素晴らしい一日の作品情報・感想・評価

「素晴らしい一日」に投稿された感想・評価

ヤバい、これ!
好きすぎる!
好きすぎるよ、ハ・ジョンウがっ!

コチラのジョンウさんは、テロやトンネル崩壊に巻き込まれないし、詐欺師の伯爵や不正を暴く検事でもなく、1年前に別れた元カノから貸した金返せと迫られるも、お金が全然なくて元カノと一緒に1日中ひたすら金策に走り回るダメ男なのです。

ストーリーも、ほんとにそれだけの話で、劇的なことは何一つ起きずに、ただただお金を貸してくれそうな知人を訪ね歩くだけの話なんですが、これが全く飽きさせない。

元カノのヒスは同時に失恋と失業をしてしまい、お金も底をついたので、元カレのビョンウンに350万ウォンを返してもらいに1年ぶりに会いに行くのですが、まあ終始不機嫌で仏頂面ですよ。
対してビョンウンの方は、能天気でヘラヘラしてて、ヒスに返すための金を借りに行く相手もほとんど女性ばかり。

オバハン社長、ホステス、スキー教室の元生徒、学生時代の後輩、同級生などなど…
アンタ、今まで何人の女と関係しとんねん!
一体どういう過去やねん!
知らんけどな!
みたいな感じでヒスはイラつくんですね。
そらそうですよね。別れたとはいえ、元カレがどういう関係かわからんけど次々と女の人に会いに行っては、お金を貸してもらってるんですよ。
しかもやけに親しげな感じだし、なんか面白くないじゃないですか。
ヒスにとっては全くのアウェーですよ。
でも、ビョンウンはヒスを連れて行って事情を話すとちゃんとお金を貸してもらって。

イライラしたり拗ねたりしてずっと不機嫌なヒスに対しても、ビョンウンは声を荒げて怒るような事もないし、ずっと優しくって、それがヒスにとっては拍子抜けするけど、何人ものビョンウンの知り合いに会って話するうち、ビョンウンの人となりが浮き上がってくるんです。
愛嬌があってお人好しで人情肌で、身の丈に合わない夢見がちで、お気楽で、優しくて。

失業してお金もないのに競馬場に行ったり、元カノにお金を借りたまま1年間も放置してたりと典型的なダメ男なのに、人柄が良くて憎めないんですよね。
愛され系ダメ男。

別に誰も成長しないし問題も解決しないし、結局ビョンウンはヒスには借金を返したけど、たくさんの人達にまた借りてるわけだし、そんなどうってことのない金策ドライブをずっと映してるだけの映画なのに、その場その場のピリッとした緊張感、気まずさ、腹立たしさ、羨ましさ、惨めさなど、ヒスの仏頂面にその時々の繊細な感情が表れ、その場を覆う空気や間の感じがすごく伝わってくるのです。
ハ・ジョンウのくるくるとよく変わる表情もほんとにほんとに魅力的だし、お洒落な音楽やカメラワークもセンスが光ってて、冒頭の長回しのシーンからラストカットまでずっと惹きつけられました。

もう、とにかくハ・ジョンウですよ!
たまらんです!
なんなんだ、この人の茶目っ気は!
ハ・ジョンウを世界遺産に登録して欲しい!
世界人物遺産 茶目っ気部門で。

10年くらい前にギドク作品で見た時は特に何も思わなかったし、その後「テロ・ライブ」で見た時は韓国にも大鶴義丹がいるんや、くらいの事しか思わなかったんですが、見るたびに特にイケメンでもないのになんかカッコよく見えてくるしで、今めちゃくちゃ好きです!
大好きです!
お金貸すから1日一緒にドライブしてください。
バスであんな感じで座ってくれたら、わたし鼻血吹き出して絶命するかも知らん…。
などと危険な妄想に浸ってしまいました。

ハ・ジョンウの魅力てんこ盛りの素晴らしい作品。
人と人とが織りなす小さな小さな人間模様、心の綾がじっくりと描かれてわたし好みでした。
ちょっとビフォアシリーズやハル・ハートリーの「はなしかわって」なんかも思い起こしましたよ。
大好きな作品です!

84

2回目: 2018.9.17
きのう見たのにまたすぐに見たくなってしまった。
初見では見過ごしてた細やかな伏線があったり、チョン・ドヨンの上手さにもあらためて感心したり、会話や動作や視線、表情、間などによって人となりや過去が浮き出るような演出の素晴らしさ、演技、音楽、全てが好きすぎる!

