ギャングスター・ナンバー1のネタバレレビュー・内容・結末

「ギャングスター・ナンバー1」に投稿されたネタバレ・内容・結末

憧れであり自分が取って代わり超えようとする者の敵を殺す主人公の、その表情に表れた本心の痛々しさ。クレイジーサイコホモと聞いていたんだけどそんな単純なものじゃなかった。間違っているわけでもないんだけど。
これは片想いの恋愛感情かといったら少し違う気もする。「俺の憧れ・理想」、その相手が変容し憧れた姿から離れていくことへの苛立ちと悲しみ。母親不在のエディプスコンプレックスに似たなにか。彼に成り代わろうとし、結局は何者にもなれなかったモンスターの、その愛憎や悔しさの滲む叫びが哀しい。

若きベタニーさんの眉毛がほとんど無くて最高。
ベタニストのオススメを受けて。
細身のスーツに身を包んだポール・ベタニーがまずそれだけで眼福。
血生臭いギャングもの、だけれどフレディはどこかスマート。フレディに勝てない、フレディに勝ちたい。彼は襲撃されて、彼は恋人を殺されて、彼は刑務所に入って、彼は30年無駄にして、俺は彼よりも稼ぎ、彼よりも組織を大きくし、彼よりも優れている、はずだ。
フレディへの拭えない劣等感、どれだけ野心を燃やしても結果を出しても彼を貶めても最後まで消せないまま。
ギャングスターNo.1、観終わるころにはなぜか虚しく響くタイトル。
自分を拾ったギャングのボス、フレディを蹴落として、仕立てのいいスーツ、靴、地位、金、彼の持つ全てを手に入れたはずなのに最後まで肝心の自分のアイデンティティを手に入れていない《ギャングスター》こと孤独な主人公。
かたやボスの立場から転落し全てを失うも、愛を知り満たされているフレディ。
この2人の差が面白い、というと陳腐な物語に思えるのですが、いっぺん本作を観てみるとこんなにも面白いから凄い。
なので脚本よりは圧倒的に演出が要となっている映画だと感じているのですが、本当に演出がどのシーンも見事で、飽きない。
ただこれをどう面白いのかと言われると…観て感じて!としか言えないです。なので好みはかなり別れること必至かと思います。
ベタニーのイカれっぷりとほんの少し垣間見える哀しいケダモノぶりが美しくも汚ならしくて良い。
暴力シーンも程よく、ゴアが苦手すぎなければ割と観やすい映画に思えました。
主人公のフレディへの固執ぶりが面白いです。

若かりし頃を演じるポール・ベタニーと30年後の老いた姿を演じるマルコム・マクダウェルは顔つきなんかは似ていないはずなのに、彼らの気迫や演技に呑まれるうちにどんどん2人が似てくるから凄い。
現在でもそこまで名前が売れていないポール・マクギガン監督の初期作品

内容は、

若いギャングがボスのフレディに憧れ、奮起して働く

フレディに彼女が出来て色々と拗らす

これだけである。

細かく書けば色々とあるが若きギャングスターはボスのフレディ・メイスが大好き過ぎて、
彼女が出来たら狂ってしまった。

ただ狂ってる描写、絵造りが尋常じゃないくらいパワーを持っている作品

若きギャングスターをポール・ベタニー
老いたギャングスターをマルコム・マクダウェルが演じている。

これだけでも観る価値ありです。
ポールベタニー目当てで借りました。まあ、なんていうか、あれでしたね。相当なサイコパス野郎として描かれてましたね。レオンのスタンフィールドを思い出します。そんな役が様になる彼も彼ですが。
物語のあらすじはタイトル通り、ポールベタニーがギャングの下っ端から頂点へ昇り詰めようと野心をメラッメラに燃やす物語。熱血っぽく思えますけど、全然。始終ポールベタニーが理不尽な暴力、殺人を繰り広げていきます。
最後は、お望み通りボスをムショに追い払うことに成功。自身が頂点へ君臨し、競馬やクスリやらでガッポリ、部下も何百という単位にまで増やします。けれども依然として満足していない様子。30年近くたって出所した元ボスに自分を殺してくれと頼みます。(この時演じてる俳優が、主演だけ若い時と老人の時で違うのには何か理由があるのか、、、?)
でも元ボスは怒りを抑え、それを拒否。静かに部屋を後にし、ビルの外で待っていた妻と抱擁。それを怒りの形相で眺めるギャングスター。(主人公の名前は明言されておらず、ギャングスターがその名前の代わり?らしいwiki参照)

