ナショナル・シアター・ライヴ「メディア」の作品情報・感想・評価

ナショナル・シアター・ライヴ「メディア」2014年製作の映画)

National Theatre Live: Medea

上映日:2021年07月09日

製作国:

上映時間:99分

4.0

あらすじ

「ナショナル・シアター・ライヴ「メディア」」に投稿された感想・評価

ぷーこ

ぷーこの感想・評価

5.0
日本人でこれほどまでの技術とリアルと苦しみ怒りを表現出来る女優がいるのだろうか?

ハリウッド女優が何故これほどまでに実力者揃いなのかは…普段から俳優としてのトレーニングを欠かさずに訓練して用意しているからである
レベルが違いすぎる

生きていた彼女の姿を観るべき作品である
緑青

緑青の感想・評価

3.9
主演役者に永遠の拍手を。全身全霊で烈しく「メディア」だった。耳と目から、彼女に対する理屈ではない理解が押し寄せる。美しいすらりとしたドレスに見えるパンツスタイルの衣装の美しさよ。
s

sの感想・評価

4.0
演者がひたすら大変だなと思い調べていたらヘレンが4月に亡くなっていた。こうして人の素晴らしさを後から知るのは勿体なくてむず痒い気持ちになる

女は夫や子供に弱いなど、現代にそのままやるには少しアレンジが必要な物語で(倫理観というよりは話の理屈の理解がし辛くなっていく気がする)脚色はもちろんされていたけど、そもそも現代にはない王族の話なので現実的すぎる描写にすると混乱するし、その辺の塩梅が難しい作品だと思います 記念撮影は笑った NTLのコミカルセンスは信用してます
toro

toroの感想・評価

-
禍々しい舞台。ヘレンマックロリーは鬼気迫った演技だった。
知識もなく初めてギリシャ悲劇に触れたせいかもしれないが、現代の感覚では追いつけない心情も多く、直後はただ呪いの場を見せられたような感じだった。
時間を置いて振り返ると、そのような場を見られたことが、反転して不思議な安心感を生んでおり、演劇って奥が深いなあと思っています。
葛

葛の感想・評価

4.8
高校の頃からエウリピデスが大好きでした。名前がかっこいいからです。保険の授業中に読む二段組の全集はただの文字でした。メディアが自らを裏切り王家の娘と再婚する屈強な黒人の男ジェイソンに最も苦痛を与える為に互いが最も愛する息子2人を殺して復讐を完遂し神々の都市へ帰ってゆく姿は現実でした。まだ生きている2人の息子の姿を父親に見せつける時の自撮りのシーンがまだスマホじゃなかった2014年。
初NTライブ
すげえぇ……

これ、2500年前に作られたストーリーなのか……
最初から最後まで共感は出来なかったけど、めちゃくちゃ考えさせられた。
主演のヘレンマックロリーさんが終始怖かったけど、カーテンコールで出てきた時のお顔綺麗すぎて演技力……
e

eの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

初めてのNTLiveはMedeaでした。理由は、ようやく時間ができたときにちょうどやっていたからなんですけど、これが意外と面白かった。

この作品の原作は紀元前431年まで遡るエウリピデスによるギリシア悲劇。そんなことを全く感じさせないほど本能に訴えてくるような力強い作品でした。
とにかく濃密!密度と重量がすごい!亡くなってしまったというヘレン・マックロリーさんの演技のエネルギーがすごい。エネルギーの放出と言うより、エネルギーが内側から搾り取られて消耗していくような感じの迫力が凄まじい。時間にすると90分ほどだけど、あの熱量がこれだけの時間持続するの恐ろしいです。きっと復讐心から湧き出るものなのでしょうけど…。

セットや衣装は現代的でありながら、どこかギリシャ感のある白いワンピースや、暗くて気味の悪い森が出てくる。始め、メディアは気が狂ったかのように泣き叫び呪いの言葉を喚きまくっているのですが、その次はタンクトップ姿で歯ブラシで歯を磨きながら登場します。奥の洗面所の壁紙がボロボロで、家のデザインにもメディアの荒んだ心が表れていました。

この作品は、男性が女性に対して抱くミソジニー的な恐怖心を表しているとも取れるし、極限まで追い詰められる女性の苦しみが描かれているとも取れるような作品なので、舞台設定を現代的にすることで古代から現代社会まで続く後者の要素を引き立たせようとしたのかなと。原作の戯曲を知らないのでなんとも言えませんが、少なくとも製作陣はメディアの女性や外国人という立場を意識しているようでしたし。

逆にギリシャ要素を作り出しているのが、コロスの存在です。と言ってもギリシャ演劇を見るのは初めてだったので、あまり語れませんが神と対話しているような自分の内面で会話しているような場面が面白いと感じました。