チョン・ドヨンの蔑むような棘のある視線や口調も最高!
そんな不機嫌な彼女がふと見せるさっきまでとは違った表情や言おうとして飲み込んだ言葉にグッと来ます。

甲斐性のないダメ男なのに、人懐っこくて素直で嘘のない人柄に、たくさんの人が惹かれ、知り合いも多く、それと比べてギスギスした心の狭い余裕のない自分を感じたり…、そういうのすごく分かるんですよね。
ダメな男なのに自分にないものがたくさんあって羨む気持ち。

別れた元恋人同士が金の貸し借りを巡って否応なく一緒に過ごす1日って、最低のシチュエーションなんだけど、互いにかっこつけようもないみっともない状況だからこそ、相手に対して気付いたり見えてくるところがあって、そういうのがすごく良いなと思いました。

スコアも4.7から5の満点に。
ほんとに大好きな作品になりました!

84
taka181

taka181の感想・評価

3.6
なんとなくいい感じ、の極み的な出来映え。「はなしかわって」に似てる。
tak

takの感想・評価

2.9
主人公ヒス(チョン・ドヨン)は、元恋人ビョンウン(ハ・ジョンウ)に貸した金を取り戻すために会いにやってきた。そもそもビョンウンのだらしなさに耐えかねて別れたのだったが、競馬場で再び会った彼はさらに金に困っている様子。結局すぐに返すと約束したビョンウンは、あちこちから金を借りてヒスに返すことに。そしてビョンウンの借金行脚にヒスは一日付き合うことになる。言葉厳しく接するヒスに、のらりくらりと受け答えするビョンウン。苛立ちはおさまらないが、様々な人と関わる彼を知ることで少しずつ彼を憎めなくなってくる・・・。

競馬場で詰め寄ってから、返済の為の借金に走り回る一日を追った物語。淡々と時間が過ぎていく展開で、正直なところ前半は睡魔との戦いだった。何事も起こらないし、ひたすら車の中での言い争いが続く。しかし後半。ビョンウンが甲斐性無しで頼りない男と思っていた主人公が、彼と接する様々な人々を通じて彼のいい面をだんだん理解していくところで映画は俄然面白さが増してくる。原作は平安寿子の短編小説で、ソウルに舞台を置き換えて翻案した映画。日本文化が解禁になってから、韓国では日本のコミックや小説の映画化ドラマ化が見られるようになった。韓国映画は脚本にソツがなく、伏線の張り方が緻密な印象がある。この映画でも脇役のちょっとした台詞が主人公の気持ちに変化を及ぼしていく過程が上手だ。ビョンウンと別れた後、車を引き返して彼の様子を見るヒスの表情が印象的だ。全編ずっと苛立っていたトゲトゲしい表情から静かな変化を遂げるラストシーンの余韻がいい。だが全体が間延びした感じも否めず、せっかくのクライマックスの良さが残念な気も。
IPPO

IPPOの感想・評価

3.4
心地良し。
「男と女」の監督さんなんだ。

韓国映画と言えば血みどろ暴力満載っすけど…これがおんなじ韓国映画?笑
韓国映画でもこんなフレンチテイストな作品あるんだ。

ちょっと苦手だったチョン・ドヨンはこの作品だと深津絵里や常盤貴子よろしく一昔前の日本の連ドラでよく見た気の強いちょっとセンチメンタルな都会の女風情。どこか懐かしい佇まいで好感度上昇。彼女の幸薄顔なのに、妙に化粧映えする顔立ちにはなんか色気がありますよね。

一方、ハ・ジョンウの野暮ったさ、少年ぽさ、強引さ。彼の持つ人間力がかなり引き出された作品でした。

ソウルの街並みをこんなにも、丁寧に綺麗に魅せてくれる映画は、この作品しか知りません。屋上の豚トロパーティ、楽しそう過ぎ。
いい映画だった。

30代後半から40代前半にぐさりとくる。
たぶん若い人が見てもダラダラしてる映画としか思わないんだろうな。

というか主人公と俺の顔が似すぎてて……(笑)
そしてダメ男っぷりも似てる。

なんかね、若者を終えた世代の悲哀というか、そんなのを感じてぐわーんとなる(語彙力)

