映画ケーン

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェストの映画ケーンのレビュー・感想・評価

5.0
汗がギラリと光る3人の濃い顔のおっさんと強烈なビジュアルイメージ。
不穏なハーモニカの旋律と耳をつんざくエレキギターのエクスタシー!
尋常ならざるカメラワークに鳥肌がスタンディングオベーション。

映画館で初めて観て、とにかく迫力に圧倒されたのを覚えてるけど、想定外の展開が続くから話はよく分からなかった。

UHD買って久々に観返した。
実は話は単純で、それを脚本上での見せ方、演出上での見せ方がめちゃめちゃ工夫されてて、単純な話でもここまで面白くなるのかと驚く。「こうか?」って思った展開が全て裏切られていく面白さがある。
やっぱりレオーネは天才的な演出家。

ぶっちゃけ、盛り盛りの演出の前半〜中盤の面白さに反して、後半はくどくなってきて、冗長になってる。展開を裏切ることを優先したために後半でそのツケがまわっている。
抽象的な存在に見えたブロンソンが”単なる”復讐鬼であった、小さく見えてしまうという難点。
後半のブロンソンが復讐を果たしたシーンの後に、ジェイソン・ロバーズがクラウディア・カルディナーレに「どちらが扉を開けて入ってくるかな」とか言って、扉へ向かってくる足音に2人がドキドキするって演出をくどく見せているけど、その前にしっかり復讐の決着を見せてるから不必要なんだよね。ただ、2人は結着を知らないからこの演出をせざるを得ない。

でも、他では”絶対に”観れない映像だらけで痺れまくりの最高の映画。
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    感動的なセリフや深遠なテーマより、ドロドログチョグチョな安っぽい見世物を!