この映画って、
ジャンルで言うなら何なんだろうって考えながら観てた。
例えば、
サスペンスと考えたなら。
主人公の境遇、犯人との接点、選択
犯人の人柄、行動様式
とにかく変数が多い。
極端な>>続きを読む
学校は「但し摩擦は0とする」に満ち溢れている。
あいつはああだからこういうやつ。
そう決めることで世界を簡単にしている。
言ってることには共感する。
学校に限らず、社会はそのようにできている。>>続きを読む
描かれた時間と物語の時間の差をどう埋めるのかという問題。映画の上では100分でも、物語上は1年以上の月日が流れている。
ぼくはこの2人に時間経過を感じなかった。
付き合うでもなく離れる訳でもない、>>続きを読む
かわいそうな人が、ただかわいそうに描かれた映画を観るとすこし萎える。
わざわざ社会から闇を引っ張り出してきて、ほらかわいそうでしょ?、社会は間違ってる、もっと怒れって。
そのようなマッチポンプ映画>>続きを読む
ぜひ多くの人に観てほしい映画。
僕自身、小野花梨目当てでたどり着いた映画だった。小野花梨は、期待以上に素晴らしかったけど、映画そのものにとても心を打たれた。
映像撮影がテープからデジタルになり、ス>>続きを読む
当たり前だけど、映画は音と映像のメディアだ。だから、話が面白くても映画が面白いとは限らない。
『サマーフィルムにのって』は「話は面白い映画」だ。
映画への愛と恋愛が交差するところ。
2つの映画制作>>続きを読む
「虚構は現実だ。映画の中ではそうだろ。」
「見える世界と同じく虚構は現実さ。」
非常に本質的だ。
映画という虚構の現実性。
現実世界の虚構性。
人は現実世界を現実のままに見ることはできない。必ず>>続きを読む
人間の感情を映像的に表現する方法はいろいろある。
セリフ、声、表情、動き。
『3-4X10月』は感情をことごとく省く。
柳 憂怜は無表情で、言葉少なく、素振りからも暴力的な仕草からも感情を感じな>>続きを読む
10年くらい前に観たきりだったので再見。
改めて観て、すごい作品だと思った。
家庭というコアコミュニティの崩壊は、多くの作品で描かれてる。でも、空間的にちゃんと崩壊を描けている作品は少ない。
『>>続きを読む
「体しか価値ないじゃん」
体の価値。
人格の価値。
関係性の価値。
地位や名誉の価値。
たくさんある価値の中でも、体はとてもわかりやすい価値基準だ。
自分そのものなんかないのではないか。
体の中>>続きを読む
「ひとつ目の方は恋愛って感じがして」
「ふたつ目の方は友情って感じがした」
同じものを見ていても、音や心境、環境の違いで受け取り方が変わる。
見ているものは全て、
「のように見える」だけなのだ>>続きを読む
演劇を中心に活動している監督なだけに、場面設定のはっきりとした映画だと感じた。
はっきりとした場面設定はキャラクターを引き立てる。三浦友和、若葉竜也、新井浩文、南果歩が見事それに応えている。>>続きを読む
森は映画における、反則技級の優れたロケーションだと思う。
なにしろ、森の中で描けば全て絵になる。
森の中で絵になるものを描けば、名シーンの出来上がりだ。
ゴダールが代表作『気狂いピエロ』で、アンナ>>続きを読む
鬱屈した感情を描く映画は数あるけども、これほど何も起こさない映画も珍しい。
発砲の仕方が山下敦弘監督の『松ヶ根乱射事件』的だが、松ヶ根の方がはるかに発砲に説得力がある。
先日、訃報が伝えられた青山>>続きを読む
映画の始まりが1985年のグランカフェだとすると、映画は126年の歴史を持つ。
演劇や音楽など他のメディアに比べたら新しいけど、それにしたって長い。
ぼくは演劇とドラマに一度づつ、役者として出演>>続きを読む
「ヒメアノ〜ル」とは、 ヒメトカゲを指す造語で、「強者に捕食される弱者」という意味らしい。
タイトルにふさわしく、
【弱者という名のモンスター】を発明したという意味で、とても面白い映画だった。>>続きを読む
セリフを発しないという、リュック・ベッソン『最後の戦い』的な映画。
セリフを発しないことになんの裏付けもなく、たまたま「セリフを発しなかった」と言わんばかりだ。
何故か、オフの音声では電話などの会>>続きを読む
前作『孤狼の血』といい、『空白』といい、アウトローとシャバの間に立たせたら右に出る者はいない、バランサー俳優こと松坂桃李。
今回はバランサーではなく、
アウトロー側として、さらなるアウトローと対峙>>続きを読む
女はぶしつけにドアを開ける。
男はぶしつけにドアを開けられると、心も開く。