ツンデレのこの女優のおばさんメイクとか演技とか、なかなかにハイレベル。
お見事!
sさん

sさんの感想・評価

4.5
" 最低な今日が、最高の笑顔で終わる。
大人のためのリアル・ファンタジー "

おたがいの眼差しに胸がくすぐられる。
この '一日' をまた見たくなるだろうな。
国領町

国領町の感想・評価

5.0
★★★★★it was amazing
『素晴らしい一日』 イ・ユンギ監督
멋진 하루 / My Dear Enemy
             タイラ アスコ
原作はオール讀物新人賞受賞の平 安寿子の同名短編

ヒスは1年前に別れた男ビョンウンを訪ねる
貸した350万ウォンを返してもらうため。

他に話すこと、あるだろ?
「元気だった?」とか「変わったわね」とか。・・ウンウン確かに(笑)

ヒスとビョンウンの新たな金策の1日が始まった
それはヒスが知らないビョンウンの女達に出会う旅でもあった

能天気な甲斐性なしのビョンウンを演じたハ・ジョンウ
しかめっ面で、クールなヒスを演じたチョン・ドヨン
主役2人の微妙な演技が素晴らしい
だんだんと透けて見えてくるビョンウンの人となり
ビョンウンを見つめるヒスに感情を重ねてしまう

韓国映画だけどフレンチテイスト、ジャジーな音楽、
ラストカットのヒスの笑み・・・・心地いい余韻
ビターチョコが口の中で溶けていくような味わい

『素晴らしい一日』・・・素晴らしい映画でした
なすび

なすびの感想・評価

5.0
(2回目)深夜にどうしてもこのハジョンウに会いたくなってまたすぐ見てしまった…!少しだけ見ようと思ってたのにはまってしまって結局最後まで…!2回目見ると2人の過去に何があったのかまでヒントを集めて想像しちゃう、たのしいな〜。この世にこんなハジョンウがいると想像しただけでハッピーになれるわ、顔を覗き込んだり名前をたくさん呼んだり疑問形で話したり、母性本能のくすぐり方が分かってますな〜そしてそれにまんまとハマる私。こういうダメ男がタイプだからなぁ…。また夜とかにふと見たくなると思う、DVD買わなきゃ〜

(1回目)ハジョンウが出ている(しかもラブストーリー)からという軽い気持ちで見たのに、なんと…オールタイムベスト入り決定…!完全にやられた、無防備なみぞおちに一発入れられKO…これはあかん、こーれはアカンぞ(※私情挟みまくりの鬼長レビュー始まります…)

ズバリ!共感度150億%ォォォ!完っ全に自分の昔の恋とあの彼と重なりましたァァ!ハイおめでとう!笑
主人公「地味だけど知的そう」で真面目なヒス(チョンドヨン)がかつて付き合っていたビョンウン(ハジョンウ)から借金を返してもらうため、一緒にそのお金集めに付き合う1日のお話。
このビョンウンがまぁ絵に描いたようなダメ男。お金も職も無いのに競馬通い、夢だけはでかくて冗談ばかり言っていて口達者。でも世渡り上手、友達が多くて慕われている、愛嬌があって義理堅い、バカそうで何も考えてなさそうなのに時々真面目なことを言って、本当は色々悩みや辛いこともあるけどわざと明るく振舞ってるだけなのかな…?と思わせるような、もうとにかく甘えん坊で憎めない!…なんかかわいい!あんたには負けるわ!と悔しいけど言いたくなるそんな男。
コイツがまじで、自分の好きだった人と重なり「ウワ〜〜!!!やめてくれ〜〜!なんで自分のことを見ているかのようなんだ〜!」状態。もう途中から主人公が他人と思えない、むしろもう昔の自分でしか無い、てか自分だ、これ私の話だ、私のための映画だ、と…感情移入どころじゃないもう没入してましたよね、、、
主人公はもうコイツと別れてるわけなので、冷めた目でビョンウンを見てる、「いいから早よ金返せ」と。でもビョンウンはなんとか楽しませようとしたり、金を貸してくれる女の人達に会わせて「まあみんな仲良くしましょー!」と寄り道したり、とにかく今日の1日も楽しく過ごそうとしてる。そんなビョンウンに主人公はイライラ、お金貸してくれるのは全員女だしなんかやけに親密な人ばかり、「元カノ巡りなんか?私を巻き込むなよ」と不機嫌になりつつもそれを言うと相手にまた茶化されるのでむすっとしてる。でもビョンウンの気さくな所や人に慕われている所、なんだか憎めないような所をまた見て実は昔は彼のそういうところに惹かれていたわけだし、自分と正反対のビョンウンにこうやってリズムを崩されて振り回されるのがなんだか昔を思い出して懐かしくもあり、時は流れたけど変わっていないビョンウンが、昔の付き合っていた頃の楽しい時を思い出させてくれるような、少しずつ少しずつ主人公も肩の力が抜けていく、基本ツンデレなんで主人公全然楽しそうな表情しませんけど、心の中は少しずつ変わってるんです、アー!共感!!!

