マシュー・ボーン IN CINEMA 赤い靴のネタバレレビュー・内容・結末

マシュー・ボーン IN CINEMA 赤い靴2020年製作の映画)

Matthew Bourne's the Red Shoes

上映日:2021年02月11日

上映時間:97分

3.9

あらすじ

「マシュー・ボーン IN CINEMA 赤い靴」に投稿されたネタバレ・内容・結末

中盤のダンスが素敵すぎた。
硬いとか柔らかいとかの判断レベルを一瞥するかのごとく、超越している神業。
ステージだから風吹かないのに、まるで風にそよぐようなダンスに魅せられた。
こんなにもしなやかだけど、ふにゃふにゃにはならず、身体の動線は崩れずに動くものなんだな。
テクニックの鍛練だけではなくメンタルも磨いているのでしょうね。
崇高の表現力でした。
バレエが素晴らしいのは大前提として…

中盤以降、自己中心的な男たちの間で振り回され、劇中劇と同じ末路を辿る主人公なんて、こんなご時世誰が見たいん??
こういう話はやめにしようよ。
ロンドの場末の劇場で、辛い目に遭うのも彼女だけ!!!くそが!
来日公演のチケットを持っていたのですが、感染症のせいで中止になってしまいとても残念に思っていました。でもこうして映像作品として見られることがとても嬉しいです。見終わってすぐ、生で見たかった……!って思いましたし、口に出しちゃいましたけど。

度肝を抜かれたのは、レズのデザインした舞台装置。カーテンの表と裏を変えたり、それを反転させることで視点や場面の転換をしたりとか、このひとがこういう思いでいるとき、こちらでは、みたいなことを語ったり。たぶん初めて見る演出ではない気がしますが、切り替わりの間というか、つなぎ目がなく変化してゆくところがすごく滑らかで、鮮やかで、万華鏡みたいで、びっくりしました。

それからアダムの存在感。来日時のザ・スワン/ザ・ストレンジャー役はキャストガチャに外れて見られなかったのだけど、「危険な関係」とか「兵士の物語」とか、芝居色の強い作品で拝見してはいて、でもそれらより圧ッッ倒的に演劇的で!もともとそういう要素の強いところのあるカンパニーではあるけれど、ほかの演者と並んだときも表情や感情の波風が映画俳優に匹敵するというか、あこれダンスカンパニーじゃなく映画だったらベネさんが演じているところを見たいかもしれないと思うくらい、演劇的(という言い方がはまるかどうかは分からないのだけど)に感じました。役柄の違いももちろんあるけれど、ほかのキャストのちょっと大袈裟なコミックっぽいのがアダムにはまるでなくて、それでいてスッとそこに立ったときに空気が変わっているという、なんだか見たことのないアダムで、鳥肌たっちゃいました。

スワンとかシルフィードと違い、本作での赤い靴は幻想の存在ではなくて仕事とか栄光のキャリアとかそういう一種の実体あるものになると思うのですが、それに囚われたときに現実での掛け金が外れてしまうというか、かろうじて歩んでいた道を外れてしまうとか、そういう悲劇に転じてしまうの、しかも劇中劇の結末とぴったり重なってしまうの、こういう描き方がマシュー・ボーン先生めちゃくちゃうまいなぁと、改めて心を掴まれました。あのラストシーン、(比較的)健全に生きている側からしたら慟哭するしかないみたいなところ、スワンを思い出しながら見ていました。レルモントフはきっとヴィクトリアの葬儀に出席するとは思うけれど、彼女に触れたり、顔を見たりはできないんじゃないかって気がしました。

社会の状況が落ち着いたら再度来日の企画をしてほしいし、同時に円盤化もされたらいいなぁ。いつでも見たい。
作品を作る作品って事でストーリーは馴染みやすかった
後で他のバレエ観た後なら新しい感想出るかも

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