いそしぎの作品情報・感想・評価

「いそしぎ」に投稿された感想・評価

べらし

べらしの感想・評価

3.7
60'sだけ見れば「イエスタデイ」よりカバーの多そうな主題歌、E.テイラーの"Reynolds"というロコツなワイドショー・ネーミングセンス(当時の観客はこれで笑うことを期待されていたのか……レイア姫ママはなにも悪くないです)に惑わされてはいるが正統派のなかなか良質なメロドラマ
C.ブロンソンは意外とインテリの役がよく似合う
半兵衛

半兵衛の感想・評価

3.7
不倫の末結婚したエリザベス・テイラーとリチャード・バートンを起用した不倫ドラマという、一歩間違えれば際もの扱いにされる題材を高尚なドラマに仕立て上げる手腕に感服。映画を見終わったあと脚本にダルトン・トランボが関わっていることを知り、納得。ミネリの演出も格調高く、繊細な大人の恋物語を盛り上げている。

自由主義者でシングルマザーの女性が子供を入学させたミッションスクールの校長兼神父と出会い、いつしか禁断の関係に陥るという物語。当初奔放すぎて感情移入しにくいリズだが、中盤彼女の過去が徐々に解ってきてバートン同様に観ている人も彼女の内面を理解していく展開が巧み。また自分の信念を曲げて学校の経営に専念していたバートンが自由なリズに感化されて本来の自分の理念に目覚め、それがかえって周囲の人達との軋轢を生むという皮肉な結果も印象的。リズの子供のパートも後半はほとんど出てこなくなるが、そのワンシーンのみで子供の成長といつしか母と子が別れることが示唆することを描いているので不満は感じない。

ただ前半リズとその子供のキャラクターが理解しにくいのでそこで若干イラついたかな、あとバートンの奥さんが一番の被害者のはずなのにあまり描かれていないバランスの悪さも気になる。

リズのヒッピースタイルは全然似合っていないけれど、それでも凄まじい美貌なので見とれてしまう。あとあの手ブラは反則だろう、あれやったら世の男性のほとんどはノックアウトされる。
tristana

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5.0
家庭訪問の去り際、唐突な「あなたが欲しい」の手ごたえだけ確認してサッと出て行く聖職者リチャードバートン、5秒後には神に「徳のかけらだけでもお与えください」分かってるね。毎回同じことやってる気がするが。二人の世界の違いどうこうより初対面からベーシックインスティンクトで成立しているので能書きは後から、いくらでも飾り立てられる。別れる理由が奥さんのエヴァマリーセイントに関係打ち明けたから、ってのもピンと来なくて置いてけぼりで良い。最後の挨拶はだいたい事情知ってるであろう生徒と保護者全員の前で個人的な感情盛り込みすぎ、こちらまであやうく魂が洗われたような錯覚起こす名スピーチ。
主題歌は超有名も映画は知らずだった。なかなかマッチした主題歌“The Shadow of Your Smile ”はグッド。開始の映像、音楽が美しい。非常識人と常識人のラブロマンスも常識人の私には余りにも身勝手でお好きなようにという感じ。エリザベス·テイラーの魅力に。+1点。
1975年…
1988年 BS NHK

若い頃の好きな女優No.1がリズ
どんな作品でも見ていました。
いそしぎ タイトルがシャレでます
景色の空撮は良かったが、あとは普通。バカなのでリズエロいな〜としか思わなかった。
ビッグサーの自然の魅力をゴージャスに映しまくる空撮のキャメラ〜!山も波も崖もボリュームゆったりたっぷりに撮るね〜。夕暮れでやっとオープニングタイトル終わるころには映画が終わるのかと思った。また牧師やってるリチャードバートンが出会い頭にいきなりリズに一目惚れ。シングルマザーで子育ては超自己流、海沿いの素敵な小屋で絵描いてて友達はヒッピーのアーティストたち。リズのヒッピースタイル全然似合ってないand何度結婚してるのか数えきれないリズに結婚制度やフェミニズム語らせてる脚本ナイス。バートンはバートンでリズにグイグイ迫ってやっと結ばれたかと思いきや、朝になったら急に罪の意識思い出して今さら悩む。リズもリズで立派なこと言うわりに感情激しすぎて手に負えない。すったもんだした末の結末が全員どーにもならなくてモヤモヤするのがまたたまらなく素晴らしい。傑作。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

