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24フレームの作品紹介

24フレームのあらすじ

イランの名匠キアロスタミが3年かけて取り組んだ魂の遺作。固定カメラによる絵画のような映像で織り成す全24章各4分半の強烈なメッセージ。

24フレームの監督

アッバス・キアロスタミ

原題
24 Frames
製作年
2017年
製作国
イランフランス
上映時間
114分

『24フレーム』に投稿された感想・評価

《久々のイラン映画3貫》2貫目

 キアロスタミ監督の遺作は、ずっと4分の"動く写真"の繰り返し。

 観てて美しいけど、独自の作品過ぎて他の映画と並べて評価するのはとても難しい…
 他のキアロスタミ監督の作品が好きなので、相対的に今作はこのくらいの星にしておこうかな。

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観た回数:1回
直近の鑑賞:JAIHO(21.08.02)
東京フィルメックス

その意志がどこまで反映されているのか知らないが、本作完成を見ずに亡くなったキアロスタミの遺作。「写真が撮られた瞬間の前と後はどうなっているのか」というコンセプトにより、フレーム1から24までを固定カメラによってそれぞれ4分ほどで撮影してある(であればその静止した「写真」を最初に提示してもらった方が対比的な効果が生まれる気がするんだが)。

最初の「フレーム」は絵画作品で(ブリューゲルの『雪中の狩人』)、作品の中の鳥が動いて飛び始め、家の煙突からは煙が立ち上がり、といった具合に動く絵となり、最後は机の前のモニターに映画作品が流れたまま居眠りしている人物を背後から逆光の中で撮影したもの。この1と24の間の22のフレームはほとんどが無人の雪山や砂漠、海岸における鳥や動物の動きが映し出されたもの。ぶっちゃけて言えば「それだけ」の作品である。先に挙げたコンセプトの具現化、という意味ではあまりピンと来ないし、明らかに合成と分かるデジタル臭い画面はもー少し上手く仕上げられなかったんかと思わなくもないが(音はすごい)、キアロスタミがその生涯の最後の最後にこういうシンプルなところに戻って来たと言う点を単にナイーヴ過ぎやしないか? と突き放すことはとても出来ない。それらを超えて何だか感動的な作品になっちゃってるんである。いや、感傷だろうか。

写真がなかった時代の絵画から始まって最後にはモニターで映画を観ながら微睡んでいる人。映画の黄昏を暗示しているようにも見えるが、映画のフィルムは1秒に24コマの静止画が素早く映し出されるから動いているように見える訳で、別に20フレームでも30フレームでも良いのにわざわざ『24フレーム』となっているのはそれだろう。絵画〜写真〜映画。キアロスタミの始原/根源への眼差し。映画も今はフィルムではなくデジタルだけれども。
海
-
何年か前の、ある初夏の朝、起きてもまだ雨が降っていた。昨夜2回に分けて降ったはずの雨が、また訪れたのか、続いているのかは分からなかったけれど、窓をあけたまま眠り落ちてしまったから、雨滴がベランダに落ちるぱたぱたという音と、山の方を走る国道で車のタイヤが水たまりを跳ねさせているサァーという音が聴こえた。今日くらいにはもうラジオも、梅雨入りですねと言うかもしれないなと思いながら、この時期特有の、晴れた朝よりもなんとなく調子の良い雨降りの朝がほんの少し嬉しかった。ベッドから出て、洗面所に向かう。そのときわたしが住んでいた部屋には大きな窓があった。壁一面使っている感じの、大きな窓。またあの窓から落ちてくる雨を、猫は見たいかもしれないなと考えて、歯ブラシを咥えたまま部屋に戻ると、猫は部屋の真ん中にじっと座って、まだ遮光カーテンが引かれたままの窓を見上げていた。電気も点けていないから、ほとんど光りのない、だからといって暗やみというほど暗くはなくて、光りによってつくられた影におおわれた部屋、明るさに、照らされた、暗い部屋だった。開け放した窓から、風が入ってきて、カーテンをわずかに揺らしていた。そこから雨は見えなかった。窓さえも見えなかった。ただ雨音のみが聴こえ、いつもよりも湿った空気とひんやりした風があるだけだった。猫は雨をみていた。あの磨きあげた宝石のようにうつくしい眼で、猫は、雨をみていた。

