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タンゴ ガルデルの亡命
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『タンゴ ガルデルの亡命』に投稿された感想・評価

菩薩
3.9
エリセの新作に「タンゴ ガルデル」ってワードが出て来たからいい加減観なければ封を切った。ただこれと言って共通点があるかと言うと…劇中劇があってそのラストがなんちゃらかんちゃらくらいなもので直接的な繋がりは別になさそう。とは言え二人ともスペイン語圏の軍事政権下で困難を経験し「スール」と名のつく映画を撮っており自身の経験を作品の中に大いに反映させている…なんて言う大胆なこじ付けをしながら精神的な繋がりを見出したりしたい。この作品自体は非常に重層的でそんなんが苦手な私は正直今どの話…?となりかけたが、ここで描かれるのはやはり祖国への郷愁と祖国を離れても尚色褪せないアイデンティティに対する矜持、そこにリヴェットやドゥミを思わせる鮮やかなパリ的エッセンスと南米文学的エッセンスとが注入されソラナス自身の強烈な作家性とアイデンティティが花開いている。ピアソラの音楽は言わずもがなとして映像面でも非常に充実しているのが開始早々に実感出来る、『スール/その先は…愛』の前段階として、希望に満ちたラストで清々しく幕が閉じられていく。
4.5
「タンゴ -ガルデルの亡命」

〜最初に一言、傑作。伝統的なハリウッドミュージカルを避けて、アルゼンチン人のコミニケーションの形の中から何か新しいものを作り出すソラナス監督の歴史を伝え、語り、伝統となるのに1番良い方法で描いたラプラタ特有の2つのダンス、タンゴとミロンガの関係を見事に映しだした傑作である。グロテスクで、日常生活のリズムとドラマを観客に見せたシュールで幻想的な唯一無二の作品である〜

本作はフェルナンド・E・ソラナスが1985年にフランスとアルゼンチン合作で監督した120分の映画で、この度DVDボックスを購入して初鑑賞したが傑作。1985年ベネチア国際映画祭で審査員特別大賞とユニセフ映画賞とイタリア批評家協会賞を受賞して、85年にはジョルジュ・オーリック賞(年間最優秀レコード)と同じ年にピアリッツァ映画祭で審査員特別大賞と芸術映画協会賞を受賞し、翌年の86年にセザール、音楽賞を見事に受賞した作品だ。モダン・タンゴの世界を切り開き、作曲家、バンドネオン奏者、楽団リーダーとして20世紀後半の単語界に大きな足跡を残したアストル・ピアソラは、生涯に40作品近い映画音楽を手がけているそうだ。

最も70年までに担当したものはほとんど全てがアルゼンチン映画であり、映画音楽作家としても世界的に知られるようになったのは、1975年のフランス=ブルガリア合作映画の「サンチャンゴに雨が降る」から、と言うことになるらしい。そしてそれ以降の代表作と言えば、やはりこの「タンゴ ガルデルの亡命」をおいて他にないとされている。監督のソラナス自身が、ピアソラの音楽を念頭に置きながら制作を進めていったこともあり、その期待に応えてピアソラの音楽が示す存在感には圧倒的なものがあり、音楽なくしてこの作品は成立しなかったと言っても過言ではないと音楽解説者である斎藤充正氏が言っていた。どうやら画面ではフアン・ドスのキンテート(五重奏団)が演奏しているが、もちろん実際の演奏はピアソラのキンテートであり、メンバーは過酷なスケジュールのツアーの間をぬって84年11月上旬にベルギー、ブリュッセルのスタジオで録音されたらしい。

彼らはその直後に2度目の日本公演を行っているようだ。ピアソラがこの映画のために書き下ろしたのは、フアン・ドスとマリアナが踊るオープニングのシーンで印象的に流れる"愛のデュオ"、作品の重要なテーマともなっている不在の2曲だけである。他の4曲はいずれも既に書かれていた曲を流用したものであり、ここでの演奏を発展させた形で、1986年にアルバム「タンゴ ゼロ アワー」の中で改めて紹介されることになったそうだ。劇中作品のキーワードタイトルにした「タンゲディアⅢ」は当初書き下ろしと思われていたが、実はこの曲はマルビーナス(フォークランド)紛争最中の1982年にロス・ラガルトス(海軍の団体名)の題でいちどステージで演奏されていたそうだ。

しかし、捧げた相手が弾圧的な将軍に率いられていると知らされてすぐに撤回、その後コントラアタケ(反撃)とタイトルを変えられていた作品だそうだ。そのタイトルの意味は、タンゴ+悲劇(トラへディア)+喜劇(コメディア)と言う意味の造語である。ガルデルは実際に亡命したわけではなく、30年代に入ってからはスペイン、フランス、アメリカ合衆国など海外での録音と演奏活動と映画撮影が多くなり、国にはあまり帰っていなかったので、この曲が表現しているような漂泊の気分は十分味わっていたとされている。その彼がニューヨークで長期の映画撮影を行っていた1934年に出会ったのが、バンドネオンを弾くアルゼンチン出身の13歳の少年、ほかならぬアストル・ピアソラだったそうだ。ガルデルは、その後の中米諸国ツアーを経て久々の帰国を果たす直前の35年6月にコロンビアのメデジン空港での飛行機事故で死を遂げたそうだ。

