イギリスから来た男の作品情報・感想・評価

「イギリスから来た男」に投稿された感想・評価

nagarebosi

nagarebosiの感想・評価

4.0
すっごい監督の色が強く出てる作品。
殺された娘の父親の復讐譚を描いたこの作品は、ストーリー的にはド定番の海外ミステリ小説にもあるような内容。
ただ、レムドブスのシナリオは、キャラクターが一筋縄ではいかない複雑な内面を持たせたことで独特の味わい。
それを具現化する役者も曲者テレンストランプのイギリス訛りで、なにか強烈なオーラを発しているし、それ以外の人達も皆、押しが強い役者さんばかり。ルイスガスマンも出てるし。
それを写し取る監督もソダーバーグだけあって、リアルだしエンタメを度外視したつくりに徹している。撮影はもちろん、編集も特徴的で前後のカットを入れ変えたり、とにかく監督が納得いくまで編集した感じがする。
音響も同時録音したショットを多く使ったのか(音響編集時にこだわったのか)、実に生々しい。
全体的に、派手な作りを避けまくり、ハードボイルドチックなフィルムノワールに徹したおかげでニューシネマっぽい感じが私のツボにハマった。
レスリーアンウオーレンを「ザ・コップ」以来見たけど、やはりキレイでした。
イギリス風の話し方なのか、そこに矍鑠とした良さがある。ウィルソンの話す内容もどこか風変り。
静かな作品で、先走ったような目眩く映像編集のセンスもまあ良い。
ステイシーも嫌いじゃない入りかた。
期待してたのはもう少しバイオレンス強めだったが、抑えめで苦味のあるこちらも堪らない!
ソダーバーグ作品ということで何の気なしに鑑賞。


うむ。

実にスタイリッシュでソリッド。

かっこいいけどおもしろくはなかったかな。
でも90分ぐらいで気軽に見るにはちょうどいい作品かも。
sio

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3.3
テレンススタンプがかっこいい
ただ吹替で見てしまったのでちょっとコミカルなおじさん感が増して見えた気がする。
若かりしテレンススタンプが大好きなので本人の昔の映像を使ってくれたのが嬉しい。
なんだこの見せ方は!ソダーバーグか!良し!
以上です。
レンタルビデオ屋でひときわオーラをはなっていたから期待して借りてみたけど、期待はずれだった
茶一郎

茶一郎の感想・評価

3.9
 【短】かつて英国水平が壊血病予防のためライム(lime)果汁を飲まされていたことに由来して「limey」は「イギリス人」を表す俗語だそうで、今作の原題『The limey』はそのものズバリ「イギリス人」を表し、物語も最愛の娘を亡くした一人のイギリス人の男の復讐劇を描きます。
 今作『イギリスから来た男』は、良くも悪くも破茶滅茶なソダーバーグのお遊び編集が堪能できる一本になっていました。全編に乱立するカットバック・カットフォワード、前のめり編集の嵐と、非常に実験的な作品である一方、「復讐劇」および「小悪が巨悪に挑む」というそもそも強度のある物語の軸のおかけで理解しやすい映画になっている印象を受けます。いわゆる「ナメてた相手が実は殺人マシーンでした」モノの系譜として、「ナメてたイギリス出身の初老男が、実はとんでもない執念の殺人マシーンでした」ムービーと言えます。
 まぁ、そんな実験的な編集も、ジャンル的な物語も、主人公を演じたテレンス・スタンプの顔力で全て吹っ飛んでしまいますが。
kazu

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3.3

事故死に見せかけ殺された娘の復讐をする父親の話。

テレンススタンプさんって、執事だったりアンドロイドだったりあまり血の通った役のイメージがなかったのだけど、こちらの作品では、娘をこよなく愛す父親の役。

犯罪者なのでマイホームパパには程遠く、服役もあるし娘に寄り添うような普通の父親ではないのだけれど。

クリントイーストウッドがもしこの役のオファーがあったらどう演じたのかなぁなんて頭の中でキャスト替えして楽しむ失礼な瞬間もあったけど、テレンスさんもなかなかの威圧感で良い演技をされてました。

テレンスさん演じるウィルソンが、娘の死の真相を調べて動くたびに死人が出て、割とサクサクと真相が明らかになっていきます。
犯人はあっという間に追い詰められていくのだけど、最後は手をひいてしまう。

パパには何があったか理解できたから。
自分も冷や汗を掻いた事がある幼い頃の娘の決め台詞。

・・に、しても、

これじゃ・・
ギャングや死んだボディガード達は巻き込まれ事故やん・・

と、1人ツッコミを入れました・・。
刑務所から出所したばかりの初老の男が、LAで事故死した娘の死の真相を求めてイギリスからアメリカにやってくる大人テイストな犯罪映画。テレンス・スタンプとピーター・フォンダの60年代アイコン対決に我らがコワルスキーさんも参戦。非常にソリッドで才気走った作風。主役の行動に沿って、心理描写の代わりに時系列を錯綜させたシーンの挿入を行うハードボイルド手法が切なく悲劇的な世界観を作り出している。アメリカに来てから仲間になる人達との微妙な距離感がいい。回想シーンの若きテレンス・スタンプの映像は、ケン・ローチのデビュー作(マルコム・マクダウェルのデビュー作でもある)「夜空に星があるように」から引用している。
2016.11.5 DVD(字幕)
ai7n28

ai7n28の感想・評価

3.0
結末が見えても過程をじっくりじわじわ責める撮り方するソダーバーグ。黄土色みたいな、陽のあたりのくすみがなんとも
渋い。初志貫徹して渋く、甘さも救いもない。
テレンス・スタンプ目当てで鑑賞。
ソダーバーグ監督作品は見たことがないので、編集やら何やらに「監督作品」としての感慨は浮かばないが、手持ちカメラやラフなカッティングからの、いわばドキュメンタリー風の作風に彼(主人公)の記憶、心象風景を見る。
言わばあのドキュメントの殆どは飛行機の中で彼が思い出している映像なのだろう。だから記憶は前後し、その後、自分が何を考えたのか、その時の姿がチラつく。
彼のいない場面や回想にフレアのようなエフェクトがかかるのも想像だからなのかな。かかってない所は彼にとって情報としてあってどうでもいい場面なのかも。とにかく全て彼の主観で進み、最後も彼の主観で終わる。誰の胸が空いただとか、誰の胸が満たされたのだとかはどうでもいい。

彼が、納得するための、旅なのだから。
そのために、イギリスから来た男。