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グランドツアー
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目次

グランドツアーの作品紹介

グランドツアーのあらすじ

1918年、ビルマのラングーン。大英帝国の公務員エドワードと結婚するために婚約者モリーは現地を訪れるが、エドワードはモリーが到着する直前に姿を消してしまう。逃げる男と追う女の、ロマンティックでコミカルでメランコリックなアジアを巡る大旅行の行方は…。

グランドツアーの監督

ミゲル・ゴメス

原題
Grand Tour
公式サイト
https://mimosafilms.com/grandtour/
製作年
2024年
製作国
ポルトガルイタリアフランスドイツ日本中国
上映時間
129分
ジャンル
ドラマ
配給会社
ミモザフィルムズ

『グランドツアー』に投稿された感想・評価

Omizu
3.4
【第77回カンヌ映画祭 監督賞】
『熱波』ミゲル・ゴメス監督作品。カンヌ映画祭コンペに出品され監督賞を受賞、アカデミー国際長編映画賞ポルトガル代表にも選出された。

ミゲル・ゴメスは好きでも嫌いでもない作家だが、本作もそんな感じ。白黒とカラーの使い分けが見事で画面の独自性は疑いようがないが、正直同じような展開の繰り返しで飽きてしまった。

フィアンセから逃げる男と追う女、二人が主にアジアを旅する過程を描いている。フィリピンや中国、そして日本などに滞在するのだが、過度なオリエンタリズムに陥らずに描写されたそれぞれの国の描き方はよかったと思う。

ゴメスならではのユニークな映像美が全編楽しめる一作になっており、ゴメスが好きなら陶酔できる作品ではあるだろう。

一方でそんなにゴメスの作風が好きでもない僕からみるとストーリーが単純すぎてどんどん飽きていく。前半の日本パートがピークだったかな…

映像的には言うことなしの一級アート映画だが、陶酔できないと単につまらないと思ってしまう。ハマる人はハマるだろうけど僕はそんなに入り込むことが出来なかった。
[結婚を前に逃げる男と追う女の"新婚旅行"] 80点

2024年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ミゲル・ゴメス長編六作目。サマセット・モーム『The Gentleman In The Parlour』に登場する人物のエピソードに着想を得た一作。原題"グランドツアー"は白人が東南アジア/東アジア地域を周遊する旅のことを指すらしい。同作はモーム自身がこの地域を旅した記録をまとめたもので、本作品もモームの旅と同じ2020年1月4日から始まり、同じくらいの日程で同じ地域を旅するという企画だったらしい。しかし、コロナによって主要スタッフはポルトガルに引き上げることになり、撮影できなかった場所での撮影はリモート監督で行ったとのこと。物語は1918年のラングーンで始まる。この地にいた英国外交官エドワード・アボットの下に、7年間婚約していたモリー・シングルトンがやって来るというのだ。長らく会っておらず顔も忘れた彼女の到着に怖気付いたエドワードは、迎えに行ったその足でシンガポールへと逃げ、そこから様々な手段を使ってバンコク、サイゴン、大阪、上海、重慶とアジア周遊ツアーを開始する。場所を移るごとに体力ゲージが減っていき、徐々に衰弱していく彼を、毎度絶妙なタイミングでモリーが追いかけていく(そして彼女も動揺に衰弱していく)。映画はエドワード視点とモリー視点の二部構成となっており、基本的には双方でほぼ同じ旅程で似たようなことを繰り返しているだけなのだが、単純な答え合わせにならず、ワクワクする冒険を一緒にしている気にもなってくる。それはエドワードがスパイであるという示唆も関連してくるだろう。予測不能な幸運や巡り合わせによって、あと少しで間に合わない追いかけっこが運命付けられているのだ。

俳優たちが登場するのは全てセットで撮影されたシーンであり、残りは現地で撮影された現代の風景を背景にナレーションによって紡がれる。東南アジアの人形劇や影絵など伝統的な側面に加えて、カラオケが新たな文化のような形で登場し(フィリピンには標的にフランク・シナトラ"My Way"を歌わせてから殺す通称"マイウェイ・ギャング"が存在するらしい)、本筋の物語との間に存在する過去と現在という対比を奇妙に混ぜ合わせている。これはそのまま特にモリーが憧れるオリエンタリズムの現在的な探求とも言えるだろう。しかし、作中の人物は東洋の気候やらなんやらに疲弊して徐々に衰弱していくことからも分かる通り、東洋は彼らの思い描くものでもなければ思い通りになるものでもないのだ。このへんはオリエンタリズムの限界、或いは植民地主義の間接的な批判の文脈も含まれているのだろう。上手いと見るかズルいと見るかは人によると思うが、そこらへんの感覚は実に器用で興味深い。
2.5
【消費する旅行に消耗する】
動画版▽
https://www.youtube.com/watch?v=98eXP6IMGw0

第77回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したミゲル・ゴメス新作『グランド・ツアー/Grand Tour』を観た。本作はコロナ禍で制作が難航していた作品であり、途中でコロナ禍映画『ツガチハ日記』を挟みつつようやく完成した一本。17世紀から18世紀にイギリス富裕層の間で流行したヨーロッパ巡りの「グランド・ツアー」と現代の消費される旅行像/オリエンタリズムを絡めていくタイプの作品であり、興味深く観たものの、かなりズルい映画に思えた。

イギリス外交官のエドワードはヤングーンに婚約者が来ると知り、現実逃避するがごとくシンガポール、タイ、日本、中国と逃亡していく。かつて、イギリスで流行した「グランド・ツアー」は机上だけでなく、実際に生で世界を目の当たりにすることで教養を深める役割を果たしていった。産業が発展していき、人類に余暇が生まれたことにより「旅行」が大衆的なものとなる。旅行は現実世界から逃れ、「匿名的存在」として異なる世界に紛れる経験である。本作では現実逃避としての旅行とオリエンタリズムを絡めている。

実際に、楽山大仏などといった世界遺産が登場するが、その地の歴史性が掘り下げられず表層的に並べられている。同様にカンフー、影絵などといったアジアのモチーフがごちゃ混ぜに映画の中で挿入されて消費されていく。日本からは、オーバーツーリズムが問題となっている白川郷が一瞬だけ登場する。現地の問題や歴史をそっちのけで、パートナーとのしがらみから逃れたいが為に世界を消費してしまう様を批判的に描いているのだ。

これはミイラ取りがミイラになる危うさを孕んでおり、危険なタップダンスで駆け抜けていく訳である。こうした批判への対策はばっちりされており、たとえば旅先では現地の言葉を主体とした作劇になっている。また、旅行者は自分探しの旅/現実逃避の旅をする中で消耗していく展開もオリエンタリズム批判の描写として機能しているように思える。

でも、個人的に理論はわかるし興味深くは観たが、いかようにも批判を回避できてしまうズルい映画。カンヌ繋がりだと『逆転のトライアングル』路線の厭な映画だなと感じた。

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