わちさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.8

ネタバレを気にすると「妻が行方不明になる映画」以上に説明しようのない、自分も大好きなフィンチャー監督お得意のサスペンス。
サスペンスとは言っても、妻の日記と併せてストーリーが進むことでその大枠は何とな
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メビウス(2013年製作の映画)

3.0

キム・ギドク監督の描く、性器をめぐる家族+1人の顛末を描いた映画。
“切り取られた息子”から崩壊していく家族、そして終盤の家族がメビウスの輪のように捻れて繋がるというプロットは面白いが、明らかに安く撮
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イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

3.0

ナチスに家族を殺された女性と、ナチ狩りのプロであるバスターズの交錯していく様を描いたタランティーノ監督作。
良くも悪くもラストに掛けてどんどんエンタメ化していくのに、結局バスターズあんま活躍してなくね
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MUD -マッド-(2012年製作の映画)

3.5

いまをときめくマコノヒー兄さん演じる謎の男と少年の交流を描いた映画。
恋人を一方的に思い続けるマッド、離婚寸前の両親、そして自身の背伸びした恋愛を通してメインで描かれるのは「14歳のボクが精神的にちょ
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ウィズネイルと僕(1988年製作の映画)

3.5

60年代末期のイギリスを舞台にしたバディムービー。
背が高くスラッとしたドラキュラみたいな風貌の変人ウィズネイルとナヨナヨした僕との、売れない役者コンビの掛け合いが終始楽しませてくれる。先の見えない生
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.3

食糧難に陥った近未来を舞台にしたクリストファー・ノーラン監督のSF最新作。予告編の時点で溢れるアルマゲドン感に不安を募らせながら観たものの、さすがはノーラン、その不安を見事に吹き飛ばしてくれる傑作だっ>>続きを読む

ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)

3.8

不感症となったジョーが次第に倒錯していく様を描いた後編。
これぞトリアーと言った展開が続く後編だが、それでもセックスシーンがどこか滑稽なのは前編と変わらない。その分、不感症・婚約・出産を経てより剥き出
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.5

世界の各都市を走るタクシーの一夜を追った五編のオムニバス。
ほとんどがタクシーの車内でのくだらない会話劇なのに、登場した瞬間からわかる一癖も二癖もある運転手と乗客の人間性がその数十分の間で垣間見えてめ
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青い春(2001年製作の映画)

4.0

今となってはなかなか豪華と言えるキャストたちが多く出演している青春映画。
生きる目的が見つからず、度胸試しや破壊活動にしかエネルギーを向けられない高校生たちがTMGEの楽曲に乗せて描かれていて、もはや
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レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

3.5

画面を左右に分割したり、早回ししたり、幻覚を表現したり、特徴的な映像でドラッグに溺れていく4人を描いた映画。
ひたすら堕ちていく若者3人は擁護はできないものの、ただ幸せになろうとして行動する姿にドラッ
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真実の行方(1996年製作の映画)

2.8

大司教の惨殺事件の犯人とその弁護士を描いた映画。
エドワード・ノートンのデビュー作で、評判もいい映画だったが、弁護側検察側の巧みな応酬やその裏事情やヤメ検と検察との元恋人の関係、さらには側精神鑑定の曖
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.0

戦時下の個人の感情と組織としての義務との葛藤を、日本軍と米軍の捕虜を通して思い切り個人に寄った視点で描いた作品。
戦争映画ではあるものの戦闘シーンは一切なく、映像で物語られる人物達の葛藤は見応えがあっ
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ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)

-

ラース・フォン・トリアー監督の4時間超の大作の前編。
色情狂の女性ジョーがその半生を薀蓄オジサンに語るかたちで進んでいくが、その2人のやりとりもジョーの半生もどこか滑稽に描かれていてトリアーなのにあま
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松ヶ根乱射事件(2006年製作の映画)

4.3

新井浩文・山中崇という脇役コンビを主役の双子に据え、日本のとある田舎の閉塞感の中で現れる醜さを時に滑稽に時にシリアスに描いた映画。
オマージュ元である『ファーゴ』を先に観た上で鑑賞したが、あからさまに
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悪童日記(2013年製作の映画)

3.0

戦時下の過酷な状況に振り回されながらも強く生き抜くことを決意した双子が“悪童”になっていく姿を描いた、ハンガリーの作家のベストセラーの映画化。原作は未読。
よくある戦時下の“可哀想な子供たち”ではなく
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トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

3.8

高まる期待を胸に普段行かない映画館までわざわざ足を運んで初日に観てきた、グザヴィエ・ドランの4作目となるサイコサスペンス。
ジメッとした田舎の農場でのホモフォビアに因る暴力が緊張感ある映像で描かれてい
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誰よりも狙われた男(2014年製作の映画)

4.0

映画としては劇場で観るほどの期待度ではなかったものの、フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作となってしまったこともあり映画館まで足を運んだ。
結論から言うとハードルは低かったものの期待を上回る佳作でかな
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接吻(2006年製作の映画)

3.8

一家殺人の犯人に一目惚れする小池栄子の、まさに怪演が観られる映画。
トヨエツの孤独や疎外感、理解してもらえなさに一方的に共感し、その想いを押しつける小池栄子のある意味“生き生きした眼”が恐ろしくも悲し
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.5

