ナショナル・シアター・ライブ「十二夜」の作品情報・感想・評価

ナショナル・シアター・ライブ「十二夜」2017年製作の映画)

National Theatre Live: Twelfth Night

上映日:2021年10月08日

製作国:

上映時間:160分

ジャンル:

4.0

あらすじ

「ナショナル・シアター・ライブ「十二夜」」に投稿された感想・評価

 お下品な演出が多めだけど面白かった。喜劇ながら哀切な雰囲気が漂う締め方は、人生に対するシェイクスピアの諦観の現れだろうか。実際にオリヴィアと執事が可哀想だし。オリヴィアはこの結末に納得したのだろうか。常識的に考えると、それは難しいだろう。たとえ容姿が瓜二つであり、ヴァイオラが兄を演じていたとしても、やはり別人だろうから。オーシーノのしても、あれだけ夢中だったオリヴィアからあっさりヴァイオラに鞍替えする。2組のカップルの成立で終わるこの「大団円」は、どこかしっくりこない感じを与える。初期の喜劇『真夏の夜の夢』にも見られた、愛という混沌に対する結婚という制度=秩序の優位性を是認する態度が復活し、しかしそこにシニシズムが垣間見えるのだ。

 また、この作品の興味深いところは、男装した主人公が女性に惚れられたり、その女性に恋する男性に惚れたりし、暗に同性愛的な雰囲気があるところだろう(当時はどの役も男性や少年が演じていた)。もちろん、最後には全てが明かされ、人間関係は「正常」に戻されるが。ちなみに今回観た翻案では、脇役のキャラ付けに変更を加えることで、よりハッキリと同性愛色を打ち出していた。ただ、同じNTLの『真夏の夜の夢』にも同様の変更がなされており、ワンパターン化の疑惑を抱かせる。創意ある解釈というよりは、昨今のポリコレ風潮への安易な追従に思えてしまう。

 異彩を放つ道化のフェステのことも忘れてはならないだろう。オーシーノとオリヴィアの邸宅を行ったり来たりして平然と顔を出す彼女は、一体どのような身分だったのだろうか。結末といい本作には不可解な点が多く、当時のイングランド社会の事情に通じていないと十分に理解することはできなそうだ。
なーこ

なーこの感想・評価

4.4
サイモンゴドウィンの「NTL 人と超人」がめちゃくちゃに面白かったので鑑賞。

まず、初めのワンシーンから凄かった。
船の遭難を劇的にしたいというインタビューのまま、階段が船に見えるのが初めての経験できっと一生忘れない。
階段から転げ落ちる人、人、手すりに捕まってるけどああ….。

ナショナルシアターの舞台芸術装置たちは毎度凝ってて、今回はこの階段が中心となって舞台が動く設定。階段の外には扉があって、中には部屋や庭。噴水まで!
衣装もかなり現代で、青いスーツめちゃくちゃ好みだった。「十二夜」のテーマのひとつであるセクシャリティーが衣装にも現れていて、ユニセックスなデザインが目立つ。途中からドラッグクイーンとか出てくるし。

生演奏も最高におしゃれでサントラ欲しいレベル。

シェイクスピアは何回も舞台化されてていろんな方面からの視点があるけど、ここまで現代に近づけてリアルにできるのはすごい。これは現地に観に行きたかったなあ。
きび

きびの感想・評価

4.3
戯曲だけ読んでいたらたぶん、ふーん、で終わっていたと思う。
演出家の演出、着眼点でこんなに面白くなるんだと驚いた。
ぜひ見てほしい。
tarch

tarchの感想・評価

-
原題:Twelfth Night
製作年:2017年
上映時間: 197分
原作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:サイモン・ゴドウィン、
   ロビン・ラフ(共同監督)

原作は岩波文庫で所有。ぶっちゃけ本で読むより断然面白く、飽きずに最後まで観られた。(私の読書力が足りないというのがあると思うのと、翻訳によっても結構違う印象あり)

NTLでシェイクスピアの作品はいくつか観てきていつも思うのだが、英語がちゃんと分かれば〜!!と思う。
NTL、シェイクスピアの作品に限らず、映画でも何でもそう思うのだが、特にシェイクスピアの原文に関しては、韻文が特徴でもあるらしいから、その情緒を味わえたり、どこまでどう脚本で使われているのかとかも分かれば、もっと深く楽しめるだろうに、と思う。