内容的な感想ですが、わたしがあんなふうに世界から見放されたら、ただただ死にたくなって自分を殺すと思うんだけど、それがジェイソンへの復讐に向かうところにある意味強さのようなものを感じてしまいました。良くも悪くも自分自身ではなく、自分がジェイソンに与える影響が生きる糧になっているのでしょう、多分。
だからこそジェイソンの幸せや不幸のためならどんなことでも実行してしまうということにも繋がってると思うんだけど、最後はしっかり自分の罪を背負い、あまりの重みに押し潰されそうになりながらもよろよろと前に進んでいく姿には、突き抜けるように迫ってくるものがありましたね。

一方、メディアを捨てた張本人であるジェイソンがメディアに告げる言い訳は奇妙で印象的でした。曰く、「俺はお前を愛していて、お前のために王女と結婚するんだ!王女と結婚したお金で、お前と子どもたちに安定した生活を送らせてあげられる!事前に意図を伝えたとしても、お前は理解せず反対しただろうから、言えなかったんだ!わかってくれ!」
………………???
国王がメディア と息子たちを国外追放することを黙認していましたよね?
あまりにも矛盾たっぷりなのに、平然とペラペラと捲し立てる様子が謎でした。それが狙いなのでしょうけど。思わず笑ってしまいそうになりました。しかもメディアがわかったフリをしたら、すぐに安堵の表情を浮かべてキスをする。挙げ句の果てには突然、「息子たちは俺の最高傑作だ」というようなことを口走り始めます。物凄い神経の図太さでした。原作からかなり強調しているのかな?

メディアは計画のために、自分一人で国を出ていくから息子たちをコリントスで引き取ってくれと頼みますが、王と王女を殺した後に息子たちも殺します。ジェイソンは息子たちは俺の自慢だと繰り返し述べますが、やはりそれはプライドに基づいた愛情であって、無条件の愛には見えません。両親のどちらからも独立した人格として扱ってもらえず、セリフもないまま生命を絶たれる子どもたちの無力さも印象的でした。

何より、プロローグとエピローグで語る子守の女性。劇中ではずっと無言で、メディアを心配して言葉をかけようとするも制止されて何も言えないという場面もあることから、意識的に声を出せない状況に置かれた人物として描かれているようでした。それは身分のためかもしれないし、女性であるためかもしれないし、運命に手出しをできない目撃者として印象付けるためかもしれません。しかし、彼女が幕が下りる直前に観客に問いかける「どうすればこれ以外の結末はあり得たのでしょうか?」(ニュアンス)という言葉の重みが増していると感じました。個人的にはなくてもいいかなと思いましたが。

個人的には、誰にこの事件の責任があるのかな、ということを永遠に堂々巡りしながら考えてしまいました。
まず、ジェイソンは明らかにクズ男。でもそれで無実の子どもを殺すことが許されるのか?ということは、そこまでやるメディアがおかしい。だが彼女は異国の地で一人も味方がいない中、まだ実行してもいない罪の疑いのために一方的に国外追放を突きつけられている。精神的な援助やセラピーを必要としている彼女に差し伸べられる手や支援が不在していたために、追い詰められた彼女はこのような行動に走ってしまったのではないのか。いやいや、彼女は実の兄弟も殺している。もともと人を殺すことに躊躇いがないのだ。…しかし、それは愛したジェイソンを助けるため。では、メディアを利用しようと唆したジェイソンがやはり悪いのでは。いや、それでも…というように。

今は能天気なハッピーエンドなど見たくない気分だったので、重くてどっぷり沈んでしまうようなこの作品がかなり面白く感じられました。現代の社会問題と繋げようとしすぎてる印象はありましたけど。
うーん、もろ「昔!」ってかんじの作品。過去と現在だけで、未来を描いていないんだよね。個人的には未来が気になるけど、そもそもの台本が昔のものだからしょうがないか…

演出がすごいと話題だったが、個人的にはちょっと分かりにくいと思った。メディアが観客側を見ているとき、本当に観客を見てるのか、セットの2階を見ているのかどっちかわからなかった。

1番すごいと思ったのはライティング!あれだけ入り込んだセットなのに役者にしかライトが当たらないのは本当に計算し尽くされてるからできることだと思う…あとメディアの衣装が白のロンパースで歓喜!
俳優の圧倒的存在感と迫力がすごい。
演出はあまり好みではなかったが、個々の力がとてもすごかった!
人間の吠え声だな。あれが。
人ならざる人の声を今まで2回聞いたことがあるんだけど、一つは『アクト・オブ・キリング』の大虐殺者で、もう一つはこの作品のヘレンマックロリーです。
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