そしてこの役者2人の演技がね、お互い演技派と称されるだけあってもう最高!
チョンドヨンは表情の崩れない(と自分では思っているが実は顔に出まくり)を上手ーく演じてるな〜!囲み目アイラインからは意志の強さ、自分の殻に閉じこもり人を寄せ付けないことがわかる。感情表現が不器用で世渡りが下手、頑固、人を見下していて高圧的。そんな彼女が頼れるのは何気にビョンウンしかいなかったんだろうな。不機嫌な演技「뭐?(何よ?)」ばっか言ってるのにそのバリエーションもすごい。てか顔ちっさ!
ハジョンウ…どれだけハジョンウが魅力的なダメ男を演じれるかで映画の良さが決まるやん、サイコーでした。マジでもう大好き…最近の渋カッコいいダンディなおじさんぷりから想像つかないくらいの可愛らしいダメ男で、あなたこの後いつの間にその渋さを身に付けたんですか?とびっくりする。細かい仕草とかまで私の好きだったダメ男に似てて悶絶しまくったわ〜罪深い。ハジョンウ罪深い。

監督もすごい!最高のシーンがいくつも!
例えば主人公が若い男女が話しているところを子を見守る親のような少し悪戯っぽい笑みを浮かべているところ。このシーンで「あっ、2人は以前こういう出会い方をしたんだろうな」と分かる、そして案の定最後!あれ胸キュンだよね〜!!
バスのシーン、やばかた!バスに乗ってて主人公が怒ってる、ビョンウンは主人公の前の席に乗ってて「ねえ、怒ってる?」「あ、ヒスそこ優先席だよ〜笑」と機嫌を直そうとする。それでも無視されてるから「俺が見える位置にいたら邪魔だよね、移動するね」とバスの前の方の席に移動してそこから笑顔でこっち見て「ヤッホー」みたいな顔してる、まじで子どもか、無邪気か!ともう思わず笑みが溢れてしまう。ね、もうこういう細かい所までビョンウンの憎めなさが描かれていてイイ!

フゥ…かなり語ったけどもうとにかく…ダメ男に一度は恋したことある人なら少なからず共感できるはず!
ラストまでしっかり考えられていてもう最後まで楽しませてくれます!なかなかにオトナ味な映画、こんな映画がすきだ〜〜ウディアレンぽい音楽もまたオトナな恋愛度を高めてくれる、アガる〜

途中からこんな夢のような旅が永遠に続けばいいのに、ずっとお金が集まらなくてずっと一緒に集めて回れればいいのに、と思うんだけど、永遠なんてないからいつかは終わりが来る、いつかは別れなければならない。それは寂しいことではあるけれど、別れた後に、終わった後に1人で楽しかったことを思い出して、そのことに浸って思い出として記憶することで永遠に心の中に美しいものとして保存されてそれはそれで良いよな〜〜としみじみ思いました。

あァ人生…!この映画に出会えて良かった、美しい思い出と共にまたこの映画を見よう、ありがとう!泣

(追記)ハンヒョジュが一瞬出ている!笑 雨が降るバス停シーン。
元カレに借金を取り立てる女。何としてでも今日中に返せ!
これは、男の女性遍歴を辿る小規模なロードムービーであり、「何でこんな男好きになったんだろう?」と思いを巡らす女の心の旅である。
“アイツを好きになったのは、私の人生にとって間違いでは無かった”
一日の終わりに心からそう思えたら、これが素晴らしい一日でなくて何であろうか。時間は戻せなくても彼女はやっと前を向けるのだから。
どっかの占い師の「結局、あなたとその人は縁が無かったんですよ」なんて言葉にゃ納得出来ぬ全ての恋する大人に捧ぐ。
あぁ人生はジャスなんだなー。音と音が共鳴していないようでしている。人間も同じ。