関東緋桜一家の作品情報・感想・評価

「関東緋桜一家」に投稿された感想・評価

東映任侠路線の華としてヒロインを演じ続けた藤純子の引退記念と銘打って、映画界での育て親であるマキノ雅弘監督がメガホンを取り、藤山寛美や片岡千恵蔵まで駆けつけてオールスターが共演した作品だが、東映任侠映画としては淡々とした凡作。雑なオールスター作品にありがちな、それぞれの出番を作るためのエピソード過多で散漫な作品だ。
この映画の藤純子のキャラクターは、鳶職の女組頭というヤクザなのかカタギなのか中途半端な立場であったのがよくなかったかもしれない。
その他、共演者たちにも、主役級に均等に見せ場を割り当てようとした結果、やはりそれぞれの出番が薄く、誰得オールスター映画のテンプレートに当てはまってしまっている。
脇を固める人たちの扱いも雑。若山富三郎はさすがに簡単に死にすぎだし、嵐寛寿郎はいつの間にか死んだことになっていたし、菅原文太に至っては途中から物語上から消えるのに、死んだのかどうか言及すらされない。
悪役の遠藤辰雄も、南田洋子を女郎屋に売り飛ばしちゃうぞなんていうが、この悪事に金銭的な妥当性がないため、単に観客の憎悪を集めるためだけの置物のような敵役設定にみえてしまう。
いや、いやいや、これはあんまりじゃないか。
この時期の東映はオールスター映画をやり過ぎて、同じ顔ぶれの役者がよく似たようなストーリーに組み込まれているので、各作品ごとの個性が薄く感じる。高倉健か、鶴田浩二か、藤純子か、そこには誰が主人公であるかという違いしかない。
であるなら、やはり彼女の引退作は『緋牡丹博徒』シリーズであるべきだったと思う。
堂ノ本

堂ノ本の感想・評価

3.5
流石にスターが多過ぎた。この時代のスターは凄いね。全員映画の顔をしてる。

藤純子を中心にエモさ爆発のファン歓喜映画。とはいうものの、腐ってもマキノですよ、いい所はしっかりあるんです。

このレビューはネタバレを含みます

 冒頭、人力車夫がヤクザに絡まれていて喧嘩しているところに主人公の藤純子さん登場。そこでメインタイトル【藤純子引退記念映画 関東緋桜一家】と出て、藤純子さんのスター映画として見る映画だと思いました。
 藤純子さんが芸者で踊り、とび職をして、拳銃を放ち、薙刀を使い、刀を使うというコスプレものとして見て満足するのかな? という思いで見てました。
 片岡千恵蔵さん、嵐寛寿郎さん、若山富三郎さん、鶴田浩二さん、高倉健さん、菅原文太さんが主人公を支えていて。敵対するヤクザと戦っていく。

 話は平坦で盛り上がりに欠けていて退屈でした。高倉健さんが主人公の恋人で今も想いあっていていますが、似たヤクザで鶴田浩二さんがいて2人とも似たような役回りで相殺してしまっているように思えました。しかも鶴田浩二さんのほうが魅力的で高倉健さんが消えてしまってるのが残念でした。菅原文太さんもほとんどいたのかどうかわからないような役回り。
 若山富三郎さんだけ抜刀術の使い手で殺陣のシーンでのスピード感ったらなくて、ありえないスピードで抜刀して納刀するというのがカッコよかったです。
 任侠ものではありえないハッピーエンドも見たことなかったので面白かったです。
 
 ラスト以外はよくある任侠もののパターンの映画ですが、これだけのメンバーを同じ画面で見られるというのだけで魅力的な映画だと思いました。
とも

ともの感想・評価

5.0
信さん?信さん…信さん! 夢みたい
これで全てがわかる!
最初も最後もファンのためにある!もちろんその間、全てが!
任侠映画に欠かせない人ばかり!観てて楽しすぎる。
ラスト、スクリーンの藤純子と目が合う。最後のセリフでたまらず号泣。劇場のいたるところから鼻をすする音。
たまらん!!!!!
これが任侠映画の終わりなら、なんてなんて美しいんだ!
高倉健だの鶴田浩二が出張ってきて意外と出番が無い。
菅原文太に至っては、出た意味があったのか?というレベルで物語から浮いている。

最後の大立ち回りはさすがに迫力があったけど、脚本の笠原和夫が「マキノさんの汚点、没落の象徴」なんてボロクソ言うのも頷ける出来。
ルチア

ルチアの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

藤純子さん引退映画なんですね。
いつものロイヤル劇場さんで拝見。
彼女の映画はここで何本も観てますが、いつ観ても凛々しくて美しいお姿にウットリします。
沢山の人気俳優さんが共演されてお祭り的な映画ですが、ラストで「お世話になりました」というセリフとともにスクリーンの奥に消えて行くお姿が忘れられません。

このレビューはネタバレを含みます

最後に一瞬カメラ目線になり映画を見てる観客に「みなさんお世話になりました」と挨拶し踵を返してスクリーンの向こうのほうへ遠ざかって行く藤純子の後ろ姿に(17年後に復帰する事を知っているにもかかわらず)感激の涙が出た。映画史上屈指の美しいラストシーン。
マキノ本人もぼやいているようだけど、スターが多すぎて焦点がぶれてる。
見せ場も若山富三郎以外は然程だし…。
藤純子が組を継ぐ場面の画面の空気なんかは流石マキノと思わせる。
藤純子引退記念映画なのに、どちらかと言えば他のキャストの方が目立ってる(笑)

男ではなく、一本筋の通った「漢」が多い。
かっこいい。
それまでの東映任侠映画のあれやこれやをつめこみスペシャル
全編東映任侠映画ギャグ
全編東映任侠映画コント

一本で5,6本観たような感覚

藤純子は本当に美しい