ブルー・ジーンズの作品情報・感想・評価

ブルー・ジーンズ1958年製作の映画)

Blue jeans

製作国:

上映時間:22分

3.6

「ブルー・ジーンズ」に投稿された感想・評価

Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.5
「ジャック・ロジエ短編集」

冒頭、愉快な音楽と共にスクーターで2人の男が道を走る。夏のアバンチュール、かわいい女の子達をナンパしようと意気込む、美しい海、風光明媚な土地、海水浴での戯れ。今、男女の夏物語が始まる…本作はジャック・ロジエ監督による1958年、63年のモノクロ短編映画で、この度DVDにて初鑑賞したが素晴らしい。まずは「ブルー・ジーンズ」の話からする。


「ブルー・ジーンズ」

本作は南フランスの海にきらめく青春を、みずみずしく捉えた傑作として有名なロジエの短編映画で、この度DVDのロジエ短編集により初鑑賞したが素晴らしい。相変わらずのアバンチュールを楽しむような作品だ。どうやら1958年トゥール短編映画祭に出品したようで、一躍彼の名を高らしめた出世作のようだ。彼の処女短編は「新学期」と言うもので、55年に製作されているが、こちらはまだ見たことがない。本作は短編第二作品と言うことになる。

この作品の舞台はどうやらカンヌであり、地中海に面したコートダジュール地方の避暑地として19世紀に貴族が別荘を立て始めたことから発展した街が写し出されているようだ。カンヌと言えばやはりカンヌ国際映画祭が有名だろう。ただそれだけではなく他にも美しい海岸沿い等もあるため、カンヌと言う街を色々と見てみたいなと思う。この作品に出てくるアンティーブ通りと言う街中を通るショッピングストリートがあるのだが、そこも魅力的だし他にもクロワゼット通りと言う所もある様だ。後ミディ通り。




さて、本作のあらすじを言うとウェスパに乗ってカンヌの海岸通りを流すルネとダニィ。女の子たちを誘うためTシャツにジーンズ姿で目立つスタイルをしてもなかなか女の子たちは振り向いてくれない。ところが、ある日ビキニの女の子達を年上の男達から連れ出すのに成功する。ガス欠でガソリンスタンドにウェスパを1台残すも、女の子たちを静かな入江のビーチに連れ出せたチャンスは逃さない彼ら、砂浜で思い想いに戯れ、夜はカーラジオから流れるポップソングにのってダンスタイム…と簡単に説明するとこんな感じで、1958年にフランスでロジエが監督した23分のモノクロ映画である。

この作品は全編サイレントで撮影されているようで、音声は後にアフレコをされたそうだ。主人公2人の青年のうちの1人の声を担当したのは同じくフランスの巨匠の作品に多く出演してきた俳優のジェラール・ブランとの事だ。それにしても映画全体的に優雅に満ちており、バカンス時の海岸を男女が歩くシーンだけでこんなにも美しく思える映画はなかなかない。これが後の「オルエットの方へ」につながるのかもしれない。

やっぱりロジエの凄いところは、たわいもないような物語をものすごい重要な映画として捉えている点だろう。だってこのわずか20分程度の短編映画の中身はほとんどが無意味に感じ取れるような事柄ばかりである。たかが女の子をナンパする男2人のたわいもない夏のバカンスを捉えているだけなのに色々と考えさせられる魅力的なものがたくさんある。青春の象徴的なものも入っているように思うし、いつしかのネオリアリズム的な流れも確認できる。

要するに一つ一つのショットが非常に厳密に計算しつくされている。こんなんじゃぁゴダールが大絶賛するのも当たり前だろう。この作品の翌年の59年にはゴダールのフィルモグラフィーの中でも傑作の地位を占める「勝手にしやがれ」が制作され公開に至る。またこの映画に登場する女の子たちのファッションも今では考えられないような風俗的な要素があって、ノスタルジックにも感じてしまう。俺はこの時代を生きているわけではないが…。

もうナンパするような歳では無いが、この映画を見ると1日1日を大切に過ごしたいなと思わされてしまう。反復の性質はこの映画にも見て取れるが、小津安二郎の作品にも精通するところがある。最後になるが、ナンパは決して悪い事ではないね、うん。



「パパラッツィ」

本作は1963年にジャック・ロジエがゴダールの「軽蔑」の撮影風景をとらえた2つのドキュメンタリーの1つで、20分の短編映画だ。このたびDVDにて初鑑賞したが面白い。というか美しい。物語的には主演のバルドーとそれを追うパパラッチの攻防戦を描いている。この作品にはドイツの映画作家フリッツ・ラングのオフが写し出されていたのに驚く。やはりイタリアのカプリ島でのロケーション撮影は本当に美しく、モノクロ映像の中からでも感じ取れる。そこに監督のロジエが取材しに来たとのこと。そういえばブリジット・バルドーをモノクロ映像で見るのは初めてかもしれない…。

