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バッハマン先生の教室
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目次

バッハマン先生の教室の作品紹介

バッハマン先生の教室のあらすじ

第71回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(審査員賞)、ドイツ映画賞 最優秀ドキュメンタリー賞を受賞するなど高い評価を得た傑作ドキュメンタリー。西ドイツ、ヘッセン州の工業都市シュタットアレンドルフの学校を舞台に、文化も宗教も言語も様々な生徒たちと、音楽や時にはジャグリングで遊びながら教育する定年を間近に控えた教師ディーター・バッハマンの姿を、約3時間半に渡って克明に捉える。ナチス時代から移民によって歴史が形成されてきたドイツの工業都市の構造についても掘り下げている。

バッハマン先生の教室の監督

マリア・スペト

バッハマン先生の教室の出演者

ディーター・バッハマン

原題
Herr Bachmann und seine Klasse/Mr. Bachmann and His Class
製作年
2021年
製作国
ドイツ
上映時間
211分
ジャンル
ドキュメンタリー

『バッハマン先生の教室』に投稿された感想・評価

[ぼくたちのバッハマン先生] 80点

ベルリン映画祭コンペ部門に選出された一作。ヘッセン州の田舎町シュタットアレンドルフにある中学校でドイツ語などを教える教師バッハマンと彼が受け持った生徒たちの一年間の日常風景を綴った217分のドキュメンタリー作品。一つの授業についての一部始終が幾つも積み重なっているので、必然的に長大化したと思われる。人種/宗教/性別/性格など様々な背景を持った生徒が時間を共有するとあって、ある面では繊細に、ある面では大胆に接することが求められる中で、バッハマンは子供たちの心の中に相互理解と平和を構築していく。彼の言葉を借りれば"数学を学ぶよりも、正直でいることや自分自身に誠実でいることを学ぶほうが遥かに有意義"ということを3時間掛けて実践し、引っ込み思案でドイツ語が話せないことを周りの心無いドイツ人に笑われていた生徒たちが、知的で自信に満ちた一人の青年として成長していく様を克明に記録している。楽しい時間は楽しく、ルールはきちんと守った上で厳しくすべき部分は厳しくしながら、生徒たち一人一人と向き合い、徹底して言語化させることで感情の整理と社会の受容を行わせる。私が思春期に彼の授業を受けていたなら確実に恩師になっていただろうし、私の恩師も生徒に対する向き合い方はこんな感じだった気がする(脳内で美化しすぎているかもしれないが)。

バッハマンが話していない生徒を当てて、考えたことを言語化させることで、説明セリフなしに何人も居る生徒たち全員を詳細に思い出せるくらい人物像が確立される手法が非常に上手い。シュペトは生徒たちのオープンさや探究心、知性にも注目し、彼らがバッハマンを驚かせ喜ばせようとする姿も同時に記録していく。カメラはバッハマンの横で生徒の方を向いていることが多く、生徒たちとバッハマンとの信頼関係はカメラを通しても伝わるので、新任の副担任になった気分で授業に参加できるのが良い。観察者の視点を何処に置くかというのはドキュメンタリーを観る上でも撮る上でも非常に重要な要素の一つだが、本作品ではそれがスムーズかつ非常に上手い位置に置かれている。

音楽の授業(?)で、生徒たちが思い思いの楽器を同じ教室で演奏していたのが印象的だった。その直後に、親御さんとか幼い兄弟とか連れたクリスマスパーティがあって、そこで演奏会があったんだが、渋い歌声がすると思ったら先生だった。いや、アンタかい!と突っ込まずにはいられない。
Omizu
3.8
【第71回ベルリン映画祭 審査員賞】
ドイツのドキュメンタリー作品。『マドンナ』などのマリア・シュペート監督が長年の知り合いであるバッハマン先生の教室を映した作品。

舞台となるシュタットアレンドルフは工業が栄える街で、実に70%が移民だという。また、シュタットアレンドルフは第二次世界大戦中、ヨーロッパ最大の武器生産拠点であり、労働者の大部分がミュンヘン郊外の強制収容所から強制的に連れてこられた労働者だったという街の歴史も描かれる。

バッハマン先生の教室にいるのは12~14歳の人種も信教も異なる生徒たち。バッハマン先生がどのように生徒に接しているのを映していく。

勉強はもちろん、みんなでバンドを組んで歌ったり、物語やアートを制作したりと自由な教室。

移民の子どもたちにはまずドイツ語を教えるところから。優秀な子は出来ない子を教え、積極的にコミュニケーションをとる。イヤな態度をとる子には怒るのではなく、なぜ怒っているのか、なぜ不機嫌なのかとその原因を突き止めようとクラス全員と会話を交わす。

怒りの原因、悲しみの原因を理解することで、自らも他の人も分かるようになる。すごく単純だけどなかなかできないことだ。

全員がバッハマン先生のような教師だったらいいが、そうはいかないのが現実。バッハマン先生は全部に顔を出す。音楽会やボクシングの試合にも。本人の時間もやる気もないといけない。教員が全員そのモチベーションと気力があるかというとそうではないだろう。

でもバッハマン先生の教室には愛がある。より深い相互理解がある。

何人かの生徒が「同性愛は気持ち悪い」という意見を言う。バッハマン先生は「なぜ気持ち悪いと思うのか教えて」と言う。彼らは「分からないけどそう思う」と言う。彼らは周りに影響されているんだろう。バッハマン先生は「分からないと言うことが分かっただけで収穫だ」と言う。彼らは小学生だ。最初から理解できるはずがない。そうやって考えさせることで成長していくだろう。

少し長いものの、バッハマン先生と生徒たちとの対話が非常に興味深い。勉学、哲学、音楽、歴史、宗教といったあらゆることを巧みに生徒たちに考えさせる素晴らしい先生だと思う。

それぞれの対話が面白く、気付けば引き込まれていた。とても優れたドキュメンタリー作品で、ベルリン映画祭審査員賞は納得。

追記
他の方のレビューを読んでいたが、確かに先生が「異性との結婚」ありきで話しているシーンは違和感があった。先生が生徒にする質問ではないし、アウティングの可能性だってある。そこは確かに問題だ。
2023年4月20日-23日
ドイツ映画祭 HORIZONTE 2023
@ユーロスペース

公式HP
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/h23.html

編集部参加予定です。詳細は鑑賞後に追加します。

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