4.0
「いそしぎ」

〜最初に一言、イソシギの飛び交う海岸に留まる1人の女性、相容れない世界の住人との愛の出発。ミネリが描いた傑作ここに極まれし〜

冒頭、ここは水鳥のイソシギが波と戯れる美しい海岸沿いの一軒家。女流画家のローラが住む。9歳の息子、学校、自由な暮らし、判事の命令、ミッション・スクール、校長、信仰心、反発、孤独、感性と信念。今、許されぬ愛に身を投じてゆく2人の美しい物語が始まる…本作はヴィンセント・ミネリが海と空と絶壁の大自然に2人の愛の名篇を描いた監督の60年代の大傑作で、長らく観たかったが漸くシネマライブラリーから初円盤化され購入して、初鑑賞したが素晴らしいの一言だった。

なんといったってあの名作「クレオパトラ」で共演したエリザベス・テイラーとリチャード・バートンが再び共演すると言うのは激アツ以外の何者でもない。確かこの作品で3本目の共演だったような気がするが、この2人が結婚してから初めて共演した作品が本作だろう。テイラーの美しい美貌と校長を見事演じきったバートンの惹かれる姿は胸熱、感動極まる。それを見事にミネリ監督が聖職者の不倫をテーマにしたメロドラマを作り出した。しかも脇役を見てみると後にアクション俳優で有名になるチャールズ・ブロンソンが出演しているのも非常に注目ポイントだ。

この作品は脇役の存在感も半端なく、深く印象に残る主題歌も勿論ながら、やはり主演の2人が非常に魅力的だ。確か1965年のアカデミー賞で歌曲賞を受賞してたと思う。まさにこの時代を代表する映画音楽となった事は周知の通りだろう。


さて、物語は美しい海と美しい山々と動物に囲まれた原始的な海岸に無名の画家が9歳になる息子と2人で住んでいる。だが、息子は宗教学校に判事の命令によって送られてしまう。反発する母親だったが、徐々に校長のエドワードに惹かれていく。もちろん彼も彼女の美しい美貌と考え方に共感し惚れていく。全く持って別世界に住む2人が禁断の愛を育もうとするまでの物語である。


本作は冒頭から美しい風景が空中撮影される。海、空、山。そして山脈を駆け上る小動物(鹿)の姿、ノスタルジックな音楽のメロディとともに写し出される波の描写、なめらかなカメラワークがあらゆる大自然を捉え、そこに文明が生み出した1つの橋を捉える。海は真っ赤に染まり、夕日がこの大海原を覆い、紅灯の海へと帰る。まるで中島みゆきの"紅灯の海"のワンフレーズを映像化したかのように…。そして空にはカモメが飛び、砂浜には1人の美しい女性が絵を描いている。

山の上には9歳の息子ダニーが居る。そしてフレームの中には一軒家が写し出され、森の中には鹿、小さな滝、少年が戯れている姿が写し出される。彼は手に猟銃を持っている。カメラは少年と鹿を追いかける。川を渡り、ダニーが1発で鹿を仕留める…ここで美しい親子の描写から少しばかり残酷なイメージが入り込む。カットは変わり、ダニーがなぜ鹿を殺したかを問われている場面へと変わる。彼は楽しいからと答える。それを聞いた判事がママと話があるから外へ出てくれと言い、母親と判事が2人きりで話す。

続いて、判事は母親を叱る。そして色々とある問題点やなぜあの浜に住んでいるかなどを聞かれる。そこで息子が様々な問題を起こしていることを伝え、宗教学校に入ることになる事を命令される。母親は嫌がるが嫌がった場合は少年院に送ると言われる。しぶしぶ息子は学校へと行くことになる。続いてカットは道路を歩く親子の姿、通り掛かった車に乗せてもらい学校へと行く。

そこでは校長先生が2人の生徒を叱っている。どうやら落書きをしたようだ。そしてレイノルズ夫人(ダニーの母親の名字、名前はローラ)が校長室へやってくる。席に座り、命令で息子を入学することになったと伝える。校長は判事から話を聞いていますが、もう少し具体的にお聞かせくださいと言い、彼女は様々な事柄を話す。ローラ は神を信じている限り地上に平和はありませんと校長に言う。校長は無宗教に反対するつもりはありません、祈りも強制はしない、ここは刑務所ではありませんと伝える。

