お母さんの作品情報・感想・評価

「お母さん」に投稿された感想・評価

MEG

MEGの感想・評価

3.4
エストニアの映画ってあんま観ないので新鮮でしたが、やっぱり映像の質感は北欧っぽくてどこか暗い感じがしました。

観ていて色々疑問がいっぱい出てきたんですが、息子のお金の残りはどこいったんでしょうか。あと、登場人物にそれぞれ意味があるようにかんじたのですが、幼なじみの女の子だけはなんのために出したのかいまいちよくわからなかったです。
わりとシンプルなストーリーですが、多くを語らないがために疑問点が出てくる映画でした。
 家の中、市場、街灯の下、などの限定されたロケーションしか出さないことで、田舎町の閉鎖された感覚が自然と伝わってきました。そして、見終わった後、登場人物たちはそれぞれどこまで知っていたのかなと思いました。
 
 息子ラウリは寝たきりですが、瞬きをしたり目は動いたりするので、僕は勘違いしててっきり寝たきりの息子ラウリはわざと寝たきりのフリをしているのかなと思っていました。それはそれでなんとなく僕の中で筋は通っていたのですが、本当は彼はみんなの話を聞いていただけで動けるわけではなく、ラストの花瓶を倒すのは少し病状が良くなり「全部話は聞いてたぞ」という意思表示だったんだと思います。
 
コメディとして笑えるところもあって、校長先生がここから出て行くと言った時、お母さんが「どこに行くの?」と聞き、校長先生はどこに行くかまで嘘を考えていなかったので、とっさにコップに書いてあるミュンヘンと答えるところです。

 前述したとおり、分かっていない部分も多く、8万ユーロある中で4万ユーロは親友に貸しており、残りの4万を盗まれたということでいいのか。計画を立てたお母さんは、息子が親友に貸していた事を知らず、8万ユーロ口座にあると勘違いしていたのか?というか、そもそもいくらあるか知ってたんだっけ?結局盗んだ金は校長先生が持っていたのか?計画したのはお母さんで、実行したのは、校長先生なのか?校長先生はどこまでお母さんのことが好きだったのか?女の親友は必要だったのか?などなどです。
ひー

ひーの感想・評価

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あまりなじみのなかったエストニアの作品。
次々と見舞客が来て、銃で撃たれて昏睡状態の息子にカミングアウトしていく。えげつない。お母さんの感情があんまりわからない前半に対して、後半からの追い上げがすごい。そして金と女はこわい。
Olga

Olgaの感想・評価

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EU Film Daysにて。銃撃事件で昏睡状態に陥った息子を在宅介護する母親(50歳くらい?)の物語。プロデューサー、監督、脚本、すべて女性。女性ならではの女性の怖さが出ていたと思う。
クレミ

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3.2
EUフィルムデーズにて、プロデューサーと主演女優の方のトークショー付き。感想や質問まで受けてもらえて、直接お話しできました。しかもキャンパスメンバーズで無料!素晴らしい。

さて、本編の方はというと、なかなか良かったです。
ある程度サスペンス耐性がある人は予測できる結末なんですが、登場人物ひとりひとりの描きこみがわりとえぐみの効いたものになっていたのが良かったなあと。

自分なりの読み込みとトークショーの内容を合わせて言ってみると、お母さんは愛の無い人生を歩んできて、校長との不倫により初めて愛を知った人。愛してもいない息子の介護をこの先ずっとしていかなければいけない、愛の無い夫との庭作業と庭に根付く植物達は「拘束」や「牢獄」の象徴ですね。
それに対して息子はというと、どうやら彼女以外にも女を抱え込んで、教え子に手を出していたり。いろんな人が次々と見舞いに訪れ、古くからの友人にも金を貸していたりと、交友関係の広さや人懐っこさが伺え、母親とは違い愛を享受してきた人間だということが分かる。
プロデューサー曰く、裏設定では村一番のハンサムだそうで、安月給の教師の割に海外旅行に行ったりアパートを買ったり羽振りがいいところから、闇取引なんかにも手をつけていたらしい。

この愛の無いお母さんと、愛を享受してきた息子の対比、そこから広がる田舎町の狭いコミュニティだからこそ起こるすれ違いとフラストレーションがこの作品における大きなテーマだなと思いました。

息子とお母さん以外の人物に関しても、一見良い人に見えても、見ていくうちにだんだんとその人の「闇」が見えてくる。そこを意識したそうです。

登場人物たちが次々とやってきて行う息子への「告白」が懺悔室のようだったとの質問への答えによると、
エストニアでは宗教を信仰する文化はあまり無い。しかし自分の気持ちや肝心なことを他人になかなか言わないという性質があり、それを描いているためそういう風に見えるのだそうです。

また、結末は、見終わったあとのこの感覚を狙って描いているそうなので、やはり田舎町で起こる人々の摩擦やフラストレーションにフォーカスしている作品なのだと思います。

おそらくなかなか見る機会が無い作品なので見ておいてよかった。
konomo

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3.6
エストニア映画。EUフィルムデーズで鑑賞。田舎で起こった殺人未遂。昏睡状態のままの息子を介護する母親と、妙に入れ替わり立ち替わり見舞いにくる町の人々。犯人は?動機は?という話。
狭いコミュニティの中で、さらに仕事も辞めざるを得なくなり、密室介護に閉じ込められる母親を見守るだけでつらい(「何とかなるでしょ」と何もしない息子のカノジョに言われたりさ)。外に出るとしてもガーデニング位。
そしてラストにはずーんときた。えーーー。
erigio73

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3.3
 息子の姿が最初は十字架から下ろされたキリスト像のように思えて、マリアにあたる母との愛情の物語かなと思っていたがとんでもなかった。Wikiによるとエストニアがロシアから独立したのは1991年。母親がパンフレットにあったように現在50歳とすると、20代半ばまではロシアに占領された社会で息を詰めて生活していたわけだ。それに対して息子は幼い時から自由の味を知って伸び伸びと生きてたのかも。
 それと、どう考えても大金の行き先が腑に落ちず矛盾してるように思えてならなかった。
akekokko

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4.1
EUフィルムデーズin京都文化博物館フィルムシアター。

『お母さん/EMA』を観賞。2016年エストニアの作品でタイトルからは想像もつかないダークな感じ。銃で撃たれ昏睡状態の息子とその家族、そこへお見舞いに来る人々と大金をめぐっての犯罪ミステリー。これは犯人探しが監督からの挑戦状。

たくさんの人が息子のローリに会いに来るけど、初めは誰が誰やらさっぱりわかんなくて、来た人皆が「お母さん」が淹れてくれた珈琲とお菓子をとても美味しそうに食べるんですよね。
エストニアの可愛い食器と共に、、


そのうちに人間関係が分かってきて、皆が怪しく犯人に思えてくる。
お金が絡むと人間の嫌な部分がむき出しになって、皆が怪しく犯人に思えてくる。

登場人物全ての人に監督は課題を与えたの、、「罪悪感をもって演じて欲しい」と。
なので、犯人は監督からの挑戦状ですな。

ローリは町一番のハンサムさんの設定で、父親も若いときはかなりのハンサムだったという設定なだって。なので似た顔の人を持ってきたって言うのだけど、全く似てないの(笑)

エンディング曲が良くってね、警察官役の方が作詞、作曲し、歌っている。


16日間で撮り終えたとは思えないほどの優れた仕上がりになっている。