マシュー・ボーン IN CINEMA 赤い靴の作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「マシュー・ボーン IN CINEMA 赤い靴」に投稿された感想・評価


英国バレエ界の奇才マシュー・ボーンが映画「赤い靴」を基に振付・演出したバレエをスクリーン上映。

2020年1月にサドラーズ・ウェルズ劇場で上演された舞台を収録。
ロンドンのバレエ団にバレリーナのビッキーと新人作曲家の青年ジュリアンが入団。アンデルセンの「赤い靴」をモチーフにした新作バレエが大成功を収め、2人はやがて愛し合うようになる。しかし、バレエ団を主宰するレイモンドは…。

美しい…..!
くりふ

くりふの感想・評価

3.0
【赤軽い靴】

これは(当時)昨年、来日公演に行きたかったが、忙しいし難しいなあ…とチケット押さえないうち、公演中止になってしまった。

生舞台は、幾ら精緻な映像記録でも、記録でしかないので、こうした映像作品には期待しません。例えば、優れたダンサーほど発する“気”が、映像には残らないのですよね。

でも原作映画は大好きだし、音楽も何故にバーナード・ハーマン?と興味を惹かれ、行ってみた。

ヒロインのビクトリアを演じる、アシュリー・ショーの身体表現力が素晴らしかった!その素晴らしいという“こと”は映像記録でも存分に伝わり…というか理解できて、見た甲斐がありました。

また原作にはなかった、終盤、劇中劇がその外に侵食してゆくおそろしさに、少しだけゾクゾクできました。この演出は巧いと思った。

それ以外は、体験としてはまあ面白かったものの、作品としてあまり良いとは思えなかった。やっぱり映像化で大切なものが大分、こぼれ落ちた気がして仕方なく、生舞台でないと正しく存分には受け取れないのだろうな、とは思う。

その上での内容感想ですが、1948年当時の男女ヒエラルキーが基の物語を、こう無理に生かしても、基本的にキビシイなあ…と思いました。精神的かなめで、意味の深掘りもできた“赤い靴”が、何だか軽いです。はじめ、それはブラジャーに見えたりしました(笑)。

ダンテの神曲的?な、地獄巡りにまで踏み込む…だから神父の登場が意味を持つ…原作に比べると、あえてある面、わかり易くしているとは感じつつも、現実的で、ずいぶん狭い世界観だなあと思いました。

原作映画で、ヴィッキーを赤い靴へと誘惑する謎の靴屋には、明るいピエロの如く振る舞いながら、得体の知れぬおそろしさがありました。こちらでは、表向き華やかな業界で、女を売り物にする“女衒”のイメージで売っています(笑)。

どうもそこから、ジャンプしてくれない。で、せっかくヴィッキーを原作とずらし、自ら強引にでも踊る女として始めているのに、結局は“男に踊らされる女”として絡み取られてしまう…。

それだけ原作の呪縛力が強烈だった、ということなのかな?

現代では、家庭を持ち子を成しても、一線で踊り続けるスターダンサーは存在するし、本作の結末では最早、アナクロだと思うのでした。

音楽は、サイコロジカルな趣のあるハーマン節が、人物の心象として響く所は、なるほど効いていました。ご本人は亡くなっているから、既存曲をアレンジして使っているようですね。温故知新の好例かと。

が結局は、リメイクはもういいから、原作映画を大画面でまた、見せて欲しい!と思ったのでした。

<2021.4.3記>
ロアー

ロアーの感想・評価

4.5
マシュボ作品の有料配信が始まったと知ってすぐ、唯一まだ観たことのなかった「赤い靴」のストリーミングチケットを取りました。これが昨年11月のこと。3/31まで見放題ならまだまだ何回も観れる!と思っていたのに、結局最終日に慌てて2回連続でしか観れなかった(わりと十分では?)
アンデルセンの『赤い靴』と言うより、1948年の名作映画「赤い靴」をベースにしているようなので、先に映画を観ておかなかったことをちょっぴり後悔したのでこれから観ます。

超絶要約すると主人公が恋とキャリアのどちらを取るかで苦悩するお話なんだけど、つまり恋=ドミニク・ノース、キャリア=アダム・クーパーの究極の選択ってことでしょ?この2人ってマシュボの劇団のそれぞれの世代を代表するダンサーじゃん!あまりに贅沢過ぎてどっちも選べない!

