私の秘密の花の作品情報・感想・評価

私の秘密の花1995年製作の映画)

LA FLOR DE MI SECRETO

製作国:

上映時間:108分

ジャンル:

3.6

あらすじ

平凡な主婦レオには、誰にも言っていない秘密があった。彼女はアマンダ・グリスというペンネームでベストセラーを記録する、ロマンス小説の女王だったのだ。だが実生活は、不在がちな軍人の夫との仲がうまく行かず、寂しい毎日を過ごしている。そんなある日、夫から貰ったブーツが何故か脱げなくなってしまい、パニック状態になったレオは、親友で心理カウンセラーのベティに助けを求める。そして夫との不仲の相談も投げかけたレ…

平凡な主婦レオには、誰にも言っていない秘密があった。彼女はアマンダ・グリスというペンネームでベストセラーを記録する、ロマンス小説の女王だったのだ。だが実生活は、不在がちな軍人の夫との仲がうまく行かず、寂しい毎日を過ごしている。そんなある日、夫から貰ったブーツが何故か脱げなくなってしまい、パニック状態になったレオは、親友で心理カウンセラーのベティに助けを求める。そして夫との不仲の相談も投げかけたレオにベティはあるアドバイスを告げ、さらに良き相談役として新聞記者のアンヘルを紹介する。次の日、レオの元を訪ねたアンヘルだが、出会うと同時に彼女に一目惚れしてしまい…。一方的に愛する事、愛される事。レオがその身をもって知る事になる愛の哀しみとは?

「私の秘密の花」に投稿された感想・評価

それは岩(ロカ)の割目に咲いた花。
愛に振り回される女性の物語。

心臓が動いても。呼吸をしていても。
脳が機能を停止したら“死”と捉えるように。
夫婦の形も同じ。
泣いても怒っても足元に縋っても。
そこに“愛”がなければ、既に死んでいるのです。

そんな恐怖と感傷に満ちた物語を描いたのは“スペインの不沈艦”アルモドバル監督。さすが、女性の視点で物語を描かせたらピカイチですね。

しかも、悲劇を悲劇で終わらせるのではなく。
再生の形も描くからバランスが取れているのです。

それに、主人公を演じたマリサ・パレデスは当時49歳。日本の女優さんならば“お母さん役”が多くなる年頃ですが、本作では大いに惑います。自分が抱えた愛に翻弄されるのです。

でも、それって監督さんからしたら当然の姿。
女性は何歳になっても女性。
不惑と呼ばれる年齢を越えても、愛が枯れるわけではなく。「まだまだ現役なのだ」と力強く言っているのです。だから、真正面から“ありのままの姿”を描けるのですね。

そして、それでいて繊細な筆致。
白い紙きれが舞う風景。
田園を背景に朗読される詩。
食卓の上に咲く一輪の花。
些細な情景が胸を締め付けるのです。
いやぁ。なんとも見事な“愛に惑う人たち”への応援歌。思わず涙腺が緩みましたよ。

まあ、そんなわけで。
「人生は矛盾に満ち、時に公平である」と主人公は言いますが、その言葉を顕現させた物語でした。時系列で言えば『オール・アバウト・マイ・マザー』などの“女性三部作”の原型と言えるかも。だから、監督さんにしてはシンプルな筋書きも、逆に感慨深いものがあります。

…最後に余談として。
本作で一番格好良いと思ったのは“アザラシ”。あの懐の深さは真似したいな。あおあおっ。
ジャケットからもう好き。
アパートの鍵貸しますとカサブランカみよう。
クレジットかっこいいな。タイプライターと新聞の組み合わせ。

待ちに待った夫との再会は、夫の気持ちが離れていて落ち込み、精神安定剤を飲みまくるが自殺できず、酒を浴びるように飲むが忘れられない。
その後の
紙吹雪が舞う学生運動の中で抱き合う2人、よかったな。

デブのおっさんアンヘルに感情移入してしまう。愛する人のために下手くそなダンスで笑かす。純粋にレオのことが好きな
んだけど、レオは振り向いてくれない。

レオのお母さん、いいキャラしてるな。母さんの厚かましくてやかましい感じとめちゃめちゃ食べ物くれるのは世界共通。

人生は不思議ね。苛酷で矛盾してて意外と時にとても公平。
riekon

riekonの感想・評価

3.0
初めのブーツが脱げないから釘付けでした(笑)
お話は主人公が辛いことから抜け出して自立するよくある展開なのですがアルモドバルらしいグッとくる音楽とダンス、おしゃれなアングルに可愛いインテリアで素敵な作品になっています。
(ラストのふたりで暖炉の前の椅子に座ってキスするシーンは良いね)主人公を演じたM.パレデスの周りも明るくなるような笑顔が素敵で赤い服の似合うこと!
年取っても赤が似合う女性ってカッコ良いわ〜。
T

Tの感想・評価

3.8
『冷蔵室』ならぬ、のちの『ボルベール<帰郷>』プロットがちらり。壮大な自己分析の物語。物語と実生活の差が苦しい。
naomi33

naomi33の感想・評価

3.4
気紛れに鑑賞。
この監督の作品は初見ですがとても好きな感じだった。
細かい人間模様は主演とその周辺の人がうまく混ざり合って、騒々しいのに引き込まれた。
カオスの中にたまに取り入れられた美しい音楽や、
90年代のだぼっとした野暮ったい服も懐かしくて好き。
ロマンス小説作家のレオ。軍人で不在がちな夫パコとの関係修復に悩み、神経をすり減らし、結果彼に捨てられて立ち直るまでを描いたペドロ・アルモドバル監督・脚本作(1995)

主にレオの「夫に捨てられそう」「捨てられた」苦しみが描かれる。
「関係修復の可能性は無い」とばっさり告げるパコに深く傷つき自殺まで図るレオ。でもすんでのところで正気に帰る。
彼ら以外の登場人物も多彩で、特にレオの母親の爆弾トークには思わず苦笑い。

夫パコに捨てられた深い傷から立ち直るレオへの視線は温かい。
監督らしい、ひとりの女性の苦悩と回復の話だなと思いました。
かな

かなの感想・評価

5.0
夫婦関係、友人関係、親子関係そして私の秘密の花。驚くほど緻密に描写されていて、ついつい入り込んでしまった。いろいろな愛が散りばめられていてあたたかい気持ちになるし、なんとなく自分に対するエールのようなものも受け取れた。今、求めているものがこの中にあったのかも。タイミングってあるよね。
なすび

なすびの感想・評価

3.7
アルモドバルってなんかアルモドバルってわかる何かがあるんだけどそれは一体何なんだろう???
いつものことだが女性の心をよくわかっていらっしゃる。さすが。
アルモドバルって映画好きなんだろうな〜〜映画からの引用けっこうしてる
Erina

Erinaの感想・評価

3.5
ペドロアルモドバルにしては衝撃が無くあっさりとした印象。これは観るたびに味が出て来そうな作品。
主演はオールアバウトマイマザー、私が、生きる肌のマリサパレデス。
本作の時点で結構な歳だと思うけどなんせ美しい!!派手な色にミニスカがとても似合う。
冷たい夫にたくさんのロカを注ぐレオが痛々しいほどに純粋で切なくなる。

情熱的なフラメンコ💃に目が釘付け。

もうちょっと歳を重ねたらまた観たい映画。
>|