ピッツア橋本さんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.8

"カンヌを寄生した映画愛"


2019.11.7渋谷ユーロライブにて。
日本最速試写会にて鑑賞。しかもポンジュノ監督本人来場!

2019年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。
そして同年アカデミー
>>続きを読む

ヘンリー・フール(1997年製作の映画)

4.5

"RUN"

とある前科一般のムショ上がりの無法者ヘンリーフールが、ゴミ処理業の冴えない青年サイモングリムと出会い、彼の眠れる詩の才能を発掘していくという風変わりなドラマ。

主人公ヘンリーの野性味あ
>>続きを読む

燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘(2010年製作の映画)

3.3

2013年作のB級感溢れるカンフー映画。

右足を負傷したおじさん、右手を負傷した千葉真一似のおじさん、ひ弱なメガネパーマ男子、そして30年の眠りから蘇る老師が主なカンフー使いなのだけれども、どれもも
>>続きを読む

憎しみ(1995年製作の映画)

4.3

"オレらだって、それなりの言い分があるわけよ。多分"

フランス版トレインスポッティング、とでも言うべきクズい若者たちのしょうもない生活と行き場のない喧騒を描いたオフビートな90年代の青春ドラマ。
>>続きを読む

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

4.3

"美麗であれば、何でも出来る!ダァー!"

1970年代アルゼンチンで実際あったらしい超美少年の連続強盗殺人犯を題材にしたフィルムノワール。

主人公は1番近いところで言うとベネロペクルスに似てる気が
>>続きを読む

スキャナーズ(1981年製作の映画)

4.5

"scan your brain, scan your born透けて見えるぜ何もかもが〜♪"

「頭爆発してぶっ飛んだりする映画なんで、多分橋本さん好きだと思います」

と映画友達に薦められた一品。
>>続きを読む

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

4.9

"愛はここにある。みんないる。あとは勇気だけだ!"

ラッシュモア校で繰り広げられる思春期の高校生マックス君とお金持ちのビル・マーレイと、美人教師の三角友情恋愛を描いた青春コメディ。

自分が初めて観
>>続きを読む

細い目(2004年製作の映画)

4.2

"瞳の奥と眼差しの距離感"

『タレンタイム』を観てからのレビューです。
細い目=chinese eyesと訳すんですね〜。興味深い。

本作が同監督のデビュー作、タレンタイムが遺作なので、美しい蝶を
>>続きを読む

アップグレード(2018年製作の映画)

4.5

"stem with me"

美人社長の妻と豪邸と、車いじりの趣味を悠々自適にする主人公。
突如起きたカーアクシデント、からのギャング達に襲われ、殺された妻。一命を取り留めたが半身不随になった主人公
>>続きを読む

シンプルメン(1992年製作の映画)

3.9

"父を尋ねて三千里、の途中で恋に落ちる"

ハルハートリー監督のロングアイランドトリロジー三部作のうちのラスト。

上記コピー通り、ならず者2人が疎遠だった父に会いに行く道中で美女2人にそれぞれ恋に落
>>続きを読む

希望の灯り(2018年製作の映画)

4.4

"踊るフォークリフト。真夜中のダンスマーケットフロアー"

ドイツ映画。郊外の大型グローサリーストアに入社した全身タトゥーの訳あり青年の暮らしをオフビートに追った人間ドラマ。

舞台になる食品モールの
>>続きを読む

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

5.0

"神様。僕たちの歌と声が天まで届きますように"

マレーシアのとある町の、主に3つの家族の生活が濃密に交差する青春群像劇。

タレンタイム(おそらくtalent×timeの造語)という校内選抜の学芸会
>>続きを読む

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

4.5

"月に叢雲、島に風。君は雷鳴、僕の王宮"

ボーイスカウトの少年と家出美少女が駆け落ちして島中を逃げ回るボーイミーツガールな脱力コメディドラマ。
二度目につき、今回は日本語吹替で鑑賞。

実際にこの島
>>続きを読む

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

4.5

"想像して欲しい。もしムーミン谷をおわれたムーミンが現代社会に迷い込んできたら、果たして我々は彼らの存在を快く受け入れられるだろうか?"

ネタバレ一切せずにこの映画のレヴューって何を書けば良いんだ!
>>続きを読む

波止場(1954年製作の映画)

4.1

"彼は後のゴッドファーザーであった"

若き日のマーロンブランドが演じるテリーがギャングが仕切る波止場で不条理な運命に翻弄されながらも苦闘する青春社会派ヒューマンドラマ。

タイトル通り一応舞台は波止
>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.7

"笑いと叫びの表情は良く似ている"

ジョーカーがジョーカーになるまでのストーリー。
基本的には歴代の実写やアニメのバットマンなどに出て来た彼とは違う、アメリカンニューシネマのような陰鬱したフィルムノ
>>続きを読む

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

4.1

"夜寝る前に観ると良い感じの一本"

コーヒー&アル中の男2人の車に、女2人がヒッチハイクして始まる60分間のロードムービー。

キラッと光るリーゼント、車に備え付けのレコードプレイヤー、インスタント
>>続きを読む

星の旅人たち(2010年製作の映画)

3.9

"私は歩く。星になった君を追いかけて"

キリスト教3大聖地の一つ、サンティア・デ・コンポステーラ(星の平原、という意味)を目指して、遭難死した息子の意志を継いで父が代わりにゴールを目指すというロード
>>続きを読む

パリ、恋人たちの影(2015年製作の映画)

3.7

"ポエミーなモノローグとモノクローム"