復讐をしないこと=相手の罪を許す という単純な方式ではないのだなと思わされたこのラスト。最後ギャングスターはというと、ビルから飛び降りる。形式的にはトップにのぼりつめたギャングスターだが、彼の前にはいつも元ボスフレディの影があり、彼自身それに無意識のうち悩まされ続けたように思われる。だからこそ、多分罪の意識など微塵も無いと思われるけど、過去に死にそうな状態に陥った元ボスとその妻を見捨てたという自分の罪の代わりに、元ボスに自分を殺させようとしたのかなと。ギャングらしく、寿命で終えるより敵?に自分を討ってもらいたかったのかなと思います。
主人公が老境に差し掛かり過去を回想してるから、話を前後して妄想のような画面が出てくるのが印象的だった
敵対勢力を殺すシーンを妄想してるような多面鏡みたいなシーンが後々はっきりとした場面としてストーリーに入ってきた時テンション上がった
下着姿のポールベタニーがカメラに跨ってボコスカ殴ってくるシーンは体験型アトラクションみたいで得した気分

女と踊りながらもボスを見続けるポールベタニー怖すぎた
直前にネクタイピンもらって喜んでる顔からのこれだからすごく怖い
目元の彫りの深さと眉毛の薄さと頭からつま先まで隙なくシュッて整った感じトータルで酷薄そうな印象あるんだけど、そんなキャラクターで目の前の女に微塵も意識を向けずにボスを見つめてるの本当怖い
目の中で泳ぎ髪の中で踊り〜っていうところ、惚れた相手でもないと出てこないようなロマンチックな言葉で「怖いポールベタニー」と「恋におちてるポールベタニー」が両立しててめちゃくちゃ魅力的だった
恋は男をヤワにする
なんていうか天城越えみたいなゲイだなって思った
回想が終わってもゲイが止まらずフレディに囚われ続けた哀れな男だった
こんなに夢中になれる人がいるってすごいね

スーパーマンとキングコングは同列なのか
映像もでてくる人も音楽もおしゃれだなあっていう映画。シューリスも背高くてすてきなんだけどベタニーのスーツの着こなしはまあめちゃくちゃかっこいい。少々血なまぐさいけどあの血が飛び散ってる画でさえ赤が映えてて綺麗、、?名前さえ出てこなくて人に認められないことそしてどんな汚いことをしたって何をしたって憧れの男は越えられなかったこと哀しい。
理想の人間フレディを追いかけ続け、ギャングスターにのし上がるもフレディのようにはなれないまま年老いたギャングスターが虚しく悲しい。
とりあえずベタニーの狂気的な演技がとてもかっこいい。

理想を追い過ぎて自分自身を見失ったから、ギャングスターの名前が特定して出てこないのかな?と勝手に考察。
1968年、「暗黒街の貴公子」の異名を持つマフィアであるフレディ・メイズの手下になった男がギャングスターとして成り上がるまでの回顧録。

意外とよくあるプロットで、ギャングという要素を取れば成功者である人の葛藤を描いた物語だと思います。

ボスであるフレディ・メイズに憧れ、忠実に任務をこなしていった彼は組織内で次第に頭角を現していく。右腕とも言える存在になったある日、一緒に行ったバーでフレディが接待の女に本気で惚れてしまったことにより、彼はある種の失恋をしてしまったように思えます。
強い思慕は憎しみへと変わり、ボスという地位を取って代わろうとする欲へと繋がった。ボスとなった本人としては当初から狙っていたことだから遂に上り詰めたという満足感があると思ったのでしょうが、実際のところは理想であったフレディに成り代わるのではなく、認められたかった所が強かったんじゃないでしょうか。

金は稼げてもボスのように自分を慕う人はいない。
自分を定義することもできない。
何時迄も貰ったタイピンを大切に使っているのが印象的でした。
ギャングスターのナンバーワンになった彼に待ってたのは虚しさと虚無感。
彼が本当に欲したのは憧れのボスのNo.1になることだったんじゃないでしょうか。けれどそれを知ることは最期まで無かったようです。んー、いや認めたくなかったのかもしれませんね。最後の叫びにはそんな思いも感じられます。気づくには遅すぎた。

そういえば主人公のカメラへの睨みは『時計仕掛けのオレンジ』を想起せずにはいられませんでしたねー。だからなんだという話ですけど笑
白ブリーフに血まみれ。

[2014.8.9追記]
この映画のポール・ベタニーほんとに好き。狂気に満ちてる。一番好きなシーンはエレベーター。あそこすごーく身体中の血がフツフツと湧き上がってくるのがわかるんだもんね〜素晴らしいって!年老いた時になんでポール・ベタニーだけ役者かわってるんだろう…って初めて観た時は思ったんだけど、今はなんとなくわかると言うか…なんかラストあたり若い頃と年とった彼が交互にうつるとこあるじゃんね。あれ観たらなんか許せた。やっぱりちょっと狂ってる。
なんかさぁ…憧れと恋の境界線ってなんだろうね?彼は絶対恋してたと思うんだよ。結婚もせずにずーっとずーっと30年間彼を待っていて、でも殺されることさえ叶わないなんて切なすぎる…それでいてあのエンドロールの曲。狙いすぎなのにまんまとひっかかってしまうのね…釣られるわ腐女子。