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ガリレアの婚礼
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『ガリレアの婚礼』に投稿された感想・評価

菩薩
4.0
これだけ要素詰め込んで対立軸を幾重にも設定しておきながらそれでいて110分以内に収めてしまう時点で既に驚く、しかも初監督作?立派と言うか見事と言うか贅沢。祝祭のボルテージは右肩上がりで加熱し続け誰かが「血を見ないと」終わらない事態に発展するも結局それを映す事は無いがそこに確実に血が流されている事を自覚しないといけない。と言うか処女性の担保に血に染まったシーツを見せつける風習ってなんの信憑性があるのか改めて謎。時に幻想的な映像美やその風俗・史料的価値云々は皆々様がおっしゃっている事であるし、そもそも物凄い熱量と情報量でレビューを書いて下さってる方が沢山いるのでそっちを読んだ方がいい、それに見合う価値が充分にある傑作。混沌の一夜が終わり新たな「夜明け」を見つめる少年の目には何が映るのか、根深い問題かつもはや「呪い」と言うべき伝統を払拭する為に、家父長制の亡霊を諌め独善的なホモソーシャル解体の為にクリティカルな一作、いつまで経っても俺の嫁文化の消えないヘルジャパンよ…。いつもは閑古鳥鳴くブルースタジオに20人くらいお客さんがいてビビる。
masato
4.0
1987年の作品。
舞台はイスラエル軍の占領下にあるパレスチナのガリレア。ここで、村人が結婚式を挙げようとしている。ただ、占領下なので、イスラエル軍に許可を得なければならない。

でも、この村には不穏分子が多いとされ、なかなか許可がおりない。村長の息子の結婚式なので、村長が直々に交渉に来る。それでの許可は降りない。

いろいろあった上、条件付きで許可が出る。その条件は、司令官を招待すること。そして、24時間以内に結婚式を終わらせること。

まあ、それだけかと思いきや、村には全時代的な家長制度があり、男は強く、女は清くという男尊女卑的なルールもある。結婚式の締めくくりは初夜を迎えた二人の純潔の証をシーツにつけることだし、それを村人みんなが見ないことには終われないのだ。

でも、村長の息子である花婿は政治的なプレッシャーが強すぎて、うまくいかないと。

そのうち、村の不穏分子たちが、この際、イスラエル軍の奴らをやっちまえ、という機運も高まる。なぜか、子どもたちは大事な馬を逃してしまう。なんだか、政治的にも、制度的にとても重苦しいんだけども、なぜかところどころにユーモアがある。

たぶん、そう言う家長制度がまた色濃く残っていた昭和の時代に僕が生まれ育ったからだろう。それが、いちがい悪いことだと思えない節がある。別に肯定はしていないのだけれど、そこに確かにあった人の営みまでが否定されるのはやっぱりおかしいと思うだけだ。

とても、完成度の高い一遍の寓話を見た思いだ。

で、村民が伝統的なアラブの結婚式を挙げるまでを描いたM・クレイフィの劇映画デビュー作。平穏なたたずまいを見せるパレスチナの農村。だが、現実は厳しく、イスラエル占領軍が絶えずパトロールし、村民たちの生活は軍の監視下にある。そんなある日、村長ムクタールは息子の結婚式をアラブの慣習通りに挙げたいと思い、イスラエル軍の司令官に許可を願い出た。司令官は軍政のアピールにと結婚式を許可するが、血気にはやる青年たちは、この際に司令官を暗殺しようと企てる……。珍しいアラブの伝統的な結婚式を背景に、パレスチナの現実を浮き彫りにした力作。
4.0
映し出される彼の地の風習文化一つひとつに驚く。まずガリレア(日本語カタカナでガリラヤと呼ばれる地域か)やパレスチナ人キリスト教徒のことを知らず(というか現在のパレスチナとイスラエルの関係からイスラム教徒だと勝手に思い込んでいた。少数派とのことだが、イスラム教が興るずっと前にまずユダヤ教そしてキリスト教が興ったのだから居て当然なのだ)男性の服装もあの白いベールを黒い紐というか輪っか状のものを頭に置いて留めたスタイル(これも国や地域によって細かい違いがあるらしい)は年配か中年の男性のみ、中年のなかにもそのスタイルではなく無帽で普通のシャツとズボンの人もいて、どういう違いがあるのかわからない。女性は(イスラム教徒ではないので)顔を隠したりはせず、中年や老年の女性だけバブーシュカのような色とりどりの三角巾を被っている。

