ある詩人の作品情報・感想・評価

「ある詩人」に投稿された感想・評価

いや全体的に詩人をあつかってるのに、話がストレートすぎるよ。そんな説明を冒頭にさせるなら、この展開のさせ方はひどすぎるでしょう。詩人が今の社会が生きにくいというのは分かったよ、で、なんなんだよ。問い自体を深化させる目的なら、もっと撮影がんばらないと、なにもポエティックに見えない。撮影も学生かよというクオリティ。カメラ据え置きで撮りたいのはわかったけど、切り替えすぎだし、いらないカットが多すぎる。タルコフスキー尊敬するのはいいけど、申し訳ないが評価する以前の問題かと思ってしまった。伝説の詩人ムハンマドがどんな人物なのかには興味を惹かれたが。過去世界のシーンはとても力を入れていたが、現実世界との関係が釈然としないなあ。
haruka

harukaの感想・評価

3.0
芸術と文化と資本主義と矜持と
んん〜 過去と現在が繋がっていないようで役者やキャラや関係性、文化と社会構造の関係なんかが重なるのは面白かったんだけど ちょっと退屈すぎた tiff2021
yontanu

yontanuの感想・評価

3.5
東京国際映画祭2021

悪くないねんけど思ってたより普通やった
出てくる詩は素敵
資本主義に抗う芸術家の苦悩
昔と現在の交差は楽しかったけど、いかんせん展開に変化がなさすぎた
haru

haruの感想・評価

-
初のカザフ映画。詩を題材にしてるけど、これはすべての芸術文化に言えることだと思う。
今後、子供たちや若い人たちに、どうやったらいい映画を届けられるかっていう監督の考えがとても良かった。推せる。
日本の映画監督でこういう考え持ってる人っているのかね?
Naoya

Naoyaの感想・評価

1.9
詩人の男は、朗読会の講演の依頼で出かける最中、本を読み、権力に抗って処刑された19世紀の詩人に思いを馳せる。ヒューマンドラマ作。現代の詩人と昔の詩人をそうさせる物語があり、現代と過去の繋げ方は印象的だが、緩急の弱い展開と詩的な演出とで見応えが薄く感じてしまう内容。独特な表現だが、詩が題材にあるからか説明過多でもあり、人々の物語に移入しずらさがある。表現の斬新さはあるが、娯楽は薄い。詩そのものの良さは感じにくい。

このレビューはネタバレを含みます

字幕翻訳 佐藤恵子さん
現代社会で文学やその国特有の言語が廃れていく不安に苛まれる詩人と、19世紀に権力に抗い処刑された詩人、両者の苦しみが重なり、交錯しながら物語は進んでいく。

シリアスながら随所にシャレが効いていてクスリと笑えるところもある。
地方の文化会館みたいなところでたった1人のお客さんである少女が一生懸命語るところでは思わず涙が出そうになった。
過去と現在のキャラを多くの同じ役者が演じているのも面白かった。

いつの時代も崇高な芸術家は苦労するんすね。音楽家も画家も。
言語や文化って儚い。

ちなみにエンドロールのバックが汽車の音っていうのも好きだった。
メラ

メラの感想・評価

4.3
【功利/資本主義に抗う詩人の奮闘劇】【東京国際映画祭】
現代を生きる詩人が権力に抗って処刑された19世紀の詩人に思いを馳せるヒューマンドラマ映画。

デジタル作品(映画、ゲーム、テレビ)や功利/資本主義に呑まれる中で生きる詩人の抗うお話。
どこか見えない事で逆に怖い恐怖であるとか、遥か上の存在にいる偉人たちを捉える描写とか、ホールのどこか寂れた描写とか魅力的でした。

ダルジャン・オミルバエフ作品は初めてですが偉人の出来事を推測しつつも自分事のように捉えたり、国や文化への愛や憂いを表現するのは素敵でこうゆう映画を見れて良かったです。

そんな硬派気味な作品ではあるものの、某YouTuberのオフ会0人みたいなシーンや家電コーナーでオタクがPCいじってネットサーフィンする的なクスッとなるシーンもあって様々な色合いが存在する良い映画だと思います。
せっ

せっの感想・評価

4.0
廃れていく文化と商業主義とデジタル化とそれでも文化を守ろうとする詩人の話。

駅のホームのスマホの広告が流れる下で1人本を読む詩人、ブラウン管のテレビで流れるディジタルコンテンツの宣伝、液晶テレビに流す現代の詩人の必要性に答える主人公のインタビュー。この対象が皮肉効いててよかった。