前半は主人公がプリマドンナとして抜擢され劇中劇「赤い靴」を踊るまで、後半は劇中劇と主人公の状況がリンクして気が狂ってしまうという内容で、表裏一体の構成が巧妙すぎてたまりませんでした。マシュボの作品ではやっぱり「白鳥の湖」が1番好きだけど、構成と舞台装置は「赤い靴」がダントツ高評価です。

大きな門のようなステージカーテンのセットをくるくる回転させることで劇中劇の舞台とその舞台裏を表現しているんだけど、劇中劇の観客の拍手と実際の劇場の観客の拍手が同化して、段々舞台と劇場の境界線が曖昧になっていくという演出もお見事でした。
劇中劇と主人公の状況がリンクしていく後半にもこのカーテンが巧みに使われていて、いつの間にか劇中劇、舞台、実際の劇場、全ての境界線があいまいになっていく奇妙な没入感。

ダンスやキャリアへの執着の象徴になっている赤い靴を使って主人公を誘惑する支配人も、まるで赤い靴の化身と言えるような存在。劇中劇では支配人をバレエマスターが演じていて「この役やりたいな〜」とレルモントフにおねだりする仕草がかわいかったし、すさまじい顔芸とヒップを強調し過ぎなダンスが印象的なキャラでした。

そんなバレマス演じる劇中劇の支配人とアダム・クーパー演じる現実の支配人・レルモントフが同じ振付を踊り、劇中劇と現実が主人公の苦悩の中で入れ替わってしまうシーンは鳥肌もの。

バレマスの癖のあるダンスと、アダム・クーパーの凛としたダンスの対比。ほぼ客演みたいな感じなのでアダムのダンスシーンはそれほど多くないんだけど、手足が長くて姿勢が良くてすごく素敵でとにかく見惚れてしまいました。アダム・クーパーってホント見た目も昔から変わらない気がする。
対するドミニク・ノースはいつ見ても赤ちゃんみたいな顔してるなって思っていたのに、最近自分より年上と知って衝撃でした。ドミニクもつくづく感情表現お化けなので、作曲シーンや指揮シーンの鬼気迫るダンスが素晴らしかった。

「シンデレラ」でエンジェルを演じていたリアム・ムーアが、劇中劇のプリンシパル役として主人公と並ぶくらいダンスシーンが多かったのも嬉しかったです。常に体表の3割くらいしか隠してないギリギリの衣装で生脚&生下尻を振りまいていたのに、いきなり隙のないロングのカソック姿で現れた時は度肝を抜かれました。やっぱりマシュボの性癖=私の性癖。性癖の双子って言ってもいいですか?(は)

意外と重めな本筋の息抜き要素なのか、水着deバカンスのシーンや場末の劇場の赤パンチラダンサーズも面白かった。セクハラ腹話術者や瓶からお酒を直飲みしてたレルモントフの秘書などなど、端役にすら個性が溢れているところもマシュボ作品の魅力。
※スルー推奨

赤い靴👠シリーズPart④

『白鳥の湖』、『眠れる森の美女』の方が好み☆★
yo

yoの感想・評価

4.2
来日公演がコロナにより中止になったので、映画で観られるのは嬉しかった。
こじんまりとした舞台上の様々な工夫がなされた繊細なセット、場面転換の美しさ、そして何よりも、言葉がなくとも感情を表現しきってしまう振付とそれを全身で演じ切るダンサーたちに圧倒される!
non

nonの感想・評価

3.9
マシュー・ボーン演出の『ロミオ +ジュリエット』がよかったのと『Billy Elliot』で大人のビリーを演じたアダム・クーパー氏が出演しているので気になって鑑賞したのだが、やはり好きな感じだった☺️
後半の展開から高まりまくり。あのラストは😭そして公式を開いたらサー・ダニエル・デイ=ルイス氏のコメントを発見して、さらにうわーーーーー!!!となった。
sasha2022

sasha2022の感想・評価

3.9
マシューボーンの現代版赤い靴👠👠シュールでいて官能的。至福のひとときでした!男性の生足バレエは初😳✨途中で唐突なエジプト兄弟のダンスとかコンセプトわからないシーンもありましたが😂セクシーで今風の衣装と照明、バレリーナたちがどれをとっても全てが美しい。特に赤い靴を履いてからの止まらないダンスシークエンス。身体が宙に浮く際の足の動きやアクロバティックなダンスは目を見張ります。ハーマンの重厚な音楽も最高。主人公のヴィクトリアページを演じるアシュリーショウが背丈はそんなに高くないけれど健康的な曲線美と美貌が眩しかったです✨
kazmi

kazmiの感想・評価

-
開始3分で、予習して来なかった自分のバカ〜!と反省(泣) 字幕、解説一切無しなので、お詳しくない方には入念な予習をお勧めします〜
作品自体は素晴らしかった!
上質なバレエを堪能できました。
愛

愛の感想・評価

3.7
バレエの舞台をちゃんと観たのは、映画ではあるけど今回が初。

ほんとに素晴らしい至福の時間でした。
映画『赤い靴』を基に振付・演出された傑作バレエのスクリーン上映。

台詞の無い分、ダンスと音楽を心ゆくまで堪能できた。

俳優の表情までハッキリと見ることができるのが、映像化の1番良いところ。

映画とはまた異なる感動を味わった。
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