実は、アストル少年を気に入っていたガルデルは、このツアーに彼を連れて行こうとしたのだが、アストルの両親はまだ小さいからと断り、代わりに同行した別の少年はガルデルと運命を共にしたのである。もしこの時アストルが一緒に行っていったら、彼が飛行機事故で死んでいたと言うことになるだろう…。話は変わり、1910年ごろから民謡歌手として活動を始めたガルデルは、1917年に歌謡タンゴ第一号となった「わが悲しみの夜」を歌って、女に振られた男の心情を歌うタンゴの世界を築き上げて行ったそうだ。そのパイオニアであるだけではなく、優れた歌唱力とスター性によって、まさにカリスマとなったとの事だ。前置きはこの辺にして物語を説明していきたいと思う。


さて、物語は76年の軍事クーデター以後、誘拐、拷問、虐殺が日常となったアルゼンチン。その最中に夫を失った女優のマリアナは娘とパリに亡命、同じく亡命してきたバンドネオン奏者のフアン・ドスや仲間たちと音楽劇「ガルデルの亡命」を上演しようとリハーサルを兼ねていた。台本は祖国で官憲の目を盗んで執筆するフアン・ウノから送られてくるのだが、肝心の結末がいつまでたっても届かない…と簡単に説明するとこんな感じで、自身、祖国からフランスに亡命せざるをえなくなったアルゼンチンの映画監督ソラナスが、望郷の念、男女、親子の愛、そして明日への希望をユーモアと詩情に溢れたドラマとして描き出し、数々の映画賞を総なめにした代表作。タンゴの革命児ピアソラの素晴らしい音楽がたっぷりとフューチャーされた劇のリハーサルやダンスのシーンも大きな見所で、また、今は亡き巨匠オズワルド・プグリエーセ楽団の雄姿が見られるのもファンにはたまらないだろう。

この作品冒頭の橋の上でタンゴを踊る男女のロングショットがすごく雰囲気が良かった。あまりにも遠いので、ほぼシルエットみたいな影になっているが、とても印象的である。ソラナス監督のインタビューを聞く限り、この作品は様々な紆余曲折を経た後、5年目にして完成した作品らしく、それまでの困難や障害は彼のフランス亡命と切っても切れない関係があるそうだ。本作は監督自身の亡命から生まれたそうで、1976年、アルゼンチンにクーデターが起こり、監督は祖国を離れることを余儀なくされ、ちょうどその頃、タンゴとブエノスアイレスをテーマにした「アディオス・ノニーノ」の映画の準備をしていて、76年5月にクランクインの予定だったそうだ。ところがクーデターの勃発と同時に、彼は追われてしまい、命を脅かされ、映画所ではなくなったとのこと。

因みに「アディオス・ノニーノ」はピアソラの代表曲だそうだ。誘拐や拷問が日常茶飯事で、実際ライモンド・グレイセルの映画作家は行方不明になってしまったようだ。亡命するしか方法がなかった監督は、最初ベネズエラに留まろうと思って、でもビザがなくて、南米の国で映画の仕事を続ける事は政治的にほとんど不可能だったそうだ。そこで、ヨーロッパに行くことに決めたみたいだ。初めはスペイン、次にイタリア、そして77年に、妻と子供たちと共にパリに入ったそうだ。彼の願いは、とにかく自分のアイデンティティー、自分が1番よく知っている映画と言う言葉を守ることだったそうで、フランス人にさえ厳しい競争なのに、まして外国人の自分が飛び込んでどうなると言うのでしょう? 40歳にして…再びゼロからの出発だったと語っていた。

この作品は国の中での亡命を描いており、亡命はアルゼンチンの生活にとって、欠かせないテーマなんだと観客に訴えている。20世紀の3分の2を軍事独裁制、偽の選挙によって台頭した政府によって牛耳られてきた国だから、独裁を倒した歴史の主人公たち描きたかったのだろう。今思えばアルゼンチンやウルグアイからの大勢の亡命者たちの生活と夢の運命を描いていた監督の作品もあったし、彼にとってタンゴはまず生きることを優先させるものだったのかもしれ無い…。この作品の画期的なところは、人間が壊れたり手足を失ったり、電話がしゃべったりとシュールで幻想的な描写があることだ。まるで夢の世界のような、破壊的な表現を我々観客に見せている…と同時に我々に考える時間を与えている。

その点はサント監督の「エレファント」と同じである。ラテンアメリカ人とは一体何者なのか、亡命と言うのは一体何なのか、精神的に幾たびも破壊されると言う事は何なのか。なぜ人が殺されるのか、なぜ人は自殺するのか。個人をあらゆる角度から考えて捉えた作品である。それから個人的にはアルゼンチンの有名なイラストレーターのサバト描いたファン・ドスの部屋の落書きがすごく印象的だった。最後に余談だが、この作品にまつわるエピソードが1つある。ソラナスによれば、ピアソラはこの映画がパリで封切られた日、シャンゼリゼ通りの映画館での最初の上映に現れ、ストップウォッチを持ったまま2回も見たのだそうだ。自分の音楽が何分間使われたかを正確に測ったため…。
アストル・ピアソラの音楽目当てで鑑賞。
「タンゴ、タンゴ♪」と歌うテーマ曲が楽しげで印象的。順次進行+半音の旋律とツーファイブを活かした転調が巧みで、編成はバンドネオン+ビブラフォン+ピアノ+ギロ(途中でシロフォンとクラシックギターが入っていたと思われる)。作曲という点で見ても、編曲的にも良い曲すぎてパクりたい。北園みなみも好きだと思う。
音楽がとにかく100点の映画だけど、映像の色彩感も好みだった。アルゼンチン映画は初めて鑑賞したかもしれない。
あとせっかく格好良いジャケットなのに、エンタメ・プライス 3,000(税込)とか本当にいらないからなくして欲しい、Filmarksさん。本当にお願いします。

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