わすれられない、ある瞬間というのがあって、それは「最高」とか「すばらしい」とか「写真におさめるべき」とか、そのたぐいの言葉で表現しきれない、もっとずっとなにか、 わたしをわたしたらしめているもので、わたしがその日、あの朝、部屋に入るドアの前で、唇の端から歯磨き粉が垂れてくるまで、見つめていた猫と部屋の景色も、その瞬間のひとつだった。トンネルを走り抜けた先にあった海、誰もいない体育館で見た雪、夜の高速道路で見たたくさんの家の灯り。心を奪われた、そのときのわたしをそこに呼びもどすのは、誰かがわたしを呼んでくれる声、ただそれだけだった。キアロスタミは言う、枠の中に入れなければ見えないものがわれわれにはあるのだと。そのフレームとは、車の窓だったし、電車の窓だったし、建築の骨で、わたしの指で、あなたの背で、だれかのまなざしだった。わたしたちが、どんな生涯の物語を残しこの世を去り、そのあいだにどれほどの幸福を感じ、どれくらいのすばらしいことができたのか、他者の口から語られるそのひとの話を、わたしは今、どうだっていいよと思うし、それはそのひとの見てきたもの、聴いてきたもの、いのちをかけたものについて、わたしたちが干渉することは絶対に不可能で、そのことはかなしい孤独ではなく、うつくしい孤独だからだ、いとおしいあなたのことを、うつくしく、やわらかく、あたたかく、やさしいいきものだ と わたしは思う、わたしの記憶の奥にすむあなたの話は、かならず、沈黙から始まる。
2022/5/15



猫たちが一番好きな映画かもしれない、と鳥の声を聴きながら眠ったり、鳥や犬や雪の動きを目で追っているわたしの猫たちを見ていて思った。きっとうつくしいいきものに、できないことというのはなくて、言葉を話せないかれらは、言葉を話さないことができているだけだと感じる。ぎゅっとちいさくまるまった焦茶色と亜麻色のからだや、うごくものを追うきんいろの目を見て思う、あなたたちは、ほんものの、うつくしいいきものよ。画面の内には、ひたすら、一枚の写真のその前後に続いていたかもしれない、あるいは続くはずだった時間が流れ続ける。雪の降るなか車窓から見える二頭の馬が戯れあっているところ、一本の木にたくさんの羊が寄り集まり近くで牧羊犬が寝そべっているところ、格子窓の奥に鳥の影があり緑の芝にときおり二羽の鳥が降り立つところ。荒れた海の上でかもめが群れていて、一羽が撃ち落とされ、ほとんどが逃げてしまうけれど、心配するように何羽かが周りで様子をうかがい、やがて、戻ってきたたくさんのかもめが、死んだ者を慰めるように鳴き飛んでいるところ。わたしは幼い頃から、誰かや何かを待つことがすごく多かった。一時間も二時間も、その場所でじっとして、違う場所へ去るための迎えが来るのを、暗くなっていく空や、商店街に少しずつ増えてわたしをちらっと見て足早にすぎていく人たちや、つばめの巣や、野良猫や、雲の流れや街の灯りを見て過ごしていた。キアロスタミがこうして、枠の中になければ見えないものがわれわれにはあるのだと見せてくれた時間たちは、幼いわたしがからっぽのあたまで見つめていた景色だった。そしてそのとき見るかもしれなかった景色だったし、これから見る景色も、もしかしたらあるのかもしれない。枠の中になければ見えないものがあり、窓を開けてみなければ感じられない風や水分があり、ほねぐみにふれてみなくては聴こえてこない声もある。わたしは今も、今だって、待っていると思う。居るはずのないあなたを、来るはずのない迎えを、続きはしない終わりを、終わりはしない続きを、待っていて、そのためにあたまをからっぽにして、知ってきたすべてをいつでも手放せるように知らないことを増やす。それまでずっと、まばたきも忘れるほど見入っていたのに、最後の時間が数秒流れたあと、涙がとまらなくなって画面が見えなかった。わたしはおもう、芸術のため献身し、死んでいくことはきっとすばらしいことだけれど、舞台に立つことを望まないものをそこに引きずり出して拍手するようになったら、思考するとき芸術から遠ざかることが難しくなったら、終わりだ。感性が生きていても、心が死んでいたら終わりだ。語る言葉が湧き上がってくるとしても、黙りかたを忘れたら終わりだ。わたしが映画を観て、笑ったり、泣いたり、怒ったり、眠ってしまったりする、この部屋の、この窓の外がわで、こんなにたくさんのうつくしいことが、むごいことが、かなしいことが、うれしいことが、起きていてそれはきっと、あなたが見ている画面の中の映像以上のものですと、そんな声がきこえてわたしは泣いた。けっしてわたしを急かすものでも、脅かすものでも、諭すものでもない、やさしい声だったから、泣いた。あそこで鳥が鳴き、あそこで犬が眠り、あそこで鹿が倒れ、とおいとおいところで、あなたが雪に降られていることを知る。三つの言葉であなたが語ったとして、わたしは千の言葉をつかってあなたに返事をするだろう。千の言葉であなたが語ったとして、ただ黙って、あなたを見つめ、乾けば手を重ね、疲れたらただ息をし、動き、震え、続いていくあなたという景色に安堵したとき、わたしははじめて、眠りにつくだろう。
2021/8/28

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