戦争のもたらす悲劇が全く違う角度から描かれていて、本のクオリティの高さが半端ではなかった。
当時としてはやはり罪深い行動だったのかもしれないが、人間の本質としては咎められない行動だと思うし、母親とし…
第2次大戦で夫と長男を失くした母が、
死を装って次男を匿うと長男生還、さあ大変。
物っ凄い情念の応酬。次男は屋根裏から恋人の結婚式を目撃し絶望、長男出奔、母憔悴の無間地獄。
戦勝の松明掲げ走る白…
戦場へ行かずに屋根裏で隠れる次男、それを匿う母、戦争の英雄として戻ってくる長男と、ドタバタになりそうなそれをいたってまじめに描きます。戦勝を告げる松明のシーンはそれと予測できずむしろ不穏さを感じまし…
>>続きを読むボチボチ。ある人物を家の中に匿って長い時間が過ぎその周囲も当事者も変調を余儀なくされるのは手塚『奇子』に似ているが匿いの機能が違っていて、同作は僻地農村での閉鎖性の落胤が妖艶な性的魅力で男系ピラミッ…
>>続きを読む出征の途中で空爆にあい戦死として扱われた次男を、密かに家に匿い続ける母親の物語。母親の子供を思う気持ちから始まったことが、逆に子供の人生を壊してしまうことになる悲劇。戦死したはずの長男が戻ってきても…
>>続きを読む本当に忘れられなくなるおはなし。
子に対する妄執──云ひ換えれば母性──の為めに救ひつゞけてしまつた命。一昨年前に観た『望み』と同様、此処にも亦た、命か尊厳かといふ問ひが在る。たゞ本作には、「望…
日が落ちた時間、青々とした草原を松明をふりかざしながら白馬で駆け抜ける男を、車窓から捉えたショットが衝撃的に美しく忘れられない。邦題がイマイチだと思う。花火のクローズアップがぎこちなく気になった。劇…
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