黒の試走車(テストカー)の作品情報・感想・評価

黒の試走車(テストカー)1962年製作の映画)

製作国:

上映時間:95分

ジャンル:

3.9

「黒の試走車(テストカー)」に投稿された感想・評価

やっぱりクールな増村映画は好き!
No1の新車を売り出す為にライバル会社の情報を探り合うスパイモノなんだが、長テーブル×シネスコの安定した格好良さと高松英郎の積極的外道演技、カメラを使った読唇術など細部が気持ち良い。
後、クライマックスで穢れてしまった男の背中を撫でてから肩に触れる女の手が滅茶苦茶色っぽい。
倒れた女がエロいのは増村映画の癖なんだろうか?
以後10作られたという黒のシリーズの第1作目

ストーリーは新車開発にむけての企業間のスパイ合戦
出演者やモノクロ作品な点を見てもそんなに期待された作品ではないんだろうけど、増村保造監督作品ってこともありそれなりに面白い

クレジットでは田宮二郎が一番最初に来てるけど、出番的には少ない、高松英郎のほうがそれっぽい、ラストのくだりとかおいしそうなところはそれなりにもっていってはいるけどそれなり

結構昔から存在は知っていて気になってはいたが、あまりぱっとしてない出演者から見ていなかった作品
ライバル会社を出し抜いたと思ったら出し抜かれている、二転三転するスパイ合戦、騙し合い、なかなか面白かった

あとは前半ほとんどモブに徹する船越英二、ミステリーでもそうなんだけど、名前が売れてるこのクラスの俳優がそれはないから怪しいよね、まあご愛嬌
この映画、「黒シリーズ」の第一作目だが、本作の予告編では「大映サラリーマン・スリラー第1作」となっている。
10作目まで続く人気シリーズとなった。

スポーツカーの発売を巡ってライバル会社同士がスパイ合戦を繰り広げる。
冒頭、発売前の覆面カーの事故を新聞でスッパ抜かれたパイオニア自動車は、ライバル会社への競争心丸出し。
両社がスポーツカー発売前にデザインなどの探り合い、発売直前には販売価格の探り合いで、パイオニア側の社員(田宮二郎)は敵側の販売価格を知るために恋人(叶順子)を相手の懐に潜りこませて爺さんに抱かせて情報を得たりする。恋人の体を差し出す狂った世界。
スパイが誰かを追求し、しまいには自殺者まで出す有り様。

狂った会社競争がうんだ「産業スパイ」を通して、歪んだ人間社会を描いた増村保造監督の傑作。

このレビューはネタバレを含みます

「スパイはこの7人の中にいる!」と言われて、パッとしない顔ぶれの中に船越英二がいたら、「あ…こいつだな…」って思うよね

「巨人と玩具」のシリアス版ともいえる。高松英郎はこういう役がホントにあう(さすがに覚醒剤はのんでないが)。

田宮二郎といえば、出世欲や金銭欲や性欲にギラギラしてる役ばかりだけど、今作では最終的に良識に目覚める。意外とそんな役もイケる。
mingo

mingoの感想・評価

4.2
11作続く黒シリーズの第1作。
1番おもしれえんじゃねえかっていうくらいには増村節炸裂、何より高度経済成長期の歪み軋みがオブラートに包まず真っ向から右ストレートで語られるからくそほど面白い。自動車会社間の熾烈なスパイ合戦が舞台だがこれはどんな企業間でもあったことで、もちろん現代社会の企業戦士として生きる我らにも突き刺さる傑作。
盗聴、盗撮、潜入、窃盗、買収、脅迫、強要、美人局、最後は偽装事故!ラストの船越英二の窓ぶち破り自殺は57年市川崑「穴」のオマージュか。完全に上位互換的面白さ。大映も凄いがやはりの増村。傑作。
大映男優祭です。

昔の作品の割には面白い。

キ◯ガイってワードが3回くらい。

真面目に新車を開発してる姿がなぜかコミカル。

でもストーリー、脚本は秀逸。

27本目 招待券
C

Cの感想・評価

4.2
一台の車の為に愛も家庭も人も崩壊。新作を出すたびに命がけかあ。愛社精神ってすごいなあ
「私みたいなオールドババアは金に弱いのよ」
とり

とりの感想・評価

4.0
高度経済成長期の日本において次第に物質主義が加速し、広告がデカデカと重要視されてきたことへの警鐘。そうした背景の中、産業スパイのこれまた行き過ぎた知略戦を描き、当時の物価も分かる。けど、この愛社精神、奉仕する気持ちは全くもって分からない。多分これもまた時代背景。
増村保造クオリティは本当に素晴らしい。高松英郎が鬼のように迫って来るが、要するにこの作品は『陸軍中野学校』の裏返しというわけだ。社会の構造を鋭く射る!
T

Tの感想・評価

4.0
ヤクザ顔負けの車業界。諜報に強請りに色仕掛け、何でもあり。愛する女をスパイのためにジジイに抱かせる、こんな異常な会社愛、社畜の日本人にしか理解が及ばないだろう。ドイツ表現主義的なハッキリした明暗で描く産業スパイ活劇。車のポスターの前で文字通り揉み合う2人の男、素晴らしいシーン。「パニオニア」のためにあらゆる感覚が麻痺する様が恐ろしく、様々な駆け引きが面白かった。
>|