女はぶしつけにドアを開けるが、心を開くことはない。
さて、ぶしつけにドアを開けても心を開かない男がいたとしたら、女はどうす>>続きを読む
長編映画としては短尺で、しかもアマプラでも観られるので、ぜひ1度観てみてほしい。とても興味深い映画だった。
劇団による劇団のための映画。
いや、劇団が映画を作った。
というより、劇団が映画の枠組>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
生という日常と、死という非日常。
生の側から死を受け入れるには、非日常的な儀式が必要だ。
弔いの儀礼を映像として見せるのに、
本木雅弘はうってつけの人材だと思う。
とにかく所作が美しい。
一方>>続きを読む
「別れ」から始まって、ずっと別れについて考えさせられる珍しい映画。
「別れから生まれる希望」ってあるのだろうか。
別れは「かけがえがなく、取り返しのつかない時間」から生まれるもの、だと思う。
だ>>続きを読む
人間は身勝手な生き物だ。
それぞれのちょっとした身勝手が、他人または自分を傷つけたり、死に至らしめたり、または救ったりする。
この映画に出てくる人たちは、誰も悪くなくて、そして少し身勝手だ。
身>>続きを読む
『世にも奇妙な物語』にも、似たような話があった。
短い時間に伏線が貼られていて観甲斐がある。悲しい話だなぁとも思う。
ただ、短尺で悲しさに感情移入するのは難しい。登場人物の事情も細かく描かれてはお>>続きを読む
100日チャレンジとか、某インフルエンサーの今日の積み上げハッシュタグとか。
日々漫然と過ごすことなく、成長、前進することがよしとされる。
でも、1日をただ大切に生きるだけで、十分尊いのではない>>続きを読む
映画の感想が「演技がすごい」となるのは、あまりいいことじゃないと思ってる。
寅さんは「渥美清の演技がすごい」とは言われない。あくまで寅さんは寅さんだ。
ウディ・アレンはすごいかどうかではなく、常にウ>>続きを読む
短い作品で手軽に観られるので、wowowを観られる方は是非見てほしい。
映画には「会話」のシーンがたくさん出てくる。むしろ半分以上会話のシーンだと言ってもいい。
ストーリー進行を会話に頼らない映>>続きを読む
「ぼくは南極なぞ行ったのだろうか?」
日常と非日常。
非日常も慣れれば日常になるし、
日常も離れていれば非日常になる。
日常と非日常が入れ替わって、また戻る。
戻った毎日に慣れると、元々入れ替わっ>>続きを読む
雑誌に載ってたU-NEXTの2021年ランキングで1位だったので観た。
飽きさせない映画だった。
一方で、余白のない映画だと感じた。
「余白」とは、言い換えると「よく分からない部分」。もっと言い>>続きを読む
駒井蓮さん、『名前』の時すごく良かったから気になってたんだけど、やっぱりいい。すごくいい。
自分でも演技をするようになって、プロの役者さんがどう演じているのかを、昔よりも見るようになった。
演技>>続きを読む
「人生には、もれなく迷惑がついてくる。」
生き別れたはずの父親を名乗る男。嘘だかほんとだか分からないことを言って、家に住み着く。
彼はとても迷惑な存在だ。
昼間から飲んだくれているし、子供に余計>>続きを読む
始まった瞬間、ん?
ぜんぜん好みじゃない魔法少女もののアニメが始まる。すぐに終わるのかと思いきや現実に戻っても、しばらくそのくだりが続く。
アニメーションも音楽もなんだかガチだし、どこに本気出して>>続きを読む
印象的なシーンや音楽があるのになんかピンとこない。先に進むにつれてピンとこなさが縮まってくるかと思ったら、どんどん広がっていく。
これはなんだろうと考えながら観ていた。
ぼくはこの映画を不自然だと>>続きを読む
「誰も見ることはないけど、たしかに存在してる」
外で印象的な光景を目にしたり、思い出深い時間を過ごした時。形あるものとして残したいと思う。
スマホを取り出してパシャリ。
スマホの中には沢山の思い出>>続きを読む
とても難しい試みをしている映画だと思う。
例えるなら『悪魔のいけにえ』の兄弟の心の闇に迫ろうとしているような映画だ。『悪魔のいけにえ』の争点はあくまでレザーフェイスの暴力性であって、過去ではない。む>>続きを読む
映画仕立ての舞台を観ているようだった。
蒼井優と高橋一生の演技がとにかく美しい。世界に入り込むとか感情移入といった類を超えて、極上のディナーを嗜んでいるようだった。
ぼくは食に疎いので、むしろリア>>続きを読む