『松ヶ根乱射事件』の元ネタということでこちらを先に鑑賞。
明らかに雑な計画である狂言誘拐をめぐるクセのある人物たちの顛末が、グロさも含めたブラックユーモアを交えて描かれていて良くも悪くもクスッとくる軽
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レッド・ファミリー(2013年製作の映画)

3.8

キム・ギドクが脚本・編集を担当した、家族のフリをした北朝鮮の工作員とバカ隣人家族の繰り広げるコメディのようでコメディじゃない映画。
幸せそうな一家を演じる工作員たちが、安っぽいTVドラマに出てきそうな
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テロ、ライブ(2013年製作の映画)

3.8

ラジオのスタジオのみで繰り広げられる手に汗握る正統派サスペンスながら、自局の利益を優先する報道機関や政府に対する批判的な描写も効いていてドラマとしても見応えあり。特に警察庁長官のクズっぷりは思わずテロ>>続きを読む

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.0

盗んだプルトニウムから原子爆弾を自作して政府を脅すという、期待に違わぬぶっとんだ内容で、一応点数は付けたものの減点しまくり加点しまくりで評価に困るが魅力的な映画。
取っ組み合いも撃ち合いもカーチェイス
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トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)

3.5

実際に起きた聾学校での性的虐待事件を題材にした韓国映画。
この事実を映画にする意気、コン・ユの演技や加害者側の気持ち悪さは素晴らしいが、題材が題材だけにめちゃくちゃ胸くそ悪くなる映画で、本作が悪いとい
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.8

パルムドール・アカデミー三冠などを獲得し評価の高い、19世紀を舞台に失声症の女性の恋愛を描いた作品。
海辺でピアノを弾くシーンや出ない声の代わりに弾かれるピアノの旋律など、美しい音楽と映像が印象的な映
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FORMA(2013年製作の映画)

4.5

いやー!凄かった!今年観た映画の中でも暫定1位かな、というくらいの衝撃。

冒頭からミヒャエル・ハネケのカメラワークに黒沢清の色彩が合わさったようなスタイルの映像の長回しの連続の中で、かつて同級生であ
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.0

生々しい日本の家族を撮らせたら日本一というか自動的に世界一の是枝監督作品の中でも一番よかった。
血のつながりが無い者同士の軋轢はもちろん、結局は別々の人間であるかぎりは血のつながりがあるからこその軋轢
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.3

子供が出生の秘密を探るという割とよくあるタイプの映画だが、メインはレバノン紛争に翻弄されながらも自分を貫き、子への愛情を貫いた母の姿。次々に明らかになる事実に散々ダメージを食らわされた挙句「1+1」の>>続きを読む

オアシス(2002年製作の映画)

4.0

語彙が無さすぎて申し訳ないがこれは本当に凄い映画だ。
ひき逃げで刑期を終えて出所した男が重度の脳性麻痺の女性に恋をするというストーリーだがそこは韓国映画、単なるロマンスでは済まず、互いに過剰に家族や親
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NO(2012年製作の映画)

3.5

チリの独裁政権の信を問う選挙のキャンペーン合戦を“NO”側から描いた映画。
古いビデオカメラで撮ったような荒い映像の中で、当時の映像を挟みながら写し出される体制/反体制のやりとりは緊張感があるが、あく
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TOKYO TRIBE(2014年製作の映画)

2.8

エンタメ絶賛量産中の園子温監督の「バトルラップミュージカル」。
想像以上に中身がスッカラカンなR-15アクション映画で、正直レビューを書く意味もない気がする笑。
もちろん作りこまれたセットの醸し出す世
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HANA-BI(1997年製作の映画)

4.5

完全に食わず嫌い状態だった北野武監督作をようやく鑑賞(99年の公開当時に『菊次郎の夏』を劇場で観ているので一応"初"ではない)。
最低限の台詞と語りすぎない映像の中でも不器用な男の愛情や後悔の念が垣間
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永遠の僕たち(2011年製作の映画)

4.0

加瀬亮が日本兵の幽霊役(!?)で出演しているガス・ヴァン・サント監督の作品。
いわゆる"余命モノ"でしかも主役たちは美男美女のカップル…なのに全然鼻に付かないのはあくまで看取る側であるイーノックの再生
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.5

クエンティン・タランティーノ監督のデビュー作。
時間シャッフル、無駄話、魅力ある人物たちとパルプフィクションと同じような方法で、明らかに低予算感がありながらも魅せる映画。ほとんどが倉庫内での会話劇であ
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第9地区(2009年製作の映画)

2.5

B級風社会派ドラマを期待して観たが思った以上に普通にSFアクションものだった。
難民のエイリアンという現実を基にした斬新な設定は面白いけど、個人的には、ここで描かれている状況に至るまでの過程が観たかっ
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フィッシャー・キング(1991年製作の映画)

4.3

先日のロビン・ウィリアムズの訃報を受けて、彼の映画のベストに挙げている人が多かった本作を鑑賞。
銃乱射事件の間接的な加害者と被害者の再生を、ファンタジックな演出を絡めながら描いた素敵な映画だった。事件
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贅沢な骨(2001年製作の映画)

3.3

行定勲監督の初期の作品。麻生久美子の今では見られない陰のあるキャラクターとつぐみの脱ぎっぷりとミキサー金魚の映像美。ぶっちゃけそれだけの映画だけど、結局みんな構って欲しいんだよなっていうのは良くわかる>>続きを読む