そもそもザガリートという女性の唱法から度肝を抜かれる。最初に映される村長の妻によるザガリートは結婚式が行われることとその喜びや誉れを集落に知らせる表現のよう。それからもザガリートは女性たちによって劇中さまざまな場面で唱和?される。女性は女性たちだけ、男性は男性たちだけで儀式をする。
そういった風習や文化、宗教や歴史などについての説明的なシーンは無い。冒頭のイスラエル軍司令部でのシーンから村長がバスで村に帰りながら村で結婚式について色々話し合ったりしているシーンをシームレスにカットバックすることで、イスラエル占領下の都市部とガリレアの地とのコントラストを示していた。

ドキュメンタリー的な撮り方から、イスラエル軍司令官を招いて結婚式を行うことになり若者たちは司令官暗殺テロを画策するというフィクションへと移行し、そこに根強い家父長制下における女性の扱われ方、厳密な文化風習によって個人の意思が無視されることなどが織り込まれたエピソードが交錯する。すべて台詞やモノローグによる説明や心情吐露が無いのが好い。

花嫁が全裸で、歌い踊る女性たちに囲まれ全身を洗われるシーンがある。イスラエル軍司令部のお供をする女性兵士が村の結婚式で倒れてしまうと女性たちが取り囲んで部屋へ連れ帰り、軍の男性を締め出す。どこか幻想的な(ややこっ恥ずかしい表現だが時代か)女性たちだけのスキンシップがあり、女性兵士はカーキ色の軍服を脱がされ村の人々と同じような伝統的な衣装を着せられる。
家父長制社会のなかで男性のみ、女性のみの空間に厳密に分けられることを逆手にとり連帯するかのようなフェミニズム的表現は、同時にイスラエル占領へのカウンターにもなっている。

結婚式が始まり人々が儀式をしたり歌い踊ったり練り歩いたりしているあいだは花嫁も花婿も別々で、それぞれの存在はほとんどクローズアップされない。特に花嫁はベールをかけられて玉座のようなところに鎮座し続けていて、ただただ儀礼的な流れに乗ってされるがままに過ごしている。夜になり「床入りの儀式」で初めて二人が近づき、速攻ベッドのある部屋に入れられる。ここで初めて花嫁花婿それぞれに焦点が当たる。「二人が交わった証がシーツに残らないと婚礼を終えられない」という個人の尊厳全無視の風習は衝撃的だが、かつてどこでもそう珍しくなかったのでは(いまも?そういや『ぼんち』で姑らが汲み取り便所を覗き込んで嫁の月経が止まったか確認するえげつないシーンがあった)。集落や部族の存続=生殖なのだから。
花婿が緊張のあまり誤発してしまったのか(はっきりとは示されない)落ち込んでなかなか目的が果たせず、やきもきした家族が侵入し「客が帰れない」と急かす。個人の尊厳の無さや家父長制以前に、男性が挿入し女性の体内に精子を出すという性交のメカニズムそのものが圧倒的に男性主導だなーと改めて思った。男性さえ問題無ければ、そして男性の配慮が無ければ、女性は嫌でも痛くても挿入される。その逆も男性の事情しだい(それで責められるのはおそらく女性)なのだ。そのあともただ茫然とする花婿を尻目に、自らを傷つけて偽証する機転を利かせるのは花嫁の方。

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