覇王別姫/Farewell My Concubine
白が黒に変わるほどの激動の時代に、同じ男を愛した蝶衣と菊仙。互いにしか分からない憎しみや情のやり取りに胸がギュッとなった。
そしてレスリー・チャンの演技がお見事…!
艶やかな雰囲気も、繊細な表現力…
愛と時代、それぞれが交錯し、そして全てかたちにならない。
時代の流れなど関係のないほどに、芸を愛し、兄を愛した蝶衣。
弟に愛され、意中の女に愛され、時代に流され、それに応えきれなかった小楼。
…
この映画で美しいのは主人公が演じる虞姫だけ。
それ以外の展開は歴史の荒波に翻弄され、誰が悪いとか言えるものでもなく、ひたすらに辛い。
だけれども、泥の中で咲く蓮のように、劇中の虞姫がこの世のもの…
2年ぶりに再鑑賞。蝶衣が”女として生まれ”のセリフを”男として”と何度も間違えたのは、心身ともに女として小樓へ思いを寄せることはできないからこそ意識して”男”になろうとしていたからなのか。菊仙と蝶衣…
>>続きを読む©1993 Tomson(Hong Kong)Films Co.,Ltd.