わが心にかくも愛しき/私の心よの作品情報・感想・評価

「わが心にかくも愛しき/私の心よ」に投稿された感想・評価

にく

にくの感想・評価

3.6
H・シュスター/H・ラスク『わが心にかくも愛しき』(48)。RKO配給のディズニー実写映画。主人公の少年ジェレマイアの想像世界はアニメーションで表現される。ラスカルで知られるS・ノースの“Midnight and Jeremiah”が原作だが、20世紀初頭の米南西部が舞台で、要はウォルトの幼少期の思い出の再現。
 本作冒頭には繋駕速歩競走で最速を誇ったスタンダードブレッド、ダン・パッチ(役の馬)が登場。それを田舎町の駅まで運んでくる蒸気機関車「オールド・ナンバー99」はかつてユニオン・パシフィック鉄道で使用されていたもので、パラマウントから借りてきた。1903年時点のインディアナ州の様子なのだ。
 祖母と暮らすジェレマイアは、母羊に相手にされない黒仔羊を(ダン・パッチに因み)ダニーと名付け育てる。祖母に反対されながらも、成長したダニーを品評会に出すべくイリノイ州キンケイド村に向かうジェレマイアだったが勝利はならず。しかし特別賞を授与され汽車で誇らしげに町に凱旋するのだった。
 ディズニー映画における蒸気機関車は『リラクタント・ドラゴン』(41)や『ダンボ』(41)のケイシーJr. に代表される様に、自然、取分け動物と仲良く戯れる。『わが心に~』の蒸気機関車も、馬のダン・パッチ、羊のダニーという家畜動物をこそ、ノスタルジーと共に乗せて運ぶための穏やかな乗り物だ。
 19世紀には荒ぶるテクノロジーであったはずの蒸気機関車はその時、人間によって飼い慣らされ、動物と共に家畜化されている。W・ディズニーとは、テクノロジーと自然(動物)を馴致する調教師=魔法使いの謂いであり、プリンセス、動物、人ならざる存在をイメージ化・客体化する「クリエイター」である。
 「世紀の変わり目」を(都合よく)懐かしむ為に作られた『わが心に~』は、その様なわけで、ウォルトにとって最良の映画となった。ディズニーには『機関車大追跡』(56)という作品もある。機関車狂としてのウォルトの本領が発揮されたスパイ映画であるが、これについてはまたいつかご紹介いたします。
日本未公開作品。

エレミヤくんとこひつじのダニーの心温まる映画
ハイラムおじさん演じるバールアイヴズの歌がなかなか良い。
ところどころ入るタッカーじいさんの替え歌バージョンは、ストーリーに沿ったものになっている。

この映画の影の主役は、エレミヤくんを女手ひとつで育てているおばあちゃん。
赤毛のアンでいうマリラクスバートを彷彿とさせ、厳しいことをいいながら、深い愛情を感じさせる役どころ。
自分の言いつけに従わず、主の御心に反しようとする孫に心痛めているが、内心では孫が可愛くてたまらない。
神様への願かけの話には感動させられた。
いいおばあさんじゃないか。

一部、実写にアニメが入り込む。
「何を持ってるかではなく、今もっているものでどれだけのことをなしたのかが大切なんだ。」
「諦めずに、『やり通し力(stick-to-it-tivity)』を持てば何事も成し遂げられる。」
これらの教訓を、ダビデや、預言者ヨシュア、コロンブス、ロバート1世の蜘蛛の話しから教えてくれる。

こひつじのダニーは、未年の2014年にTDLのオリエンタルランドなどでキャラクターとして商品展開されたらしいが、現在、商品棚が縮小、専用サイトが閉鎖し、「使い捨て」の憂き目に遭ってる不憫な存在。

日本でのDVD販売は遠いのだろうか。