続いて、あの浜辺にある山で懸命に母親が息子に対して逃げなさいと言うが、関係者に捕まってしまい母親は落胆する。そして彼は学校の施設へと行く。続いて、校長の秘書のようなブロンドの女性クレア(校長の奥さん)がダニーと会話をする。勉強道具を入れる箱やお手洗いなど色々と説明する。そして校内の外でカンタベリー物語を話したと驚くその秘書が校長に伝える。きっと母親が教えたのねと言う。

続いて、校長が車に乗って母親がいる浜へと到着する。彼は車を降りて、家に行き扉をノックし中に入る。だが、母親の姿はいない。そして奥に行き母親と会う。そしてここで2人は会話をする(この時、ローラ は手の中にイソシギを持っている)。傷ついてるその鳥を丁寧に看病するローラ 、それを横で手伝う校長。そして息子と一緒にネバダに行くつもりだったことを伝える。

カットが変わり、ダニーが授業中に描いた絵が動物の首を切った残酷な絵だったことに困惑する教師が校長に相談する。そして校長がゴルフするカットへと変わる。そして着替え室で仲間に学校でその子に手を焼いていると相談をする。そして夜になり、校長のエドワードがローラ の家へと行く。そこには1人の男性コスがローラ をモデルに彫刻の作業している。

そして翌日、ローラ をエドワードが学校案内する。そして息子のダニーに再会し熱く抱擁する。そして夜、エドワードが彼女の家で彼女の描いた絵を見る。そして彼女は自分の罰としてその絵を暖炉に放り込み燃やしてしまう。それに驚くエドワード。そして夜、浜辺でパーティーが行われる。そして2人の禁断の愛が写し出されていく…と簡単に説明するとこんな感じで、シングルマザーの息子を思う気持ちと、別世界に住む牧師との愛を育む美しい風光明媚な土地柄で行われる人間ドラマだ。





いゃ〜大傑作にもほどがある。エリザベステイラーの裸体のグラマラスさと言ったら半端じゃない。健康的な小麦色の肌をしているし、肉体的にもちょうどいい具合でたまらん…素敵だ。それに終盤でエドワードと2人で暖炉の前で横たわるシーンで会話しながら接吻するときにイソシギがテイラーの頭に乗っかる奇跡のショットは凄い。頭に乗っかるようにうまく訓練したのか、何度もテイクを重ねて奇跡的に撮れたのか色々と考えてしまう。

この時からブロンソンは渋くてかっこいいわ。テイラーがまっ黄色のワンピースに真珠を首からぶら下げて、白いハットと白い手袋と白いカバンを持って学校に来客するファッションがとても素敵だ。そしてクライマックスのあのラストショット、胸に響く…。この映画の画期的なところは、人里離れた海辺で息子と2人で野生的な生活をしているのにもかかわらず、全くもって別々の世界に住んでいる住人と言ってもいいほど宗教の信念と情熱を抱いているエドワードとそれを真っ向から否定する女性がまさかの恋に落ち、愛を育もうとするまでを描いている。そしてラストから読み取れるものはここから2人の人生が出発すると言う点だ。なんとも素晴らしい映画じゃないか。

そんで脚本を誰が書いたかと見るとまさかのダルトン・トランボ…これはまいった。そりゃそうだよなと感心する。ダルトン・トランボと言えば昔ブライアン・クランストン主演で彼が赤狩りにあって偽名を使って脚本を描き、次から次えとアカデミー賞受賞したと言う話を見たのでよく知っている(この映画めちゃくちゃ面白いんで見てない人はお勧めする)。やはり彼が作る脚本はピカイチだ。

それにしても物語の舞台であるビッグ・サーと呼ばれるカリフォルニアの海岸の美しい風景は本当に記憶に残る。この海岸に2人きりで住んでいるから貧乏な生活をしているし、画も特に売れずに大変苦労な生活なのにもかかわらず、ここの自然が好きと言うことで自由な生活を送っている彼女はすごくタフに見える。自分も都会暮らしからこう言ったアーミッシュ的な生活に切り替えられるんだったらそうしてみたいもんだ(無理だろうけど)。

しかもこのローラの生い立ちを劇中で聞かされるシーンがあるのだが、なかなかシリアスで重い過去を持っているんだなと思わされる下りはすごく彼女に同情してしまう。内容はネタバレになるから伏せておくけど。この自由奔放な女性から目覚めの言葉を聞かされた牧師のエドワードが、徐々にローラを欲しくなり、ついには妻とも離婚し、彫刻家でローラの男友達にも憎悪を見せ始める、この展開がすごく激情的だ。