しかし、英語が分からなくても、ストーリー自体が複雑に構成されていて、それだけでも十分楽しめるようになっている。1601〜1602年頃に書かれたとされているが、400年以上経っても演じられるシェイクスピア作品はその辺本当にすごいと思う。演出の仕方もかなり幅が効くだろうから、演出家の力の見せ所でもあるだろう。(役者もとても大変だろうが)

1600年代当時は、役者は老若男女問わず全員男性が演じるということから、ヴァイオラ(シザーリオ)役には、観客が混乱しただろうという事もあるそうだ。たしかに初見でストーリーも知らなかったら、訳分からなくなりそうかも。笑

結構全体的に衣装が可愛くて、個人的にはマルヴォーリオ(ア)の変身後の衣装、ちょっとオシャレ感あって、そこまで衣装が狂った様には見えなかったけど!笑
下田景樹さんか、今いくよくるよのくるよ師匠バリのクレイジーさが欲しかったと思うのは私だけか??
まぁあの衣装を、もし男性が着てたらヤバいけども!

しかしまぁ円形回転劇場をフル活用して、お金かかってんだろうな〜!と思いながら観てた。笑。そして3時間超えだけど、あっという間に終わった。
演劇かっこいいってなる。
めっちゃ笑えるし面白いんだけど、
夏の夜の夢とかお気に召すままとかみたいに明るいだけの気分で終わらない。
みんなめでたしめでたしなのに、マルヴォーリアだけが救われないのかなりキツイなあ。。(演出でも目立たせてたしね。)でも、そこがいいね。人生の哀愁。。苦い後味のもの、きらいじゃないのよね。
公爵のやけにかっこいい浮世離れしたバンドみたいな衣装とか、いかがわしい宿屋のネオンとドラァググイーンの感じとか、道化をかっこいい女優が演じてて歌が上手いとか、現代的な演出がいちいちかっこいいし面白かったー。
とにもかくにもマルヴォーリア!最初片桐はいりみたいな感じと思ったけど、日本だと誰がやったら面白いのかな。
古今東西の「恋」「勘違い」「コメディ」の原型なんでしょうね。勉強になるし、400年前に書かれたものが、自由な演出を加えられてるとはいえ、こんなにも面白いのが凄い。もっと古典に触れよう。
りりせ

りりせの感想・評価

4.0
NTliveでシェイクスピア観るの、『真夏の夜の夢』ぶりだけど、こちらも最高に良かった。

やっぱりシェイクスピアの言語の響きで泣かせるのは英語だけなんやな…

コメディ仕立てながら、ところどころ愛の苦しみを訴える様が響くのは、役者の上手さとやっぱり音の美しさだなぁと思う。

性別改変のマルヴォーリアは、かなり可哀想なまま終わるけど、本来の自分を取り戻した後で、罪と罰の先に未来はあるのだと解釈した。

再会のシーンとラストのマルヴォーリアで号泣しました…3時間あっという間だったな…
T

Tの感想・評価

4.3
めちゃめちゃ笑いました。今までどうして見てこなかったんでしょう。

原作読まずに鑑賞したんで、Malvoliaの性別が逆転してたことすら気づかず鑑賞したんです。全体を通してあんなに面白かったのに最後だけやけに可哀想でどんよりしてて、おぉこんな感じなんか、、と思ってたけど男性版の時はもっと最後まで笑えるみたいですね。なんか勘違いしてみんなに遊ばれてるところとか、(女性差別じゃないんですけど)やっぱり女性がやると見てられへんのよなぁ、痛々しくて気の毒に思ってしまう。
ただこればかりは男性バージョン観てからじゃないとなんとも言えない。

ちなみに私はOliver Chrisが好きなんですよね。
①2021.10.18☆3.8@シネリーブル池袋

何百年も前に書かれ、何千何万回と公演され続けてきた芝居が解釈次第でいくらでも新しくする事が出来る事に驚きと可能性を感じる。マルヴォーリ“ア”。
ラストのオリヴィアの表情。

やっぱり文化の違いからかジェスチャーが多いけれどそれが全くうるさく感じずに成立する。ラストの皆が舞台上にいる時の配置と動き。
勝也さんの言っていた「そこにいるだけでいい」がよく分かる

あの綺麗な装飾された言葉を自分のものに出来たらどれだけ楽しいのだろう。
Haruka

Harukaの感想・評価

4.3
シェイクスピアとは思えないような演出で、繊細な音楽と斬新なセット、俳優さんたちの素晴らしいお芝居全てが最高でした
もちこ

もちこの感想・評価

5.0
女優でもこんなに面白く出来るんだと感心してしまった…素晴らしかった…
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