スクリーンから殺人犯が飛び出し、我々に襲いかかってきたらどうだろう。
スクリーンに見立てた窓が映し出す人間模様を、観客に見立てたジェームズ・スチュアートと共に眺める。隣にはグレースケリーが銀幕感をビ>>続きを読む
前後編観ての感想です。
因縁に向かって突き進んでいくもの。
因縁を断ち切って前に進もうとするもの。
因縁との関わり合い方はそれぞれだが、向かい合わずにはいられない。波打ち際に靴を投げたところで、眼>>続きを読む
まず150分もかけて全くもって話が中途半端なので、何事かと思った。
U-NEXTでドラマになっている作品だったんですね。前編を観終わってから知りました。完全なる知識不足。。。
仕組みがよく分からない>>続きを読む
やっぱりこの人すごいなぁ…
『桐島、部活辞めるってよ』で、生徒の中に1人だけエライのが混じってるぞ、と感じたのを思い出した。
松岡茉優には、即興でやっているんじゃないか、と思わせるくらいの瞬発力を感>>続きを読む
すごくいい映画だと思う。
でも、あまり気の合わない映画だとも思う。
社会と個人。
この映画はその関係性について、丁寧に丁寧に綴られた作品だ。ゲイである、という主人公の特性を主題にするのではなく、あく>>続きを読む
原作は人間ドラマとサスペンスの要素が強いが、こちらはどちらかというと青春モノの要素が強い。
個人的にはあっけらかんとしていて、とてもいいと思う。漫画だからこそ出せる雰囲気もあるので、変に原作に寄せる>>続きを読む
なるほどこういうやつか。。。
救いのない映画ってたくさんあるけれど、この映画はそれがあまりにも身近すぎてどんよりとした気分になる。
根っからの悪人が出てきて、悪行の限りを尽くしてもらう方が、よっぽど>>続きを読む
とても感慨深い作品。
生と死、精神と肉体、前世と現世、人と人以外、カメラの内側と外側、運動と静止…
などなど、この映画はあらゆることを相対化していく。人は普段無意識のうちに色々なことに線引きをしてい>>続きを読む
んー、、、
NHKの韓国語講座の映像を延々と見せられているような気分になってしまった時点で、私はこの映画の良さが分かっていないんだと思う。
ソニという自由な女に翻弄される3人の冴えない男たち。とい>>続きを読む
生きるという普段当たり前すぎて意識しないことを、日常生活の中から力一杯感じさせてくれる作品。
作中言葉として出てくる訳ではないのだが、観ていて深く「営み」という言葉について考えさせられた。
ちなみ>>続きを読む
思ったより退屈だったかなぁ…
映画としてのボキャブラリーに乏しく、映像的にワンパターン。始めのうちはいいけれど、ずっとやられると飽きてくる。
ちなみに原作も過去に読了済。
原作は全11巻という通常の>>続きを読む
決して見たくない。
日常、目に入ることがない、そして目に入らないようにしている光景がある。
その光景の一つを四角く切り取り、目の前にそっと差し出す。映画が担わなくてはならない役割の一つを、この作品は>>続きを読む
「概念」という映画で表現するのがとても難しいテーマにあえて挑んだ作品。
真正面からぶつかったらおそらく、理屈っぽい駄作になるか、長尺な『世にも奇妙な物語』のようになるかどちらかだろう。
舞台・小説・>>続きを読む
淀みなく甘酸っぱい気分でい続けられる映画。
この作品は定期的に見返したくなる。
元々、人を描くのがとても上手な監督。この作品は、「そよ」という一人の少女の視点で人、村、町にを描いている。そこが、余計>>続きを読む
河瀬直美監督の映画を撮る姿勢はやっぱり好きだ。最初に脚本があり、予算が付き映像化していくといった定型的な手順を踏まないやり方だが、そこにはやはり純度の高い映像空間がある。
おそらく当人達もどう転ぶか>>続きを読む
始めのシーンを観た瞬間、これはとてつもない映画が始まったのではないか、という予感がした。交通渋滞を見事なミュージカルシーンに仕立てあげていて、冒頭のカメラの横移動からとてもワクワクした。
しかし、か>>続きを読む
失って初めて、自分には何もなかったのだと気づく。
自分の手から離れていってしまったものを、もう一度手に入れるのは難しい。分かってはいるが、見えないフリをして追いかける。自分には他に何もないから。>>続きを読む
物語には始まりと終わりがある。
でも物語の中を生きている人にとって、その始まりと終わりは人生の一部のページをただ切り取ったに過ぎない。
『Starlet』は物語の始まりと終わり、その外側の存在を強烈>>続きを読む