妻に嘘をついてサンフランシスコへ三日間の募金集めをしに行くと言ってローラを訪ね、新婚のような週末を過ごすシークエンスも非常に美しい。このいけないことをしている出来事をここまで美しく描けるのは流石ミネリ監督だ。あの彫刻家の男との三つ巴の浜辺での喧嘩シーンは凄いドキドキハラハラする。

それにしてもリチャード・バートンのメランコリーな容貌がすごく魅力的だ。タッパもあるしがっちりとした広い肩幅がエリザベス・テイラーを包み込む時、たまらなくかっこいい。ちなみにバートンの奥さん役を演じていたブロンド美女はエヴァ・マリー・セイントで、彼女は確か「波止場」でいきなりアカデミー賞で女優賞受賞した演技派である。テイラーも2度のオスカーを受賞しているし、2人の共演もなかなかの見ものである。

やはりこの映画のロケーション舞台も素晴らしい。このビッグ・サーと言うのはサンフランシスコの南にあるのだが、サンタルチア山脈の太平洋の荒波に洗われた横腹がそのまま海岸線をなしているので、岩肌や裸の崖や砂浜、アメリカ杉の森林がなんとも絶景を作り出している。この美しい自然風景がもう一つの主人公と言っても過言ではない。てゆうか監督自体、自然を第一の主人公にしていると思う。

映画を見れば誰もが思うが、この美しい海岸を余すことなく映し出している点は本当に素晴らしいと思う。それと冒頭に映るのだが、この原始的な風光明媚なところに1本のハイウェイが山々を越える場面がまた何とも言えない気持ちになる。

この映画は社会の中に蔓延する偽善やご都合主義にうんざりした女性が社会から逃避し、地獄だった青春時代を歳を重ねた今、自分のやりたいことに懸命に活力を捧げる青春時代を謳歌しているような映画だ。それに大切な要素が校長のエドワードの存在だろう。2人が浜辺で戯れる場面なんて学生のようだ。

とにもかくにもエリザベス・テイラーの美貌をどこまで追っていくような映画だった素晴らしい。
hothclub

hothclubの感想・評価

5.0
ビッグ・サーの美しい自然の中で、ヒッピーシンママのリズが絵を描いて暮らしてるってだけでもう100点満点な世界に現れたバートンさん、目と目が合った瞬間に雷に打たれた衝撃を表現しちゃうこの夫婦最高過ぎやしませんか?初めての夜は当然暖炉の前でエンドレスラブ形式。恋敵にロバート・ウェバーと、まさかのビートニク役ブロンソン!過剰な夫婦にぴったりの過剰サービステンコ盛り。律儀に結婚繰り返すリズに結婚なんてペテンと語らせてウーマンリブも挿入、どう見たって聖職者から程遠いのに牧師役多いバートンさんが堕落した自分を嘆いてグズグズのまま一切後片付けせずに1人ドロップアウト、夫婦の為の壮大な記念ホームビデオ化したファンサービスとしか思えない奇跡映画。もうアタシも海辺で絵描いて暮らすわ!
オープニングのテーマ曲がこの映画の曲だったのかと初めて知る。リチャード・バートンとリズ・テイラーが結婚直後の作品なのね。手ブラなテイラーをモデルに木彫りの彫刻を彫るチャールズ・ブロンソン。そこにバートン演じるエドがやってくるという場面が面白い。

内容は結局のところ不倫のメロドラマなんだけど、ローラが主張する女性の立場や、エドの妻クレアが言うエドへの不満など、今も女性が感じていることであり、この当時から比べて何か進化しているかというとそうでもないよな…と思ってしまう。

ラスト近くの卒業式みたいな場面で、ローラを見たダニーの同級生の驚き顔が笑える。「お前のママ、超美人じゃん!」みたいな顔で目を剥いていた。たまにローラの頭や肩に乗っているいそしぎが可愛かった。

映画になった時点で、かなり脚本とは違っていったらしい。20代の少女の設定が子持ちになったりとか。エリザベス・テイラーとリチャード・バートンの2人のスターにより多くのセリフが変わったと、「トランボ」映画原作には書かれている。
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