流し屋鉄平の作品情報・感想・評価

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daiyuuki

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4.7
流れ着いた夜の街、ギター片手に≪流し≫をする男、御法川鉄平(寺島進)。鉄平の歌に惹かれ店に飛び込んできた娘がいた。椎名朱美(夏菜)だ。鉄平の歌を聴き入る朱美に鉄平は一目惚れ。鉄平の歌に勇気づけられた朱美は、歌手の夢を諦めたくないと鉄平に語る。朱美は東京でユニットを組み音楽活動をしていたが志半ばで郷里へ戻り、情熱を捨てきれないでいた。鉄平は彼女を励まし、背中を押してやる。 
東京・新宿。鉄平は、かつて熱い絆で結ばれていた井上竜一(大森南朋)の命日に、竜一の妻・昌子(片岡礼子)が経営する小料理屋を訪れていた。鉄平を師匠と慕う中浜ジョー(加藤慶祐)や竜一の元部下・石丸(勝矢)ら仲間が集い、賑やかに弔う鉄平たち。昌子とは対照的に一人娘のしずく(今野鮎莉)は鉄平に冷たい。 
新宿で流しをする鉄平は偶然朱美と再会する。朱美は鉄平の励ましで再び音楽の道を目指していた。喜ぶ一方で不安を感じる鉄平。朱美は歌う場を求め、ショーパブで働いていたのだった。その店は大ヒット音楽プロデューサー・金杉安雄(名高達男)の店だったが、実は裏の顔を持っていた。 
朱美は表舞台で活躍すべきだ。そう願う鉄平は、優勝者がメジャーデビューできるというオーディションへの参加を朱美に勧める。だが、朱美は一歩を踏み出せない。そこで朱美を元気づけようと鉄平が行きつけの店へ連れて行くと、そこに景浦光太(高岡奏輔)がいた。 
景浦は過去に朱美とユニットを組んでいた男だった。思いがけず再会を果たした2人。景浦は、借金の肩代わりの代償に金杉のゴーストライターとして曲を搾取されていた。景浦の窮状を知った朱美はオーディションを目指すことを決意する。また曲を作りはじめる2人。昔に戻ったかのような作曲の時間。景浦の顔にも笑顔が戻る。ついに2人の再起をかけた曲が完成した。その曲を聞いた鉄平は太鼓判を押し、朱美を送り出す。 
しかしその曲が金杉に見つかってしまい、曲も歌詞も奪われてしまう。更にオーディションには金杉が関与しており、出来レースであることを知らされる。失意の景浦は曲を捨てようとする。だが、どうしてもあきらめることができない朱美は、「歌が歌いたい」と泣きながら鉄平の元を訪れる。鉄平は立ち上がる。 
果たして鉄平は2人の歌を取り戻せるのか?オーディション会場へ乗り込む鉄平、魂の咆哮が炸裂する!
数多くの映画やドラマに出演する寺島進、待望の初主演映画。
寺島進が演じる鉄平が、東映マークの大海原をバックに、「東映も最近はダメだな。時代劇やヤクザはやらないし、やっぱり股旅ものだな」と言うように、この映画が目指したのは「トラック野郎」などのようなベタな人情コメディ映画。
流しをやっている鉄平が、金のために若者の夢を食い物にする悪い音楽プロデューサーをやっつけ、若者の夢を応援する人情コメディ。ベタが嗤われる時代に、敢えてベタをやり通す。
そこに、監督の榊英雄や主演の寺島進の心意気を感じた。
そんな温かな映画を、また見たい。