ドキュメンタリー映画監督のイケメン夫とそれを支える美熟女妻がそれぞれ浮気したりして付かず離れずする話。

もうネタバレと言われるかもしれないけど、本当にこの要
>>続きを読む

炎628(1985年製作の映画)

4.7

"なぜこの少年に最後まで地獄絵図を見させ続けたのか"

ドイツ・ナチス軍の侵攻を受けた西ロシアの村落で繰り広げられた生地獄にフォーカスを当てた戦争映画。ロシア映画。

ちょっと銃(戦争)に憧れていた主
>>続きを読む

ウィズネイルと僕(1988年製作の映画)

3.6

"今よりもっと若者がだらしなかった半世紀前。その名も1969年"


役者を目指しつつ、タバコと酒とハッパに溺れるダラシない若者2人、ウィズネルと"僕"のバディムービー。

アメリカ、イギリス人には青
>>続きを読む

エセルとアーネスト ふたりの物語(2016年製作の映画)

4.9

"from youth to death with you."

イギリスの有名童話のアニメーション映画化。
第二次世界大戦を生き抜いた夫婦とその息子の話。息子はこの物語の原作者レイモンドブリックス。
>>続きを読む

ダージリン急行(2007年製作の映画)

4.3

"そうだ、疎遠な兄弟とインドに行こう!"

7〜8年ぶり2度目の鑑賞。
ファーストシーンで
「あれ?ビル・マーレイも列車にいたっけ?」
と思ったら、ああそういうことか!と思い出す。ウェスアンダーソンの
>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

5.0

"Light the truth together. Stay gold forever."

2019.10.4渋谷夜の映画祭にて鑑賞。

ヤンチャなイタリア系アメリカ人のトニーが高貴な"黒人"音楽
>>続きを読む

トラスト・ミー(1990年製作の映画)

4.1

“愛よりも信じて欲しい言葉がある”

優しい変人ハルハートリー監督が描く奇妙だけど何だか朗らかなラブストーリー。
彼の処女作『アンビリーバブルトゥルース』の姉妹作ともいえる構成。

高校生で妊娠し、も
>>続きを読む

ガスパール/君と過ごした季節(とき)(1990年製作の映画)

4.5

“強く明るく、清々しく生きる”

別れた嫁と家族への未練を引きずるガスパール、
孤児出身ゆえに誰彼構わず弱者を助けちゃうロバンソン、
そしてそんなバディに拾われたポンコツ可愛い老婆が織り成す、
彼らが
>>続きを読む

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

4.4

“ボウリング好きのリボウスキーさん”

とあるアメリカの田舎町。独身友達とボウリングを楽しみながら、フラフラ生活する無職の中年“デュード”リボウスキ。
ある日、お金なんて全くないはずの彼の家に強盗が侵
>>続きを読む

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.6

“愛しのスーパーヒーローは諸悪の権化?!”

小さい頃から両親に特撮ヒーロー番組“ブリグズビーベア”のVHSを見せ続けられてきたニート男。ある日、特撮シーンさながらに自宅にドッと警官が押し寄せて、両親
>>続きを読む

霧の中の風景(1988年製作の映画)

4.5

“父をたずねて三千里”
フランス人の幼い姉弟がドイツにいるはずの父に会いに行こうと奮闘するロードムービー。

これを巨匠テオアンゲロプロスによると実に緻密で数学的な構図の旋律でうっとりさせてくれる。
>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.3

“どうにも止まらない。でも、どこにも行けない”

高校卒業間際のソーラバーチとスカーレットヨハンソン、そしてその若さに振り回される中年スティーブブシェミが織り成す青春脱力コメディドラマ。

どうやらア
>>続きを読む

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

4.5

“何もせずずっと待ってた、愛しのおバカさん”

日本語吹替での鑑賞。
昔アニメーションで観た、聞いたプーさんとその仲間たちがそのまま実写化されている事に感動。
そんなフォーエバーヤングな彼らが、大人に
>>続きを読む

一瞬の夢(1997年製作の映画)

3.5

“一瞬の夢に転寝(上映中に居眠りしちゃいました)”

ある中国の貧民街で、泥棒などで小金持ちなメガネ青年の冴えない日常を描いた青春ドラマ。

の、はずだったけどほぼ寝ててあんまり詳細を覚えていない苦笑
>>続きを読む

LBJ ケネディの意志を継いだ男(2016年製作の映画)

4.5

“王なき後に、王座を守った男”
ジョンFケネディ大統領就任時に、副大統領だった男LBJ(リンダBジョンソン)
が大統領を継ぐ苦悩と軌跡を描いた自伝的社会派ドラマ。

JFK暗殺事件によってアメリカが悲
>>続きを読む

サンダーパンツ!(2002年製作の映画)

3.9

“オナラで月までいつか行けたらいいな”

生まれつきオナラが止まらない男の子と天才発明少年がそのオナラパワーを活かすべく奔走する少年友情コメディ映画。

どうしようもなくB級で、数分に一回whyと言い
>>続きを読む

イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

4.2

“スープに溶け合う白と黒”

in the soupで“苦境に陥る”という意味らしいです。
本作はまさに今月の家賃さえ払えない自称映画作家が、謎のちょいワルオヤジ系スポンサーの男と出会い、一緒に映画製
>>続きを読む

夜と霧(1955年製作の映画)

3.9

“いま本当の惨劇を目に焼き付けるために”

33分のアウシュビッツ処刑場のドキュメンタリー映画。

夜と霧は囚人を識別する名前から取られている。

対人インタビューは無く、あらゆる資料映像と写真が淡々
>>続きを読む