絵面としてもきつかった。

    最後のケンカ別れした友達との再開したときに交わされる会話がわりかし適当気味でそこはもっと頑張って欲しかった。

    4人で帰る最後のシーンはクレーンで撮ってて映像としてとてもいいけど、ちょっと長いと感じた。後日談ではないけど、東京に帰ってちょっと僕たちは変わったぞというとこまで見たかった。

    実にインディペンデントな映画だった。
    可愛い子とダメだめブサメンの青春映画って言う漠然としたイメージで観に行ったけど、意外に見ごたえがあっておもしろかった。
    青春映画におけるこんなにも哀しい海がいままであっただろうか...。
    中3の少年3人と少女1人のひと夏の思い出を私も共有できた気がして幸せです。
    子どもと柴犬が愛おしい!

    地震の被害も津波の被害も感じられない実家を放射能問題で離れるチエコの気持ちや、そこに残る親友やおじさんの気持ちを抱いている人は実際に存在するんだろうと思い心に刺さりました。

    チエコが電車や車の窓から、福島の鮮やかな田園風景を眺める横顔は寂しげに現実を受け入れていてるようで魅力的でした…
    佐藤菜月さん本物美少女。。
    ka na taのkutsuが浮いていた