極めつけは人のいない地方で豪華な家に住みながらも昔の結婚式(?)の映像を嬉しそうに見る夫婦よ。
上旬

上旬の感想・評価

3.0
東京国際映画祭コンペティション部門
これ本当に今日観たよね?ってくらい憶えてない。印象的なシーンはいくつかあったんだけどなんとなく全体的に安っぽく感じたのはなぜだろう。

独自の文化を守ろうっていうメッセージと、幸せってなんだろうねっていう提示は分かる。

ただ、さしたる演出的特徴もなければ美しい絵になるシーンもそんなになく…

メッセージや詩は素晴らしいと思うけど、映画的に何か突出したものがあるかというと別に…という感じ。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【広大な文学の地が失われる轍】
第34回東京国際映画祭コンペティション部門が発表された時、私は度肝を抜かれました。なんとダルジャン・オミルバエフの新作が選出されていたのです。ダルジャン・オミルバエフといえばカザフスタンのブレッソンとかタルコフスキーと呼ばれている伝説的な監督。トルストイの「アンナ・カレーニナ」を映画化した『ショーガ』はカイエ・デュ・シネマの年間ベストに選出されている。私も2021年に映画監督の不思議な旅路を描いた『ザ・ロード』とドストエフスキー「罪と罰」を映画化した『ある学生』に衝撃を受けて、2021年上半期ベスト旧作編に選出している。そんな彼の新作が三大映画祭をスルーして東京国際映画祭でワールド・プレミア上映されるとは市山尚三の選定眼に痺れます。

というわけで観てきました。

今年暫定1位の大傑作でありました。尚、ネタバレ記事です。

タルコフスキー『サクリファイス』の写真から、カメラは詩人の手、そして顔へと移動する。ゴニョゴニョと、音になる前の言葉をこねくり回しながら、彼は紙に詩を綴っていく。暗い部屋に光が差し、気がつけば朝がやってくる。そんな詩人の文学世界は資本主義によって破壊されようとしている。

オフィスで男たちが、資本主義と言葉との関係を議論している。96%の言語人口を足し合わせても全体の3%に過ぎず、常に淘汰されている。カザフ語も衰退の一途を辿っており、そこでカザフ語による詩を綴ることに意味があるのかと嘆いている。

売れない詩人は、講演の依頼を受けて旅に出る。その過程で彼が本を読むと、本の世界が広がる。読書を通じて、時や空間を超越できる。閉塞感ある詩人の生活パートと対極的に、広大な土地で人が殺され、その死の痕跡が時を超えて人から人へと継承されていく過程が描かれているのだ。

ダルジャン・オミルバエフファンはお察しだろう、これは『ザ・ロード』の焼き直しだと。『ザ・ロード』では、二流の映画監督が旅する過程が描かれている。その中で、上映イベントに行くがトラブルに巻き込まれるというシーンがあるのだが、本作でも同様にホールで哀愁漂うトラブルに主人公が見舞われる。その横で、映画監督が妄想する映画のワンシーンが流れる。つまり、『ある詩人』では『ザ・ロード』における映画の要素が小説に置換されているのだ。そこへ、『ある学生』にあった、群衆の覗きのショットや不気味な夢侵入描写が組み合わさる。ダルジャン・オミルバエフ監督が自身の文法をブラッシュアップしている作品と言える。

今回、明確に上記2作品と異なるのは、デジタルデバイスとの関連性である。グーテンベルクが活版印刷を発明して、文章で人々の心を動かし、思考の幅を拡張させてきたが、今や人々はスマホでゲームをしたり短い動画を観たりしている。小説や詩の世界に潜り、仮想的な広がりに身を投じることを忘れてきてしまっているのではないか?言葉が失われ、言葉によりいくらでも広げていける世界が侵食される中での足掻きをアキ・カウリスマキ映画のような哀愁の中ユーモラスに描く。

中でも、キャディラックのディーラーに仕草で見下された帰りに、靴を買う。その後、家電量販店で自分の講演の動画を大量のテレビモニターに映し、警備員に追われる場面が非常に面白い。よくよく、主人公の靴を見ると、車屋に寄った帰りにボロい靴を捨てているにもかかわらず、家電量販店ではその靴を履いているのだ。黒沢清映画のような、無機質な警備員の動きがそこに加わることで、これが主人公の夢だと分かる。ヌルッと現実に侵食する夢描写であるのだが、緻密なヒントが隠されており、その遊び心にニヤついてしまう。

『ザ・ロード』と一緒じゃんとか、詩を高尚なものとして捉え過ぎ問題とかありますが、オミルバエフのユニークな間の中でぼやかれる資本主義に呑まれていく中での足掻き、しかと受け取りました。
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