3人の痛みを避け続けた人生が、ようやく純粋な価値そのものに献身する在り方に昇華されていく。
ひとりは、喜久雄。
喜久雄の眼には誰も映っていない。
でも彼は、最終的に経験のすべてを引き受け、それを…
あっという間の3時間。
歌舞伎という題材もあるが、日本人独特の曖昧さを良くも悪くも表現しているように感じた。
類稀なる才能、家柄、体裁、伝統、義理、チャンス、本音と建前、友情、嫉妬、裏切り、報われな…
前世は歌舞伎役者だったのか?ってくらい感情移入して見てしまった…
3時間の映画ってどこかで必ず眠くなってしまう自分だけど、最初から最後まで眠くならず見て、全集中しすぎてエンドロールの時にはすごい疲れ…
私は涙脆いのでたくさん泣いて目元のメイクがはげてしまった。
やはり監督の絵の撮り方、魅せ方が本当に上手である。さも喜久雄になったかのようなカメラワークにより、喜久雄の心情をよみとることができた。
ま…
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