村上春樹の文体に寄り添った映画だった。
心地の良いリズムだった。
棒読みの朗読を続けるのは、物語の文脈に載せられた感情を排除した先にある言葉そのものの意味を観てほしいという願いなのだろうか。
『…
みさきの「音さんのその全てを本当として捉えることは難しいですか、ただ単にそういう人だったと思うことは難しいですか」っていうセリフ、正しいとか間違いとかじゃなくて個人をちゃんと真っ直ぐみている気がして…
>>続きを読む生きていくほかないのだ、という最後のソーニャの手話でのセリフのシーンが素晴らしかった。
そのシーンが活きるためにも西島秀俊も三浦透子も、そしてパク・ユリムも描かれているのだ、ということが終わってみる…
めちゃめちゃ良かった。
作品中に、家福に対するみさきの言葉で「奥様はそういう人だったと受け止めることはできませんか」というものがあった。多くの男と関係を持つ妻の真実を求める夫にかける言葉として、こ…
走行中の車内での静的なシーンに醍醐味
ドライバーのミサキの、運転中の表情のあるようなないような横顔が終始魅力的で良かった。目を離せない引力があった。
それから、高槻の告白シーンは怖いくらいで、狂気…
(自分用記録)
・導入、ハルキと思って観るとハルキ節。セリフも内容も不自然。
・演出家、妻の死後、広島の演劇祭のために滞在、ドライバー雇う。
・我慢の利かない若手俳優(岡田将生)。事件を起こして降板…
素晴らしくて。静かで淡々と語られながら、生の煌めきと情熱を感じる。
車の中で家福や渡利、高槻といった人物が自分の感情や過去を吐露していく。家福や渡利の静けさと、高槻の騒々しい心のギャップを感じるが…
ずっと起承転結の起のように思えて、いつ何かが起きるんだろうと不思議に思っていた。結局なんの前触れもなく唐突に事件が起きて、そして終わった。
事件はただ主人公を自分と向き合わせる状況づくりとして機能し…
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