喜劇 女売り出しますの作品情報・感想・評価

「喜劇 女売り出します」に投稿された感想・評価

んご

んごの感想・評価

3.5
狭い空間で入れ替わり立ち替わりの猥雑なフレーミングや小気味よい啖呵の応酬など、ひたすらエネルギッシュな作劇に圧倒される。奪うでなく分け与うを是とする人情の美学も、笑えない現実を笑うしかない現実へと転回させる豪胆さも、どこを切り取っても森崎印としか言いようがない。その慈愛の精神に胸打たれるのだ。
掛札昌裕が脚本に入ってるからかこれだけシリーズの中でも明らかに異色
落伍者

落伍者の感想・評価

3.5
悲惨な話だし、不幸や嫉妬もあるけれど、それを包丁持って銭湯に刺しにやって来る姿で表現されると、やっぱり笑っちゃうし喜劇だと考え直す。人間の真剣に生きる姿を見せられると、泣きもするし、笑いもする、表裏一体なんだなと。
miyagi

miyagiの感想・評価

3.5
ブレッソンの「スリ」とは全く違うベクトルのスリ師たちの生き様。
笑わせるぜ全く。というセリフと裏腹に全く笑ってないのは、言葉だけでも笑ってると言わないとやり過ごせない苦しみが滲み出てる。
この、笑わせるぜ。には場面ごとに色んな意味合いを含んでいておかしかった。
チ○コの話から急に「人間無い物ねだりが一番不幸せなんだよ」という真理を語り出す森繁先生。
シリーズ3作目
少しだけ出てくる山谷の場面のどん詰まり感、浅草の暴力売春宿の件、テレビニュースの全共闘の攻防、スリ集団達
中村メイコ、左幸子に比べると、市原悦子の女房役は少し影が薄い。
ただ、それは夏純子と米倉斉加年が輝きすぎているから。
今回に限っては森重でさえも翳る。

クソリアリズムとも重喜劇とも言えない。なんだろうこれは。
夏純子!
ビニールのトレンチ着たマブイ女は最高。挙動不審の小沢昭一を傘に入れてあげるシーンあたりで一本つけたくなる。

銭湯での戦闘(?)シーンの空間とお客たちの動き良かった。女たちの熱気と森繁久彌の味わい。
なんだか凄いものを鑑賞してしまった。

米倉さん演じる男が事あるごとに「笑わせてくれるぜ!」って言ってくる。
多分10秒に1回くらい言ってると思う。
(何回言うんだよ!)
全然笑う状況じゃないのに「笑わせてくれるぜ!」と言い残し颯爽と立ち去る姿には、もはや尊敬すらする。

十分笑わせてもらいました。
(恐らく笑うポイントはそこではないと思うが。)

市原悦子さん演じる気迫あるお母さんが良い。
これは好み。図太くしぶとく幸せにという人間賛歌。特に前半のパワーが異常。
TVでやっていた古い松竹映画。お話としてはストリッパーを管理する「新宿芸能社」夫婦のちょっとお色気ありの人情喜劇。ただ『喜劇 女売り出します』とは凄い表題、現代の倫理観ではクラクラするポリのコレのなさ。昭和ッスな~。夏純子演じるヒロインはヤクザに育てられた女スリ。「巾着切り」なんて単語を現代劇で聞くなんて。俳優は超豪華。森繁久彌が50代でトボけたオヤジ、市原悦子が30代でチャキチャキの姉御肌の演技をやっていて、完全に昔から年寄りみたいな先入観のあった俳優が若くてびっくりする。米倉斉加年演じる戦災孤児がヒロインの兄貴分で「笑わせるぜ」が口癖、アゴの若干シャクれた力石徹みたいなタイプのちょいとニヒルなチンピラキャラでいい味を出している。
>|