ブリジットバルドーの様々な雑誌の表紙が数多く写し出されるショットのループが印象的だ。




「バルドー・ゴダール」

本作は1963年にゴダールの「軽蔑」の撮影風景をとらえた2つのドキュメンタリーのもう一つで、10分の短編映画だ。この度DVDにて初鑑賞したが面白い。物語的にはバルドーと監督ゴダールとの関わりを描いた双子作品で、ドキュメンタリーでありながら、ロジエの代名詞の1つ海と水着の美女とそれを取り巻く男たちを一環したテーマで全編を漂うメイキング的な作品なのだが、従来のメイキング映像とは一線を超えている。

一番重要な被写体であるブリジット・バルドーが徐々に脇に置き換えられてしまうのは笑える。基本的にゴダールがメインになったり撮影風景のメイキングにフォーカスされていく。やはり世界遺産やナポリを見てから死ねと言う言葉がある様に、カプリ島のカンパニア州に行ってみたいよな。
なんと瑞々しい!
フランス人に生まれてナンパしたい人生だった。
m

mの感想・評価

4.0
ナンパする男の子たちが魅力的な女の子たちに取り残されていく感じ バカンスの終わりと限られた青春
最初のオープニングから最高。フォントと音楽。解説書読んでアフレコって気づいた。短編とバカンスは組み合わせとしては難しいように思えるが、それでもどこを切ってどこを使うみたいなのが巧みだからなのか、ちゃんとバカンスなんだよなぁ。ロジエ凄いなぁ。同時にゴダールの慧眼も凄いし。お二方にはただただ感謝です。
人物を黒く潰しすぎな気はするけど、楽しめた。女の脚に石を乗せて、片方の開いた脚の間に、指で弾いて石を飛ばすとこのヘンテコな官能性。スクーター4人乗りは「オルエットの方へ」の馬より食らった。
sonozy

sonozyの感想・評価

3.5
ジャック・ロジエ監督の1958年のモノクロ短編(22分)

冒頭からラテンなMusicに乗せて、Tシャツ&ジーンズの二人のメンズが、海岸通りをVespa 2台で流すという夏らしいシーンで惹き込みます。

夏のヴァカンス期のカンヌの海岸通り。
この二人のメンズ(旅行客なのか、地元民なのか不明)がVespaに乗って毎日ナンパに励むというだけのお話です。笑

白T君とボーダーT君の二人。
白Tが日本のオッサン下着風なのが気になるのと、ジーンズに裸足でいるのが暑苦しい感じもしますが(ショーツ、トランクス、水着姿は出てこない)、タイトルがブルージーンズなんで、そりゃそうか。笑

二人は金もなく、ナンパした女子を乗せた2台のVespaでガソリン入れた後、金が払えず1台をGSに預けなくてはならなくなり、1台のVespaに4人乗りしちゃったり、友人が停めた車のラジオの音楽で夜の海岸で女子とダンスしたりと、微笑ましい。

Vespaというとイタリアのイメージでしたが、当時はフランスでもACMA Vespaというのが製造されてたようです。

冒頭から流れるテーマソング的な曲を調べてみると、
キューバのOrquesta Sensacion(オルケスタ・センサシオン)の"Cero Codazos"という曲でした。
「チャチャチャ」というジャンルになるのかな。最高です。
https://youtu.be/p8iLC6Au9j4

短編はここに出てるDVD-BOXに収められてるようですね。(現在は入手困難orバカ高)
輸入DVDで見ました。
ゴダールのふぁぼ。
楽しいけど始まりから終わりを予感させられる。切ない。
ネット

ネットの感想・評価

4.0
夏、海、バカンス、笑い声、陽光溢れるビーチ、涼やかな夜の街、ダンス、横移動…宝石箱のような映画です。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.0
【ゴダールのお気に入り!インスタ映え映画】
GWはバカンス映画が観たくなる。バカンス映画ならジャック・ロジエにお任せだ!

本作は面白いことにゴダールの『イメージの本』で引用されている作品。ナンパシーンをぐちゃぐちゃに加工し、顔が識別できない使われ方をしています。また、ギョーム・ブラックのバカンス映画『遭難者』は明らかに本作の影響を受けています。

そんな『ブルー・ジーンズ』ですが、ナンパ男の開き直ったかのようなナンパが清々しい作品です。バイクで海岸を疾走、街行く美女を「ねぇねぇ姉ちゃん〜」とナンパします。逃げられても諦めないのが野郎。逆立ちしているマッチョの美女をナンパテイクアウトするのです。そして一夜限りのデートに励む。

ジャック・ロジエのバカンス映画が何故面白いのかと考えてみた際に、バカンスの終わりに感じる切なさを捉えているからだと思う。

バカンスが終わると非日常から日常に戻る。一回性の楽しさにしがみつこうとして胸が締め付けられる。『オルエットの方へ』のパリメトロシーンが最高なのと同様に、本作の夜道をトボトボ歩く野郎にバカンス終焉の素晴らしい切なさを感じた。

とにかくサイコーでした。

ところで、ふと思ったのですが、若大将シリーズって一歩間違えればロジエやロメール系バカンス映画になったよね?
大越

大越の感想・評価

3.7
今日をもって早稲田大学戸山キャンパスには夏休みが来たようです。

「砂浜でカモシカのターン
暑い夏はカーステでダンス」
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