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『ある詩人』に投稿された感想・評価

ギルド

ギルドの感想・評価

4.3
【功利/資本主義に抗う詩人の奮闘劇】【東京国際映画祭】
現代を生きる詩人が権力に抗って処刑された19世紀の詩人に思いを馳せるヒューマンドラマ映画。

デジタル作品(映画、ゲーム、テレビ)や功利/資本主義に呑まれる中で生きる詩人の抗うお話。
どこか見えない事で逆に怖い恐怖であるとか、遥か上の存在にいる偉人たちを捉える描写とか、ホールのどこか寂れた描写とか魅力的でした。

ダルジャン・オミルバエフ作品は初めてですが偉人の出来事を推測しつつも自分事のように捉えたり、国や文化への愛や憂いを表現するのは素敵でこうゆう映画を見れて良かったです。

そんな硬派気味な作品ではあるものの、某YouTuberのオフ会0人みたいなシーンや家電コーナーでオタクがPCいじってネットサーフィンする的なクスッとなるシーンもあって様々な色合いが存在する良い映画だと思います。
[俺は俺のスタイルを曲げないぞ] 60点

どの作品を観ても同じような作品に見えてくる映画監督界の中ボスクラスにいるのがオミルバエフだが、今回も昔の作品から引用してきている。『ザ・ロード』で映画監督が理想の脚本を妄想している時に頭の中を覗くような映像が挿入されていたが、本作品ではカザフスタンの詩人マハンベトについての挿話がそれに相当する。殴られている場面を直接的に見せないという演出は、マハンベトについてより暴力的に行われる他、主人公が夜中に起きだすと通りでリンチ紛いの喧嘩が行われているのを目にするシーンが登場、また、『ザ・ロード』や『July』における満杯の劇場と対比させるように空っぽの劇場が登場するなど、過去作を匂わせている部分も多い。欲望を具現化するような夢オチシーンも登場し、平常運転であることが伺える。興味深いのは良くも悪くも"同じ場所に留まり続けること"が本作品の題材になっていて、おそらくずっとスタイルを変えていない自分自身をある程度反映させているのだと思われるが、8月あたりに私が騒いでたことが届いちゃったんじゃないかと申し訳ない気持ちになった(そんなことはないが)。ちなみに、私は途中でシャルナス・バルタスの諸作品とようやく繋がって腑に落ちた。バルタスもまた、延々と自作の縮小再生産を繰り返している監督に見えるので。

本作品の主人公は詩人の男である(名前を忘れた)。100年後には消滅してしまうであろうカザフ語で創作活動を行いながら、その成果が報われないことを悔しく思っている。同期で一番優秀だった男はカフェ経営に転向し、自分も金になる本を書くことを勧められ、状況を憂慮する先輩詩人たちは"詩人は時代が必要とした時に生まれる"などと流暢なことを言っている中で、自分が本当にやりたいことを貫けるかというのが主題となる。彼の存在の古臭さは妻や子供がスマホやゲームを使うのに対して、ペンやラジカセを使っていることからも視覚的に示され、家電量販店のテレビを"自分色に染め上げる"という控えめに言ってクソダサい妄想でも提示される。この新しい時代へ迎合せずに古い時代へしがみつくというのが、冒頭のオミルバエフのスタイルと密接に絡み合っており、空っぽの劇場で"一人でもあなたのファンなんです!"という女性の声を証拠に、"一人でも私のファンがいるなら私はこのままで行きます"という宣言を主人公を通して行っているのだ。

主人公が思いを馳せる19世紀の詩人マハンベトは、当時の権力に歯向かって殺された人物である。彼の物語は彼の遺骨を巡る物語として時代を超えて受け継がれるが、あれほど英雄のように讃えられていたのに遺骨の扱いが結構雑で、そこにオミルバエフの達観した視点が見えたように思えた。

誰か分からない人の結婚式ビデオを延々と見せられるシーンが一番面白かった。
lp

lpの感想・評価

4.0
東京国際映画祭にて鑑賞。

コンペ3本目はカザフスタンから『ある詩人』!そしてこれがメチャクチャ良くできていた!

現代を生きる「詩人」と、過去の「伝説の詩人」の半生が交差する。ドラマとしてはスタンダードな設定ながら、「詩」の文化が先細る現状を、現代の格差社会や文化の多様化と併せることで、一般化しつつ外堀を埋めながら描くので、作品のドラマとメッセージが高密度で迫ってくる。この点で舌を巻く。

一点だけ、ストーリー後半で思いっきり主人公の心情の核心に迫りながら、その一歩手前で撤退した点に「おや?」と思ったのだけれども、よくよく考えると明確な結論を回避したことは、オミルバエフからの「自分の頭で考えろ」というメッセージ(ある意味では警鐘)と解釈できる。
実際に今作の届け先が、一部のシネフィルのみ・・・となっしまったら、不発だろうけれども、気概としては大いに「あり」だ。

今作はカザフスタンの「詩」が題材であったけれど、昨今の映画業界、特にミニシアターや映画祭界隈には到底他人事ではないはずなので、そんな作品を東京国際映画祭で観られたことはありがたい限り。満足!

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