吊り橋効果の効能を得つつ、家庭を顧みなかった男が父親になっていく過程を描くロードムービー。
終始スピルバーグが炸裂する。
大規模のな予算が付けられる作品で、これだけ好き勝手にできる勇気と実力にただた>>続きを読む
グザヴィエ・ドラン の映画は本作以外観たことがなくて、本作は2度目の視聴。
19歳という若さで監督・脚本・主演をつとめ、世界的に評価を得る。これは映画界としては、なかなかに異例の事態。
1度目を観>>続きを読む
初めて観たのは遥か昔の話。
私にとって、後の映画の見方に最も大きな影響を与えてくれた作品の一つ。
ゴダールの映画・政治・文学・恋愛等に関する想いが散文的に彩られたエッセイ。
映画の「分断と再構築」>>続きを読む
河瀬直美の商業映画デビュー作。
キラリと光るものがたくさんあり、この時点で既に只者ではなかったことは確か。舞台となる過疎化が進む村の描写も、微に入り細に入り深くカメラに焼き付けられている。
この映>>続きを読む
前半30分間とラストさえ良ければ、非の打ち所がない名作なのに…
ただ逆に前半のなんとも言えない凡庸感が、その直後の急上昇を余計に引き立たせてくれているのも確か。音楽的センスももちろんのこと、各所に上質>>続きを読む
生と死、愛と執着、運動と静止、永遠と時間。
黒沢清はその境界線を極めて曖昧なものにする。
カットとカットを横断するアナログ式のストップウォッチの音は、本来切断されていることが明白なものですら、その境>>続きを読む
少女の絵本を読み聞かせる眼差しと、老婆の小豆を煮る眼差しが奇妙にシンクロする。この絵本のシーンの描き方がとても素晴らしい。
どんな人間にでも、愛を届けることだけは出来る。心に闇を持つ男が、その事に気>>続きを読む
大作でありながら、これだけ映画で遊べるのは世界中でスピルバーグくらいじゃないだろうか。
光使い方が素晴らしいのはさることながら、ふんだんに盛り込んだ黒澤明やヒッチコックなどを思わせる演出の遊び心。正>>続きを読む
マーク・ウェブはミュージックビデオ出身の監督
らしい。この映画もさすが、音楽を乗せるセンスはとてもいい。
ただ、映画としてみると撮り方が下手だなと感じてしまった。時系列をバラしているのである程度仕方が>>続きを読む
大切なものを失うということ、大切なものを失った世界であっても、そこには光があるということに気づくこと。
その過程には必ず人がいる。
他人と心を通わせることの難しさを描きながら、でもそこには必ず一致>>続きを読む
『映画とは欲望が作る世界の視覚化である』
『軽蔑』でも引用された、アンドレ・バザンの言葉。
でも、現実はそうはいかないことをみんな分かっている。だからこそこの映画は切ない。ピエールが撮る映画の老夫>>続きを読む
コメディというより体験型アトラクション。
ラストシーンから画面が暗転した時、どうしようもなく寂しい気持ちになった。この2人とせっかく友達になれたのにもうお別れなのかと思い、涙が溢れた。映画で泣くこと>>続きを読む
「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。」
ニーチェがこんなことを言っていたのを思い出した。
成熟した社会において、ルールとは公共的な利益を叶える手段として存在する。1人の利益>>続きを読む
移ろいやすい男女の愛という普遍的なテーマを扱いながら、同時に過渡期を迎えていた映画という産業そのものを描いたゴダールの名作。
当時、ゴダールとアンナカリーナ は夫婦生活の末期。当時のゴダール本人の境>>続きを読む
死ねない男の物語。
北野映画の中でも最も生と死が近い関係にある作品ではないだろうか。
『その男、凶暴につき』は死が近づいてくる映画だったが、本作は生と死が相思相愛の関係にあるような感覚を受ける。>>続きを読む
卒業制作で作った作品をどう捉えるかが難しいところではある。
だが、相当に勿体付けて炸裂した刀切りのシーンで、完全にしくじっているのがこの映画の致命的なところ。1度すかしてハードルを上げておいてあれは>>続きを読む
ゴダール的ディストピア映画。
感情や言葉、思想を奪われた管理社会アルファヴィルを舞台に、シークレットエージェントのレミーコーションが愛を振りかざす。
設定はありふれている。
要は『時計仕掛けのオレン>>続きを読む
殯の森は人が大切な人の死と向き合い、葬い、前を向くための場所である。死にまつわる儀式というものは、結局は生者の為にあるものなのだと改めて思う。
写実的なタッチで死者の不在を映しながら、同時に葬いとい>>続きを読む